鉄道建設・運輸施設整備支援機構(鉄道・運輸機構)は4日、2014年度の開業を目指す北陸新幹線長野-金沢間で最長の飯山トンネル(22・2キロ)が3日に貫通したと発表した。鉄道の陸上トンネルで国内3番目に長いトンネルに風穴が開いた。
同トンネルは6つの工区に分けて掘削を進めてきた。3日午後零時半、新潟県側の入り口を含む板倉工区(新潟県上越市)で最後の岩盤を重機が崩して貫通した。入り口から712メートル入った地点だった。長野県内の富倉工区(飯山市)が1998年6月に着工して以降、9年半かけて全区間が貫通した。
板倉工区は、水を含んだ砂礫(されき)層や泥岩層が掘削面から崩れ落ちたほか、空気中の水分に触れると膨張する土もある難工区だった。崩落があった場所は薬剤を注入して固めながら掘り進めた。貫通点は現在、トンネル断面の上半分が開いた状態で、下半分の掘削は今月末までに完了させるという。
同機構北陸新幹線建設局(長野市中御所)は、トンネル全体の貫通式を本年度中に開く予定だ。
区間 |
東京~大阪間 約700km |
(東京~高崎間約105kmは上越新幹線と共用) | |
●建設費 | 長野・金沢間(238km) 15,700億円 |
●設計最高速度 | 260km/h |
●主な経過地 | 長野市、富山市、小浜市付近 |
●県内設置駅 | (仮称)新黒部駅<新駅>、富山駅<現駅併設>、(仮称)新高岡駅<新駅> |
●所要時間 | 富山・東京間 2時間7分←現行3時間7分(1時間短縮) 富山・大阪間 1時間20分←現行3時間1分(約1時間40分短縮) |
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