笛吹奮闘記

遠州に春を告げる「三熊野神社大祭」。祭りを彩るお囃子は、静岡県無形文化財「三社祭礼囃子」。四十を過ぎた男の笛吹挑戦記!

猿も木から落ちる?

2005年09月25日 18時23分32秒 | Weblog
笛をはじめて845日目。

金曜日から、義妹夫婦が帰省しているので、店を閉めてから妻の実家へ向かった。夜稽古が出来ないので、夕方から店でずっと吹いていた、少し近所迷惑かも?
 指使いも、笛の押さえも注意しながら吹いた。細かな「ハラハラ」の指使いはまだまだ上手くいかないが、それでも先日からつかえていた箇所が修正できたので、何となく良い調子。

 昨日は、掛川市市民スポーツフェスティバルがあり、旧掛川、大東、大須賀の各地区から代表の芸能発表ということで、三社祭礼囃子保存会の出演依頼があったので出掛けてきました。仕事があったので、無理をお願いして直行直帰で参加させてもらいました。子供達の手古舞に、大人の太鼓、笛の奏者、そして私達は回りで「囃子方」として盛り上げます。掛川地区からは、「竹友会」という祭り囃子の団体の出演もありましたが、我々の保存会と違うのは、子供の出演が無いことと「囃子方」がいないということです。子供が、お囃子に合わせて、おかめ、ひょとこの面をつけてユーモラスに踊るので、どこに行っても好評ですし、囃子方はさらにお囃子を盛り上げるので、祭りの雰囲気も演出できます。「囃子方」とて、大きな声で祭りの楽しさを伝える為に笑顔も必要ですし、大変重要な役目です。その辺の違いが、どこに行っても好評を得る原因と思います。しかも、子供達も手古舞の踊りから、やがて大人になれば「笛吹」にも挑戦する子供達が大勢いますので、底辺の拡大、人材の育成という点から大きな意味があります。

 私が、色々な出演で、太鼓をたたいたり、笛を吹くなんてことは、まだ10年以上先の話ですので、囃子方を頑張ってやりたいといつも思っています。昨日の、笛吹は近所のいつもお世話になっている兄弟子。数々の出演もこなし、勿論祭り本番でも禰里に乗っている、会の中でも笛の技量は勿論トップクラスの方です。その方が、出演が終わって他の用事で店に来たときに、少し落ち込んだような話をしました。笛を吹いている途中で、頭の中が真っ白になってしまったとか。沢山の修羅場も乗り越えて来た人でもそんなことが有るのかと思いました。

 そういえば先日も、他の兄弟子と話をした時、「祭りの時、必ずお宮を出ると指が動かなくなってしまう。自分でもどうしようも無くなってしまう」と話をしてくれた。長年やっている超ベテランでもあると言うこと。私のような人間からは想像も出来ないことだけど、一度や二度は誰でもあるらしい。でも、そんなパニックに陥っても、音が出ないかというとそうではなく、自分の意志に反して、勝手に指が動いていることがあるとか。逆にその方が神業とも言えるけど。

 失敗した、ダメだったといって兄弟子がそのまま何もしないのかと言うと、きっとそうでは無く、それから猛稽古したと思う。猿が木から落ちても、またすぐに木に戻ってしまうと言うわけ。