猫面冠者Ⅱ

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東洋大学野球部の歴史-戦後編⑧昭和37年Ⅰ=一部リーグ初登場:対中央大戦

2008-10-19 12:08:00 | インポート
*昭和37年の出来事 
 1月:第38回箱根駅伝9位 
 4月:社会学部応用社会学科に課程別専攻コース「広報学(のちマスコミ学)」「社会福祉学」「図書館学」設置。
 5月:川越校地に運動部合宿所設置 
 9月:白山の教養課程を川越に移す“川越移転構想”決定
12月:『東洋大学広報』創刊

昭和37年(1962):春一部リーグ

対中央大 1勝2敗1分

一回戦 4月11日 於・神宮球場
中央大000 102 000  3
東洋大100 010 000  2
勝:加藤
負:広沢
㊂川口(中)・真部(東)㊁川口(中)

中央 ..... 東洋
(三) 武上 4 1 0 (中) 岡野 3 2 0
(左) 宮田 0 0 0 (遊) 重松 4 0 0
打左 福岡 3 0 0 (一) 4 0 0
田村 4 2 0 (右) 羽賀井 4 1 1
(右) 川口 4 3 2 (三) 松井 3 0 0
(中) 中尾 4 1 0 島中 0 0 0
(遊) 川端 3 0 1 (二) 真部 4 2 0
川島 1 0 0 (捕) 宮寺 3 0 0
(捕) 大西 4 0 0 本多 1 0 0
(二) 柴原 2 0 0 (左) 宮本 3 0 0
平沼 2 0 0 (投) 広沢 3 1 0
(投) 加藤 3 0 0

34 7 3 32 6 1

中央 東洋
4 1 0 3 5 6 2 0 0 5


加藤 9 6 1 広沢 9 7 2


盗塁:中2 失策:中3東1

【評】両チームともキビキビとした動きを見せて接戦を展開したが、中大は六回川口の好打と二ゴロで逆転して東洋大を振り切った。東洋大は今春一部に昇格したチームだが、初陣にしては出来すぎるほどのプレーで中央をおびやかし続けた。殊に一回、加藤の好球をねらい打った羽賀井の先制打は見事だった。・・・・(中略)・・・・初陣の東洋大は中大に惜しくも敗れはしたが、この日のような闘志とプレーを見せるならば、各チームにとってはかなり手ごわい相手となろう。
(『朝日新聞』昭和三十七年四月十二日付朝刊)


二回戦:4月12日 於・神宮球場
東洋大000 012 010  4
中央大000 000 000  0
勝:広沢
負:野口
㊂岡野・真部(東)㊁羽賀井

東洋 ..... 中央
(中) 岡野 5 3 1 (三) 武上 4 0 0
(遊) 重松 5 1 0 (左) 宮田 0 0 0
(一) 5 1 0 福岡 3 0 0
(右) 羽賀井 3 1 0 三浦 0 0 0
島中 0 0 0 今野 1 0 0
(三) 松井 3 0 0 (一) 田村 4 1 0
(二) 真部 4 1 2 (右) 川口 3 1 0
(捕) 宮寺 3 2 1 (中) 中尾 3 0 0
(左) 宮本 3 1 0 (捕) 大西 2 0 0
(投) 広沢 2 0 0 (遊) 川端 2 0 0
川島 1 0 0
(二) 柴原 1 0 0
平沼 2 0 0
(投) 野口 1 0 0
打左 末次 2 1 0
33 10 4 29 3 0


東洋 中央
5 3 3 2 8 4 1 0 2 3


広沢 9 3 0 野口 6 9 3
三浦 3 1 0

失策:東2中2
【評】意欲に燃えた東洋大はすべての面で中大を圧倒した。殊に主戦投手の広沢は連投にもめげず力投した。前日よりも球威をみせた。彼の快投が全員を奮いたたせたといってよい。ナインもこれに応えて中大の先投野口に対して積極的に打って出た・・・
(『朝日新聞』昭和三十七年四月十三日付朝刊)




三回戦:4月24日 於・神宮球場
中央大000 000 020 0  2
東洋大101 000 000 0  2  (日没引分)
㊁楠(東)・末次(中)

中央 ..... 東洋
(三) 武上 5 1 0 (中) 岡野 3 0 0
(左) 福岡 5 0 0 (左) 島中 2 0 0
(一) 田村 5 0 1 宮本 2 0 0
(右) 川口 3 0 0 (一) 5 2 0
内田 0 0 0 (右) 羽賀井 3 1 1
(二) 中尾 3 1 1 (捕) 宮寺 5 2 1
(中) 末次 4 1 0 (二) 真部 5 1 0
(遊) 川端 2 0 0 (三) 松井 5 1 0
稲川 1 0 0 (遊) 重松 3 0 0
川島 1 0 0 (投) 広沢 2 0 0
(捕) 大西 4 1 0
(投) 加藤 0 0 0
柴垣 1 1 0
串間 1 0 0
矢島 0 0 0
35 5 2 35 7 2



中央 東洋
2 1 3 0 7 5 5 3 0 11
加藤 7 5 2 広沢 10 5 0
串間 2 2/3 2 0
矢島 1/3 0 0

盗塁:中1東1 失策:中1東2

【評】東洋大のスタートはあざやかだった。一回楠、羽賀井が加藤の好球をうまく連安打して先取、さらに三回には楠、宮寺の長短打で一点を追加した。ことに東洋の主戦広沢は荏原高時代からの捕手宮寺との呼吸もよく、その投球は大部分が低めをねらい、曲直球に威力をみせ、六回まで中大を二安打におさえた。・・・(中略)・・・しかし中大は八回加藤の代打柴垣が反撃の口火を切り続く武上の三ゴロは二封に見えたが球がそれ、福岡の一ゴロで走者二、三進、続く遊ゴロと右犠飛で同点とし延長に持込んだが、日没引分となった。・・・(中略)・・・東洋大も先取はしたが、中盤戦少し打法が荒くなり、広沢の好投をみのらせることが出来なかった。
(『朝日新聞』昭和三十七年四月二十五日付朝刊)



四回戦 6月6日 於・神宮第二球場
中央大000 001 203  6
東洋大300 000 000  3
勝:加藤
負:広沢
㊁河口(中)・宮寺・楠(東)

中央..... 東洋
(三) 武上 3 1 1 (中) 岡野 3 0 0
(左) 福岡 4 1 0 (二) 真部 3 0 0
(一) 田村 4 1 0 (一) 3 2 0
(右) 川口 4 1 1 (左) 宮本 3 0 0
(中) 中尾 2 0 0 (捕) 宮寺 3 2 3
柴垣 1 0 0 (右) 羽賀井 2 0 0
末次 1 0 0 打右 島中 1 0 0
(捕) 大西 3 0 1 (三) 松井 3 0 0
(遊) 川島 3 0 1 佐々木 1 0 0
(二) 川端 4 2 0 (遊) 伊塚 2 0 0
(投) 矢島 0 0 0 1 0 0
加藤 2 0 0 岸部 1 0 0
(投) 広沢 3 0 0
海道 1 0 0
31 6 4 30 4 3


中央 東洋
3 1 3 0 2 4 5 1 0 6
矢島 0 1/3 0 3 広沢 9 6 2
加藤 8 2/3 4 0

盗塁:東3 失策:東6

第一試合の中大対東洋大は中大が九回東洋大内野守備の混乱に乗じ三点を奪って勝点をあげた。これで東洋大は五位。中大も8勝4敗勝点4で全日程を終了したが、七日行なわれる日大対駒大の決勝戦で駒大が勝てば駒大の優勝、駒大が敗れると芝工大と中大は同成績となり、この両校で優勝決定戦を行なう。
(『朝日新聞』昭和三十七年六月七日付朝刊)

*このシーズンは悪天候に見舞われ第一週に組まれていたこのカードの三回戦は第三週に当たる4月24日(火)、四回戦は6月6日(水)六大学・法政対立教の優勝決定プレーオフ(法3-0立)と同じ日に神宮第二球場で行われた。
翌日の駒大・日大戦も第二球場での開催となり、駒大が勝って初優勝。一部リーグで優勝二十六回を数える駒大の最初の胴上げは神宮第二球場で行われた。神宮球場が使えなかったのは六大学の新人戦があったからである。