絵本の部屋

鈴木まもる「鳥の巣研究所」別館

「なんでもレストラン」

2020年11月11日 | その他の本

『なんでもレストラン』
鈴木まもる作・絵 
文渓堂 32ページ 1300円+税 
2020年11月刊

ぼくはコックさん。ここは、みんなのたべたいものをなんでもつくるレストラン。
はらぺこのおきゃくさんたちが、つぎつぎにやってきます。
ライオン、カンガルー、くま、ねこ……さあ、なにができるかな?


とびら

 

ぼくは コックさん。
ここは なんでもレストラン。
みんなが たべたいものを
なんでも つくってあげるよ。

 

「おなか すいたー。なにか たべたーい」
はい、ライオンさん、いらっしゃいませ。
どんなものが たべたいですか?
「えーとね、さくさくしたものをね、からーい とろとろでね、
たくさーん たべたい!」
はい、わかりました。 

 

さくさくを からい とろとろで、たくさんだって。
さあ、なにを つくろうかな……

 

裏表紙

 

帯あり

 

 

<制作ノート>

たまに仕事で外に行き、食事の時間になり「ちょっとその辺で食べましょう」と言われ、外食することがあります。
はっきり「ラーメンが食べたい!」とか「サバの味噌煮定食たべたい」とかあればいいのですが、頭の中は仕事のことでいっぱいだし、知らないお店だと、メニューを見て「ハンバーグ」と書いてあっても、いつも家で食べてる「ハンバーグ」と少しちがうようで、はずれたら嫌だし、知らない料理の名前だとわからないし…で、なかなか決まらないことがあります。
あれも食べたいような、これも食べたいような…他の人は決まったのに自分だけ決断力が無いと…あわてて決めると、決めた後、隣の席の人のを見て、「アッ、やっぱりこっちにしよう」なんていうのも優柔不断だし…。
最初から店にメニューが無くて、「こんなもの食べたい」というお客さんの気持ちを理解して食べたいものを作ってくれるお店があったらいいなあ…ということで、出来たお話です。
いろいろな動物さんたちが出てきて、好きな物を食べるので、あまりリアルな世界ではなく、軽く楽しい絵の世界にしました。
ぼくは絵を描いたり物を作るのが好きなので、基本的に料理も大好きです。(料理というか工作かな?)今、ネットを見るといろいろな料理の作り方が、たくさん出てきます。ですから、この絵本はレシピの絵本では無く、自由に作るのが楽しくなるような気持ちになる絵本にしたかったのです。
豪華絢爛でなくても、高価な食材が入っていなくても、作ってくれる人が心を込めて作ってくれるものはなんでも、いただけるだけで感謝で、おいしいものです。作る人の愛情と作る楽しみがたくさん入っているからだと思います。是非楽しく自由に作って、楽しく食べてください。

(鈴木まもる)
 

 

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「なにしてるの?」

2020年11月07日 | その他の本

『なにしてるの?』
鈴木まもる作 
ポプラ社 32ページ 1000円+税  
2020年11月刊

とびら

 

「パンやさん なにしてるの?」
「パンを やいてるんだよ」
「どうして?」
「パンを やくのが すきだからだよ」
「どうして?」

 

「たべてごらん」
「おいしい」
「おいしいって いってくれると パンやさんは うれしいんだ。
だから パンを やいてるのさ」

 

「おばあちゃん なにしてるの?」
「あみものを してるのよ」
「どうして?」
「あみもの あむのが すきだからよ」
「どうして?」

「このマフラー ちょっと まいてみて」
「あったかい」
「だれかが あったかくなると おばあちゃん うれしいの。
だから あみものを してるのよ」

 

裏表紙

 

帯あり

 

<制作ノート>

『なにしてるの?』ができるまで

ある日、遠方に行く仕事で羽田空港から飛行機に乗ることになりました。僻地に住んでいるので、時間に遅れてはまずいので、いつも早めに搭乗口に行くことにしています。その日も飛行機の見える大きな窓のはじっこで、絵を描いて時間をつぶしていた時です。後ろから「なにしてるの?」と、かわいい声が聞こえました。
ふりむくと、小さな女の子がぼくを見ていました。
「絵を描いているんだよ」と答えると、
「どうして?」と聞かれました。
「絵を描くのが好きだからだよ」
「フーン」
女の子は、お母さんに呼ばれたのか、スッと人ごみの中に行ってしまいました。

ただそれだけだったのですが、そのことが頭に引っかかり、「なにしてるの?」というフレーズとその子が、その後、ちょくちょく頭に出てきて、膨らんでいきました…。
そして出来上がったのが、この絵本です。
自分は、なんのために、なにをしているのか…
自問しつつ絵本の世界を作っていく過程で、どんな人たちを登場させるか考えていくと、結局、衣食住に関わること、そして自然や物つくり、文化、芸術に関わる生きることの根本のことにつながっていくことなのかと思いました。
まず、好きであること(これは個人差があることです)。そして、それを、どう世の中と接点を持たせ、目的化して自分の存在を正当化していくことにつながるのか…。
それらを、最後に、小さな読者にわかる言葉で、いかにまとめるのか…。
標語や説教っぽくならない表現ということで、最後の「みーんな」という言葉に行きつきました。

昨今、スマホなどで検索すると、世界の隅々のことがわかる(ような)気がしますが、実は皆身近な自分がわからないから、「いかに生きるのか」というような古い本が売れているのでしょう。「なにしてるの?」という小さな子の問いかけに答え応えられるよう生きようと思いました。
飛行場で会ったあの子に「あなたのおかげで、こんな絵本できたんだよ」と渡したいけれど…かなわぬことです。どこかの書店か図書館で手にしてくれることを願っています。

鈴木まもる

 

関連リンク

「大切な人へ」想いを贈る絵本『なにしてるの?』(ポプラ社こどもの本編集部)


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「あるヘラジカの物語」

2020年08月29日 | その他の本

『あるヘラジカの物語』
星野道夫・原案/鈴木まもる・絵と文
あすなろ書房 1500円+税
2020年9月刊

アラスカに暮らす写真家、星野道夫は、ある日、川でふしぎな頭蓋骨を見つけました。
2頭の大きなヘラジカの角が、からみあったまま骨になっています。
角ははずそうとしてもはずれません。
多くの野生動物の姿を写真におさめた星野道夫は、1996年、事故によって世を去りました。
同じ動物好きとして星野道夫と親交のあった鈴木まもるは、 ある日、突然このふしぎな写真が夢にでてきて、絵本を創ろうとひらめき、アラスカに飛びました。
そしてできあがったのが、この絵本です。 
大自然で暮らす動物たちの壮絶な生活と、生命のつながりを描いた絵本。
(初版オビより)


とびら

 



p.2-3
ここは北のくに アラスカ、デナリの山のふもと。
もうすぐ 冬がやってくる。
1とうの おおきなオスのヘラジカが、
たくさんのメスと くらしていた。
ある日、このむれに、みしらぬオスがちかづいてきた。

p.4-5
オスどうしの はげしいたたかいが はじまった。
ガシン ガシンと おおきなつのが ぶつかる。
グオッ グオッと うなりごえが ひびく。

 

p.6-7
2とうのヘラジカは、どちらも まけてはいない。
たたかいは ながいじかんつづいた。

(文章は一部です)

 

裏表紙

 

<制作ノート>

今から20年以上前、偶然、星野道夫君と出会いました。年齢が同じということもあるし、アラスカと日本の山ではスケールが違いすぎますが、二人とも、自然の中で暮らし、動物が好き。ぼくは絵を描き、絵本を作り、星野君は写真を撮影し写真集を出版するということで、表現形態は違いますが、似ている部分も多く、すぐ仲良くなりました。
でも、その頃のぼくは、まだ世界の鳥の巣のことまで解っていない段階で、アラスカの鳥の巣のことを聞いたり、世界の鳥の巣のことを話せる状態ではありませんでした。今思うと本当に残念です。その後、星野君の住むアラスカに遊びに行こうと思った年、彼はヒグマに襲われてしまいました…。
昨年の8月の深夜、寝ていて「この写真の絵本を作ろう」と目が覚めました。すぐ仕事場に行き、画用紙を切って全体の場面構成を考えダミー(見本)本を作りました。彼が写真のキャプションに「こんなことがあったのだろう」と書いていることを、ぼくなりに膨らませて一つの物語を作りました。表紙から、ほぼ全体の構成は心の中にできていて、あっという間に絵本の形になりました。
ダミー本を星野君の奥様に送り、絵本化の許可を得ました。あとは実際のアラスカに行き、現場を取材し光や風を感じようと思いました。すぐ旅行会社に行き、アラスカに行く計画を具体化しました。絵本の舞台となる10月のデナリ国立公園は、もう閉鎖されています。でも自己責任で入ることはできるということです。10月に展覧会もあり、慌てないで1年後に行こうかとも思いましたが、その後コロナが発生し、あの時行っておいてほんとに良かったです。
10月、シアトル経由でアラスカに入国しました。紅葉は終わり夏の観光客のいない雪原のアラスカは、まったく今回の絵本のヘラジカの繁殖期でした。絵本に出てくるヘラジカ、ヒグマ、オオカミ、コヨーテ、カンジキウサギ、オオヤマネコ、南の国に飛んでいく渡り鳥も見ることができました。マイナス50度の世界は体験できませんでしたが、長い長い冬が始まる真っ白な銀世界も見ることができました。帰国後、現場で感じたことから、いくつか場面や構図を変更、修正、絵を完成させました。
この写真を写真集で見たのは20年以上前でしょうか…。なぜ、今回このような形で夢に出てきたのかわかりません。
彼の見たアラスカや撮影した写真とは比べ物になりませんが、絵本の形にすることで、1枚の写真から星野君が伝えたかった、大きな自然の中での生命のつながり、死ぬことと生きること、生命ドラマを、小さいお子さんからでも星野くんの世界を感じられるようになってくれれば嬉しいです。
(鈴木まもる)

 

関連リンク

NetGalley

「アラスカ便り」(星野道夫事務所公式HP)

第2回親子で読んでほしい絵本大賞

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「トリケラトプスのなんでもないいちにち」

2020年06月18日 | その他の本

『トリケラトプスのなんでもないいちにち』
竹下文子・文/鈴木まもる・絵 
偕成社 1200円+税
2020年7月刊

ときは白亜紀後期。いまからおよそ7000万年まえ。
地球には、たくさんのきょうりゅうが生活していた。
草食きょうりゅうトリケラトプスは、草をたべながら、
こんな一日をおくっていた…らしい!
とびらをひらいて、恐竜の時代をのぞいてみよう。

とびら

 



よあけまえ。きりにつつまれた しずかなたにま。
つのに ぽたんと しずくがおちて、
トリケラトプスが めをさます。
(p.2-3)

 

おはよう、おひさま。
あたたかいひかりを からだじゅうにあびよう。
どこかで とりのこえ。いちにちのはじまりだ。
(p.4-5)

 

のしっ、のしっ、じめんをふみしめて、
トリケラトプスは おかをのぼっていく。
くさむらから、ちいさなアルバートニクスが、
びっくりして とびだした。
(p.6-7)

 

後ろ見返し

 

裏表紙

 

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「ティラノサウルスのはらぺこないちにち」

2020年06月18日 | その他の本

『ティラノサウルスのはらぺこないちにち』
竹下文子・文/鈴木まもる・絵 
偕成社 32ページ 1200円+税 
2020年7月刊 

ときは白亜紀後期。いまからおよそ7000万年まえ。
地球には、たくさんのきょうりゅうが生活していた。
肉食きょうりゅうティラノサウルスは、えものをさがしながら、
こんな一日をおくっていた…らしい!
とびらをひらいて、きょうりゅうの時代をのぞいてみよう。
(カバーそでより)

とびら

 



もりのあさ。ひかりがまぶしい。
ティラノサウルスは、あさからはらぺこだ。
えものをさがして、くさはらにでてきた。
(p.2-3)

 

ドロマエオサウルスをみつけて おいかけたが…
(p.4-5)

 



はしってにげられた。
まあ いいさ、あんなちっちゃいの。
(p.6-7)

 

後ろ見返し

 

裏表紙

 

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