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エンセラダスの擬似カラー画像(北極地域)

2008-03-15 23:52:22 | オリジナル画像
No.293 2008/3/14作成

Enceladus False Color Image (The North Polar Region)

3月12日、NASAの土星探査機カッシーニが土星の衛星エンセラダスに接近しました。
その際撮影された紫外線、可視光線、赤外線の画像を合成して、擬似カラー画像を作ってみました。
ここに写っている地域は北極地域です。

エンセラダスは大きさ512 x 494 x 489kmの中型の衛星です。
エンセラダスは太陽系の中でも最も白い物質で覆われており、恐らく雪のように細かい氷の粒で覆われていると考えられています。
ここに写っている北極地域は、エンセラダスの中でも比較的クレーターの多い地域です。
大小様々なクレーターで覆われた地域と、クレーターが少なく代わりに無数の溝や亀裂で覆われた地域との2つが混在しているのが分かります。
クレーターの多くは、エンセラダスが誕生したばかりの古い時代にできたものです。
溝や亀裂のような地形は、長年にわたるエンセラダスの地殻活動によって新たに形成されてきたと思われます。
また、その際に内部の氷の粒が外にふき出し、それが降り積もって表面を覆っていると考えられます。
エンセラダスの表面が明るいのはこのためです。

画像をよく見ると、青緑色の溝があちこちに見られます。
これらは比較的最近できた新しい地形と考えられます。
風化を受けていない新しい氷が地表に露出した部分が、このように青っぽく見えると考えられています。

探査機カッシーニは今までの探査の中で、エンセラダスが今も活発に活動していることを発見しました。
特に南極地域にはできたばかりの亀裂が多数あり、周囲よりも温度が高いことが明らかになりました。
さらに、南極地域から細かな氷の粒が噴出す様子も確認されました。
これらの観測結果は、エンセラダスの内部が現在も活発に活動している動かぬ証拠となりました。
また、エンセラダスがふき出した物質が、Eリングと呼ばれる希薄なリングを作っているらしいことも明らかになりました。
今回の接近観測では、エンセラダスから噴出している物質の分析なども行われました。

元の画像:NASA/JPL提供


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