川崎市で中学1年の男子生徒が殺害された事件報道は沈静化しているが、今週の「週刊新潮」、「週刊文春」の見出し記事に『「上村君」母が通夜の席で女性にピンタされたある理由』、『通夜の席で上村君の母を平手打ちした女性の言い分』があり、当方は報道済のシングルマザーの上村君の母親のコメントを接しており、通夜の席で人前でピンタされる背景が気になっていました。
当方は、「週刊新潮」「週刊文春」を店頭で斜め読みし、「週刊文春」は簡潔に出来事だけを記述しているだけで、購買した「週刊新潮」は、記事『「川崎中1殺害」狼たちの夜』の最後に、
“「「親の男がいる」
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上村君の友人は、彼がこう呟くのを聞いている。
「家には、親の男がいる」
上村君の両親は、彼が小学校3年生の時に離婚している。当時、一家は島根県の隠岐諸島にある西ノ島で暮らしていたが、2年前の夏、上村君は母や2人の妹、幼い弟と共に川崎に引っ越してきた。
「遼太君の母親に彼が出来たのは、去年の春頃です。そのうち、彼女が住んでいるアパートで半同棲みたいな状態になっているというから、彼女に電話して叱ったんです。”男とはせめて外で会いなさいよ! 子供たちの居場所がなくなっちゃうじゃないのよ!“と」
そう語るのは、上村君の母親の知人女性である。
「それでだんだん疎遠になっちゃって、あの事件ですよ。お通夜の時、彼女は私に深々と頭を下げたんですが、私は無意識のうちに、頭を上げた彼女の頬を3発くらいピンタです。事の成り行きを知っているからいろんな思いが渦巻いてしまつたんでしょう。そしたら、彼女は、“なんにも知らないくせに!と絶叫して泣き始めた。私はそんな彼女をぎゅっと抱きしめました」
あの夜の河川敷で上村君は朦朧とする意識の中、母親の顔を思い浮かべただろうか。「助けて」と心の中で叫んだろうかーーー」“
と報道しています。
記事を読むと、上村君は、シングルマザーの母親の彼(男)に遠慮・配慮し、夜更けに外出しており、その事を知り苦言していた母親の知人が通夜の席に、母親をピンタしたということを取り上げていますが、何か、生活に困窮している母親を他人様が綺麗事で批判できるか違和感を持ちました。
今週の「女性セブン」記事「川崎・中1全裸殺人事件 上村くん お母さんはがんばったよね。」をネットでは、『生活厳しかった川崎殺害被害者家族 生活保護は受けてなかった』で紹介しています。
概要は、上村君の一家が島根県隠岐諸島・西ノ島から移転し、川崎市内にある家賃10万5000円、3LDKのマンション。ここで、母親、高校生の兄、上村さん、小学生の妹2人、保育園に通う弟の6人で生活していたと。
上村君の母親は、上村君が小学3年生のときに、父親のDVが原因でいちばん下の子を妊娠中に離婚し、当初は、島内の一戸建てで、5人の子供を抱えるシングルマザーになり、祖母が川崎から頻繁に手伝いに来ていて、介護の仕事による母親自身の収入だけでは生活が成り立たず生活保護をもらっていたと。
その後、母親は、祖父母を頼って川崎に出てきたことで、祖母に加え祖父の力も借りられると思い辞退したのか、あるいは打ち切られたのか、生活保護は受給していなかった。
“「でも去年の秋頃、祖父が体調を崩して、その看病に祖母がつきっきりになってしまった。母親は、忙しい合間を縫って祖父の介護もしていたそうです」”(別のマンション住人)
と、上村君の母親は、祖母が充てに出来ず、生活保護も受給せず子沢山のシングルマザーになっていたと報道しております。
「週刊新潮」の記事は、母親の知人が母親の「男」の存在を通夜の席で罵倒し平手打ちした際に、母親が“なんにも知らないくせに!”と絶叫して泣き始めたと記述あり、意味深と連想しました。半同棲状態の「男」については、困窮している母親にとってはどういう存在であったか不明であるが、経済的な一助になっていたのかも知れませんね。
通夜の席で、"「何も知らない」”他人が人前で罵倒し平手打ちできる事柄だったか違和感を覚えますね。
「付記」
困窮する子沢山のシングルマザーに彼(男)が存在することが社会的な絶対悪なのか思考していたら、ネットにフリーライターの武田砂鉄氏の考察『川崎リンチ殺人、被害者の母を責め立てた林真理子氏のエッセイの暴力性』に接して一理あると思いましたね。
それにしても、DVで子供と逃げざるえないシングルマザーは、社会的に辛い立場ですね。
やはり、世の中、カネが不幸の起因になることは現実ですね。
上村君の母親が知人から通夜の席でパンチされ”「なにも知らないくせに」”と絶叫した事柄を知り、ひと昔のTVドラマで有名になったセリフ『同情するなら金をくれ』を連想し”『苦言するなら金をくれ』”が困窮疲弊困憊の母親の叫び”「なにも知らないくせに」”ではなかっかと思いますね。
批判するだけの人達は所詮、貧困がどういうものかわかっていないのです。
親は毎日生活に追われ、学用品もその他のものであっても、買いたいものを自由に買うことができず、学校の勉強が足りなくても塾に通うことすらできない・・。
きっと上村君もお母さんを気遣い、色んなことを我慢してきたんだと思います。
本来、殺人を犯した加害者の家族とその周辺が批難されるのが筋。
また、警察の怠慢も指摘されないのが不思議なくらいです。
加害者らは日常的に窃盗や暴行などを起こし、何度も補導歴や逮捕歴もある少年らでした。もし、警察が過去の犯罪も追及し、彼らを逮捕・補導していれば、ここまでの事件は起こらなかったかもしれません。
「相棒」ではありませんが、もし、杉下右京が彼らを逮捕したなら、きっとこういうでしょう「僕は怖いです。こうやって警察が信用されなくなる、こちらの方がもっと怖いです」と。
今回、殺人罪として起訴されたのは、主犯格の18歳の少年のみ。他の仲間は殺人罪での起訴ではありません。
ここも矛盾しています。仮に18歳の少年の指示があってにしても、暴行を加え続けている以上、殺人罪と同罪だと思います。司法の場で、殺人罪として扱うべきだと思います。