絵本の部屋

鈴木まもる「鳥の巣研究所」別館

「せんろはつづく にほんいっしゅう」

2021年09月16日 | のりもの絵本

『せんろはつづく にほんいっしゅう』
鈴木まもる作・絵
金の星社 32ページ ¥1300+税
2021年9月刊

にほんには いろいろな れっしゃが はしっているよ
えきで のりかえれば いきたいところへ
いくことが できるんだ
さあ、にほんいっしゅうへ しゅっぱーつ!
(カバーソデより)

 

とびら

 

これは みなさんが すんでいる にほんの くにです。
たくさんのひとが くらしています。
おおきなまちと おおきなまちのあいだを、
しんかんせんが はしっています。
でも、でんしゃは しんかんせんだけでは ありません。
しんかんせんの ついたえきからも せんろはつづいていて、
いろいろな れっしゃが はしっているのです。
このえほんでは、にほんを 12のばめんに わけて、
そこをはしる でんしゃが かいてあります。
(略)

 

しゅっぱつは、にほんで いちばんおおきなまち、とうきょう。
ぐるっとまわる やまのてせん。
まんなかはしる ちゅうおうせん。
いろいろな してつも たくさん はしっています。
(略)


うみのしたに トンネルを ほったのです。
ふかさ140メートルの うみのそこから、
100メートルしたに トンネルを ほって、
いりぐちから でぐちまで やく54000メートルもあります。
(略)
こうしてできたのが せいかんトンネルです。
でんしゃが とおる トンネルとしては、
にほんで いちばんながい トンネルです。
(略)

 

裏表紙

 

<制作ノート>

電車の絵本は、新型車種が良く出る。地域性がある(たとえば九州地方の電車は、ほかの地方では見ることができません)ということで、なかなか主人公的な形にできません。ライトを目にして顔のように擬人化したものにする気もないので、なかなか絵本にできませんでした。
その辺をクリアーして描いたのが、『でんしゃがきた』(竹下文子文 偕成社 2013年)と、3月11日の震災後、福島にガソリンを運んだ『はしれディーゼルきかんしゃデーデ』(すとうあさえ文 童心社 2013年)でした。
そんな中、電車の絵本を考えていて、そうだ日本中の電車を全部描いちゃえば、今の日本に住む人の暮らしや今の日本が感じられる絵本になるかと思いつき、作り始めたら、これは『せんろはつづく』の進化系だと思い、このシリーズの主役の子どもたちに集まってもらいました。
1作目で広い世界に線路を引き、トンネルや鉄橋を作り、2作目で、さらなる状況に適応していき、3作目で貨物列車、寝台車など電車事体の多様性を描き、今回それがどう今現実の日本で走っているのか、という必然性の流れで出来上がったのだと思います。
と、むつかしく考えてできたわけではなく、ただただ描きたかっただけで、あとから正当化というか言葉化するとこうなのかと思うだけですが…。
でも、描きだして、こんなに、いろいろな形の電車が多いとは夢にも思いませんでした。でも、決めちゃったから、あとは描くだけです。幸いグーグルマップを見ると、いろいろな場所がすぐ見れるのはとても便利な事でした。
とにかく、どこかへ行きたいという生物としての本能があるから、乗り物絵本を好きになるのだと思います。人の暮らしがあり、電車があります。日本の、山あり谷ありの自然の中で、昔の人たちが列車を走らせようとした結晶が今の線路と列車の数々だと思います。
ですから、この絵本は最新の電車カタログとして描いたものではありません。2021年4月の時刻表をもとにしましたが、いろいろな電車を描きたかったので、少し昔のも入っているし、この先使われなくなる電車も当然あると思います。駅弁も季節によって中身が違うこともあります。昔なつかしい駅弁も描きました。
絵本の形に合わせたので、駅と駅の間の、距離や方向は実際と少し違います。スペースの関係で、実際とは違う場所に電車を描いたり、線路が消えている場合もあります。
日本に生きている多くの人々の暮らしと、旅の楽しさを感じる絵本にしたいと思い絵を描きました。コロナで外出できず、Stay homeの間、この絵本を見て、「この電車に乗って海に行こう」とか「この駅で降りて駅弁買って食べよう」とか、いろいろ想像して、コロナが終わったら、この絵本をもって旅に出る子がいたらうれしいです。
(鈴木まもる)

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