IPSO FACTO

アメリカの首都ワシントンで活動するジャーナリストの独り言を活字化してみました。気軽に読んでください。

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フリオとリック、2人の意外な共通点

2005-08-31 13:52:13 | ハリケーン「カトリーナ」関連
ハリケーン「カトリーナ」が南部湾岸地帯を直撃して1日、少しずつ被害の実態が明らかになってきた。昨日のブログを書いていた段階では死傷者の情報が全く入ってなかったんだけど、少なくともミシシッピー州だけで少なくとも100人が死亡した模様で、洪水の被害が激しいニューオーリンズ周辺では救助活動さえ思うようにできない状態で、正確な犠牲者の数は未だに発表されていない。ニューオーリンズ市内にあるスーパードーム(プロフットボール・チームの本拠地でもあるドーム型球場)では約1万人の避難者がハリケーン前から滞在しているが、屋根部分のタイルは強風で剥がされ、雨漏りが発生しているようだ。さらに、電力供給がストップしてしまったため、ドーム内が蒸し風呂状態になっている模様だ。

ちょうど去年の今頃、ラジオの番組や週刊誌の中で、僕はフロリダ一帯を何度も襲ったハリケーンの話題を取り上げた。ラジオの中では何度も「大型のハリケーン」という表現を使ったが、今回のハリケーンと比べると、全てが子供騙しにすら思えてくる。ニューオーリンズが海抜ゼロメートル以下の場所に作られた町ということもあって、その被害は想像以上のものとなっている。「自然の残酷さ」という安っぽい言葉を使うのに罪悪感すら感じるけれど、何日も前からハリケーンの直撃が確実視されていても何もできない現実がそこにはある。2002年の秋にテネシー州のモッシー・グローブという田舎町を取材した事があった。ハリケーンによって町(というよりは村に近いけれど)全体が吹き飛ばされており、僕は災害発生翌日に現地入りした。住民の多くは自宅に作った地下室に身を潜め無事だったものの、家や車が1つずつ吹き飛ばされていく音を聞きながら、何もできないまま身を固めていたそうだ。

ハリケーンでズタズタにされたニューオーリンズの町だけど、さらに心が痛くなるような事件が相次いで発生している。市内の観光名所フレンチ・クゥオーター周辺ではルーティング(略奪)を繰り返す市民の姿が確認され、洪水の影響を受けなかった地区でも少なくとも3件の銃撃事件とカージャックが発生した模様だ。市内の大部分が浸水してしまっているため、警察や州兵ですらパトロールが困難な状態だが(救急チームはヘリコプターでの活動を余儀なくされている)、略奪行為に加わる市民は川のようになった市街地を泳ぎながら移動しているとの事。阪神大震災が発生した日、僕は尼崎市の実家から芦屋市の親戚の家に水などを届けに自転車で走った。その時も芦屋市内のコンビニや自販機が荒らされ、食料などが持ち去られていたが、ライフライン復旧の目処が全く立たない中で、そういった行為が人間の生存本能なのかなと大学生ながらに感じたことがあった。今回の略奪の背景を詳しくは知らないし、略奪行為を肯定するつもりは毛頭無いけれど、非常時の生存本能って常識では測れないものだから…。

米空軍は29日、新たな宗教ガイドラインを発行し、宗教上の昇進差別を硬く禁じるよう指揮官達に通達した。新たなガイドラインでは、空軍内の公式行事や会議などにおける祈祷会が禁止され、礼拝だけが許可される。しかし、「短時間の宗派に関係の無い祈り」は認められ、昇進を祝ったり、災害や戦闘に出動する際に祈る事が許されている。空軍は複数の士官候補生からの苦情を受理したのち、今回の新ガイドラインの作成を行っている。複数の士官候補生の苦情によれば、コロラド・スプリングスの空軍士官学校で福音派キリスト教徒の上官達が、自らの立場を利用してキリスト教信仰を強要しようとしていた模様だ。今回のガイドラインは年末までに適用される見通しで、空軍士官学校だけでなく、空軍全体で信仰を理由とする昇進差別が禁止される。

空軍士官学校での宗教差別は民主党のスティーブ・イスラエル(ニューヨーク州)、ロイス・カップス(カリフォルニア州)両下院議員によって激しく非難されていたが、両議員とも今回の新ガイドラインを歓迎する声明を発表している。しかし、士官学校卒業生のマイキー・ウェインスタイン氏は、空軍がこれまで宗教的差別を行った士官達に罰則を与えることを拒んできた過去を例に出し、今回のガイドラインの効力に疑問を投げかける。「これでは問題解決どころか、かえって事態をややこしくするだけです」、ウェインスタイン氏はニューヨーク・タイムズ紙の取材にそう答えた。ガイドラインは空軍や士官学校の中での異なる宗教への寛容性を徹底させるよう指揮官達に求めており、服装や食事、宗教上の祭日がこれまで以上に保障される見込みだ。

軍隊内におけるキリスト教福音派の台頭や、異なる信仰心を持つ兵士や士官候補生への嫌がらせが最近になって相次いで発覚しており、30日付のワシントン・ポスト紙も宗教差別が原因と思われる脱走事件を報じている。陸軍は29日、ジョージア州のフォート・スチュワート基地で勤務していたジェフリー・ゴールドマンを脱走兵リストに加えた。カナダ生まれのゴールドマンは基地内で軍隊付きラビ(ユダヤ教の指導者)として勤務していたが、同僚でもある別の軍隊付き牧師から何度も嫌がらせを受け、2002年1月に故郷に戻っていた。ゴールドマンは合法的な除隊だったと主張してきたが、陸軍は彼を正式に脱走兵リストに入れた。ゴールドマンの上司でもあったキリスト教の牧師は、「お前みたいなラビが南部で生きていたければ、北部のラビみたいな振る舞いはやめることだ」と言い、別の牧師はナチスの制服を広げて見せたのだという。

子供の大学生活を過剰に気にしてしまい、毎日のように大学側に電話やメールで問い合わせや苦情を行う親が急増しており、教育関係者達はこういった親を「ヘリコプター・ペアレンツ(子供の周りを常に周回しているという意味で)」と皮肉を込めて呼んでいる。コルゲート大学(ニューヨーク州ハミルトン)の教育関係者にも学生の親からの苦情が頻繁に送られており、苦情の内容はルームメイトの相性の悪さから成績に関するものまで様々だ。最近、ある学生の親がコルゲート大学事務局に問い合わせを行っているが、娘が参加する中国での研修旅行で現地の水の出の悪さをどう対処するのかというものだった。「コルゲートのように年間4万ドルの学費がかかる大学では、親からの期待や要求が高いのも仕方がないと思っています」、大学内のカウンセリング局で責任者を務めるマーク・トンプソン氏はそう語る。

この数年間、大学関係者は苛立ちを抑えながら、できる限り学生の親に満足してもらえるよう努めてきた。しかし、先週行われた新入生向けオリエンテーションの中で、コルゲート大学側は顧客サービスよりも高等教育をより重視していると学生の親に対して言い切っている。約2750人が学ぶコルゲート大学では、「ヘリコプター・ペアレンツ」の存在が対処しきれない段階にまで達しており、学問と同じように自立心も大学生活の中で学んでほしいと判断した。「皆さんもお気付きかと思いますが、親が必要以上に学生の世話を焼く習慣が長いあいだ続いてきました。この習慣こそが、全ての問題の元凶になっていると言っても過言ではありません」、アダム・ワインバーグ学長はそう語った。ワインバーグ学長は大学生活の持つ意味として、集団生活の中で人間関係を学び、自立した人間になる事でもあると説明している。

大学側は以前と同じように学生へのカウンセリングを継続していく。親からの連絡があった場合、よほどの重大事で無い限り、親には子供自身で問題を解決するチャンスを与えるべきと伝えていく模様だ。ワインバーグ学長は前出の中国旅行に関する問い合わせにも触れ、「この親御さんには、21世紀になった今、外国で異文化を怖がらずに体験するのも当然のことだと伝えました」とコメントしている。大学生の親による過剰な「気遣い」はこの10年で非常に顕著になっており、複数の教育関係者はベビーブーム世代の親と子供の強いつながりに原因があると指摘している。そして、2つ目の理由として挙げられるのが携帯電話の存在だ。学生寮の公衆電話で週末に10分だけ家族と話をした時代はとっくに終わっており、コルゲート大学でも、テストを終えた学生の多くがそのまま携帯電話で家族と話す姿が頻繁に見られる。

最後に嬉しいニュースを1つ。以前のブログで2人の野球選手(アトランタ・ブレーブスのフリオ・フランコと3Aニューオーリンズ・ゼファーズのリック・ショート)について書いた事があった。フランコはメジャーリーグの選手としては最高齢の47歳でホームランを打っており(今も元気にブレーブスでやっている)、ショートはプロ選手としては44年ぶりに打率4割台への到達が期待されている。フランコが日本の千葉ロッテで活躍した事は有名だが、実はショートも2003年にロッテに在籍していた。日本でパッとした成績が残せず、失意のままアメリカに戻ったショートだが、今では(3Aにもかかわらず!)最も注目される野球選手の1人だ。ロッテよ、やるじゃないですか。この2人やセシル・フィルダー(元阪神)、アルフォンソ・ソリアーノ(元広島)といった選手を見ていると、海外から日本にやって来てプレーする選手にも実力派が多い事がわかる。シーズン半ばで帰国したゲーブ・キャプラーの一番の魅力といえば、守備ではなくチームの雰囲気をまとめれる人間性である事はレッドソックス・ファンなら誰でも知ってる話だけど、日本一閉鎖的な球団で彼の才能が活かされることはなかった。本当に多いのは「ダメ外人」ではなく、「無能フロント」なのじゃぁないでしょうか?
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