ピストンエンジンは永遠か!な?

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マフラーの容量/番外編(2サイクルエンジン)

2006年07月06日 | マフラーの容量

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マフラーについて色々調べてみると、必ず脈動効果と言うフレーズが出てくると思います。

脈動効果は2サイクルエンジンが積極的に利用して効果を上げていますので、チョット寄り道ですが考察してみましょう。

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どこから始まるか迷うところですけれど、これは燃焼行程です。

燃焼ガスがピストンを押し下げていますが、リードバルブが閉じているのや、燃焼済みガスがエキスパンションチャンバー(通称、チャンバー)の出口方面だけにあり、中央部以前には気圧の谷になっているのに注目してください。

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ピストンが更に下降すると、シリンダー内に開口した排気ポートが開きます。チャンバー内は直前の行程で排出されたガスは出て行ってしまい気圧の谷になっているので、シリンダー内の燃焼済みガスは速やかにチャンバー内に流出します。

図では同時になっていますが、やや遅れて掃気ポートが開き、ピストンの下降によりクランクケース内で一次圧縮された新ガスが、燃焼済みガスを追い出すと同時にシリンダーに導入されます。

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ピストンが下死点を過ぎ上昇に転じる頃には、燃焼済みガスはチャンバー内に充満して出口が絞られているため圧力が高くなり、排気ポート付近の気圧はシリンダー内と拮抗することになり、新ガスがシリンダーから排出されるのを防ぎます。

それと同時に、ピストンの上昇によりクランクケース内の気圧が下がるので、圧力差によってリードバルブが開きキャブレターから新ガスが流入します。

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排気ポートと掃気ポートを過ぎたピストンは圧縮行程になり、次の燃焼に備えます。

チャンバー内の燃焼済みガスは絞られた出口を通り大気中に排出されますが、勢いでチャンバー内に気圧の谷を作り、次の排気行程に備えます。

実際はこんなに単純ではないと思いますが、原理はコンナ感じと思ってください。

2サイクルエンジン(2ストローク1サイクル)は毎回転に燃焼行程がありますから、同じ行程容積の④サイクルエンジンの倍近くのパワーを出す事が可能です。

パワフルでしかも構成部品が少ないのでコストが安く、一頃は原付のバイクのほとんどはコノ2サイクルエンジンを使っていました。

しかしクランクケース内で一次圧縮するため、ピストンとクランクシャフトの潤滑は吸入ガスにオイルを混入しなければなりませんので(CCIという手があるにしても)、オイルが一緒に燃焼することにより、炭化水素の発生が多くなります。

チャンバーで気圧の山と谷を増幅して充填効率を高める方法は、ある一定の回転域に限られます。それはピークパワーを高めると必然的にパワーバンドは狭くなります。

そして低回転域ではガスの流速が遅くなるのでガス交換が不十分になり、未燃焼ガスの流出が多くなって、これも炭化水素の発生と燃費の増大をもたらしてしまいます。

圧倒的なパフォーマンスの2サイクルエンジンはレースの世界でも活躍したのは記憶に新しく、ホンダがGPレースに復活したときのNR500は2サイクル全盛に4サイクルエンジンで果敢にチャレンジしましたが、見事に撥ね返されてしまいました。

チャンバーは独立した部品に関わらず、まるでエンジンの一部のようです。ヤマハがYPVSというデバイスを開発してパワーバンドの狭さを解消してから、他のメーカーもコゾッテ同じようなモノを採用し、レーサーレプリカブームの基礎を築いたのも忘れてはなりませんね。

排気音は皆様は余りオスキではないと思いますが、ワタシが20歳の頃ツクバサーキットに見物に行った軽自動車の360ccエンジンを使ったプロトタイプ(グループ7だったかな?)のレースで、フロンテの3気筒で3連チャンバーのエキゾーストノートの素晴らしさは今でも思い出します。

あの独特の甲高い音は、まだカナリ高い燃焼圧があるときに排気ポートが開くので、その瞬間に発生するのでしょうね。

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コレは以前オーバーホールを紹介した50ccスクーターのシリンダーです。掃気ポートは沢山あります。

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