ホームタウン その1
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「ホームタウン」とは、「赤い部屋」と同じくすりばこさんによるゲームである。
「舞台は、どこにでもあるような地方の平凡な町。
殺された兄の謎をとくため、主人公はガールフレンドと、兄の残した家に行く計画を立てるが―エンディングは18通りあります。」
という紹介がある。
サイコサスペンス系のホラーADVとなつている。
18のエンディングは、大半がデスエンド、つまり死んでしまうエンディングで、勿論バッドエンディングである。
主人公は「平沢 孝之」で、大学生である。
両親は早くに亡くなり、孝之は親戚に引き取られたが、兄は施設に送られ、そこで成人した。
暫く前に兄からの手紙では、家を建てているので完成したら遊びがてら見においでと誘われたが、兄は家の完成を待たず殺されてしまった。
兄は特に儲かる仕事はしていないのに、どうやって家と土地の費用を捻出したのだろうか?
殺害の方法は、正面から刃物で一突き、その後は滅多差しというもので、財布などは奪われていないので、警察では怨恨の線で捜査しているらしい。
孝之はGFの沙希に電話して、明日落ち合うこととした。
選択肢1は、「先に兄の家に行く」「わかった 明日落ち合おう」で、これは「明日落ち合う」がトゥルーエンドへのフラグらしい。
兄の家のある新開田駅へ向かう途中、相田七香という女性と出会った。
葬儀の時には業者との交渉や手続きなど、てきぱきとやってくれた女性である。
楚々とした趣きのある女性で、兄の恋人だったようだ。
彼女は明日伺うと言って去って行った。
その後孝之は、家を建てた地元の工務店へ向かった。
お金のことを聞くと、支払いはきちんとしていただいていて、なんの問題もなかったとのことである。
少なくともこの工務店は、殺人には関係はなさそうだ。
孝之は殺人現場に行ってみたが、そこには真新しい花束が置かれていた。
誰が?何故?何時?
孝之の脳裏には、あの相田七香の面影が浮かんだが、或いは犯人が?とも思った。
翌日、孝之は沙希の車で兄の家に向かった。
兄のバイクを調べたりしているとチャイムが鳴り、相田七香が現れた。
その瞬間沙希の形相が恐ろしいものに変わったが、兄の恋人だと言い訳すると大分和んだようだ。
遺品わけをしようと七香に勧め、兄の遺品を開けるとノートパソコンがあり、貼り付けられていたメモには、「孝之にはあの手紙を必ず渡す」とあった。
選択肢2として、「携帯を探す」「バイクのキーを探す」「手紙を探す」となり、当然手紙を探すを選択した。
手紙は見つからず、七香は車で去って行ったが、すぐバックで戻ってきた。
途中で山崩れがあり、通れないそうである。
と、いきなりチャイムがなる。
この嵐の中で訪問者とは?・・・
話を聞くと上殿智人と言うフリーライターで、無差別殺人の取材でここを訪れていたのだが、重大なネタを掴んだそうだ。
それは被疑者は前にも他の人を殺している、ということだと、上殿は言う。
選択肢3は、「手紙のことを話す」「話さない」となり、「話す」を選択した。
続いて選択肢4、「沙希に聞いてみる」「上殿に聞いてみる」では、上殿に聞いてみた。
上殿はにやりと笑って「年寄りならまず仏壇に隠すな」と言った。
仏壇を調べると、一つだけ開かない引出があり、それを叩くとはさまっていたものが取れて引出は開いた。
中には手紙の束が入っていた。
兄から孝之への手紙である。
二人の父は中堅会社の部長だったが、常にマイホームに憧れていた。
父の父は風来坊で、父はマイホームというものには縁がなく、そのためローンを組んでマイホームを造った。
しかし、突然会社が梼Yし、支払いが出来なくなったが、父は家を売る決断ができず、日夜母との間で喧嘩が続いた。
ついに破局が訪れ、父は母を絞め殺し、家に火を放った。
こうして兄は養護施設に入り、孝之は養父母に引き取られたが、兄は父の夢を我がものとして、同じ間取りの家をここに建てたのである。
その資金を売るためには決して許されないことをしたが、それはここには書けない、と手紙にはあった。
その時玄関を叩く音が聞こえてきた。
ホームタウン その2 へ続く
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