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◎「人のこころに残ること」とは はちの巣座・新歓公演

2009年04月16日 | 公演・演劇・展示
 神戸大演劇研究会はちの巣座の2009年新歓公演「MIDSUMER CAROL~ガマ王子vsザリガニ魔人~」が、4月12日から15日まで国際文化学部D300教室(シアター300)で行われた。観客を「泣かせる」迫真の演技に、満員の客席からは大きな拍手がおこった。【4月16日 神戸大NEWS NET=UNN】

 舞台はとある病院。偏屈、頑固者で院内の人々に嫌われていた大貫は、記憶障害を持つ少女パコと出会う。それから数日たったある日、大貫はパコが彼の物を盗んだと思い込み頬を殴ってしまった。翌日、障害の影響で殴られたことなど全く覚えていないパコ。しかし大貫がふとパコの頬を触ると、なぜか「大貫が昨日頬に触れた」ことを思い出したのだ。これがきっかけとなり、彼は彼女の記憶に「何か」を残したい、と強く願うようになる。そして大貫は院内の人々に、パコが毎日読む絵本を劇にして演じてくれるよう懇願する。

 今回の公演内容は、昨年映画化された「パコと魔法の絵本」を基にしている。演出を担当した荻野宏喜さん(経済・3年)は「新歓公演ということもあり、明るい話で演劇を知らない人にも楽しんでもらえるものを、という思いで選びました。しかしもちろん、映画よりも劇の方がいいと思ってもらえるようにしましたね」と演劇の良さをアピールできる題材、演出にこだわった。
 今まで使用していた六甲台講堂が使用できず、初めて国文キャンパスのD300教室を会場にしたため勝手がわからず苦労も多かった。しかし、荻野さんは「(観客を)泣かせよう、という思いがありました。それは成功して良かったです」と、劇に手ごたえを感じていた。
 大貫役を演じた藤田大輔さん(工・2年)も、「大貫のキャラクターに惹かれてこの役を選んだ。歳のギャップや前半の『悪さ』を出すのに苦労したが、演出さんにすごく助けられた。特に大貫の『泣きシーン』は自分も台本を読んで泣いてしまったので、ここは魅せたかった」と、役作りの難しさや見せどころを話した。

 劇を見に来ていた自由劇場部員の山極理樹さん(工・2年)は、「本当にいい芝居で、泣いてしまいました。自分達ももうすぐこの舞台で公演しますが、プレッシャーを感じますね」とライバルの完成度高い公演を称えた。

 また、公演の後には舞台、照明、音響を身近に触れることができるバックツアーを開催し、公演を見にきた新入生らに公演の舞台裏を紹介した。照明紹介の担当者は、「パネルを動かすとおぉっ、と言ってもらえるのが嬉しい。これで少しでも興味を持ってもらえたら」と話した。(記者=義原由樹子、新田理絵)

【写真】徐々にうちとける大貫(左)とパコ(右)。(4月14日・国文D300教室で 撮影=新田理絵)

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