笛吹奮闘記

遠州に春を告げる「三熊野神社大祭」。祭りを彩るお囃子は、静岡県無形文化財「三社祭礼囃子」。四十を過ぎた男の笛吹挑戦記!

特一本調子の笛

2007年08月30日 10時09分01秒 | Weblog
 笛をはじめて1549日目。
 昨晩は、地元の公民館で「綱を編む」と言うことだったのだ。顔を出した。
前日の学習の成果があり、とりあえず40分ほどで一本の綱として編むことができた。今晩はさらにもう二本作るとの事ですので、作業の様子はまたくわしくお知らせします。

 やって見ると時間も思ったほどでも無かったので、9時前に帰宅、食事の後、10時まで約一時間笛を持った。9月に入ったら、稽古をお願いして、祭りになんとしても間に合わせたいと思います。

 以前から書いているように、今吹いている笛は「特一本調子」といい、篠笛の中では一番長いとされています。関東などのお祭りでよく見かけるのは 5~6本調子の短い笛が多いようです。
 この笛は、和楽器店で売っていると言うわけでなく、だいたいが地元のかたの手作りです。笛吹の会に中には、だいたい何人かは手先の器用な人がいて、そういう人が趣味で彫っていたりというのが一番多いようです。そのほかには、祭り用品店に並んだりもしていますが、誰が作ったか解らないものですし、作者が笛の事を本当に解っているのか未知数ですので、往々にしてあまり良い笛に巡り合わないようです。

 私のところで預かっている笛は、私の兄弟子の作です。勿論笛吹でありますから、笛の事はよく熟知しておりますし、職業も大工さんですので、技術的にも全く申し分ありません。
 但し、作る人がいくら技術があっても、良い竹に巡り会えなければ良い物はできませんし、また完成する最後まで、本当に良い笛になるかも解らないようです。さらに、今度はその笛を吹く人が「吹き込む」と言って、時間を掛けてしっかりと吹き込んで言って初めて良い笛になるというわけです。
 兄弟子の作業道具を見せていただきましたが、数種類の小刀はどれも鋭い刃先で、切れに研ぎがされており、年期の入った道具でした。良い道具が無ければ良い仕事はできない、その為に道具の手入れも欠かせない。
 丹誠込めて作り上げた笛ですから、値打ちもありますし、大切に吹き込んでいかなくてはと改めて感じました。