今日も元気で頑張るニャン

出会ったノラニャンたちを幸せにしたいと微力ながら奔走する、悩めるオジンの奮闘記

エサをやるなは殺せと同じ・第3弾(前編)

2020年06月30日 | シリーズ:ノラたちとの共存を目指して
久々登場、同タイトルの続編に続く第3弾です。本記事は当ブログの中核をなすシリーズ「ノラたちとの共存を目指して」に特別追加され、「その10・番外編3」の位置づけとなります。

当ブログに出演するノラたちの守り神、テンちゃん

これまでの要約:
1.街中のノラは人間の施し物を主食とする。特に冬場は餌となる小動物がいないばかりか、もともと人家で暮らしていたノラは餌を捕食できない(遊ぶ程度)。殆どのサイトが野生動物の生態と混同している。
2.誰も餌をあげなければノラは餓死するか、栄養失調で病気など併発して死ぬ。
3.ノラの糞害について、「自分の家では嫌だ」は「どこか遠くでならいい」のか。特定のエサやりに拠らず回遊するノラの糞は問題にしないのか。エサやりではなくノラを"つくり出す人"を糾弾すべし。
4.「エサをやるな」と言うのならはっきり「殺せ」と言うべき。「殺すのはかわいそうだけど他人迷惑だからエサをあげてはいけない」は矛盾している。
5.猫保護ボラさんたちまで「エサをやるな」と主張する。これは「ルールを守らないエサやりはするな」の意味だがそれが伝わっていない。例えば次の記事のタイトルをどう思うか。伝わってくるのはエサをやるなということだけ。しかし記事を読めば、正しいエサやりを奨励していることがわかる。

さて、今回の本題はシリーズ「ノラたちとの共存を目指して」・その1(資料編)に続くもので、ノラを増やす要素についてさらに掘り下げて考察します。つまり、殆どの役所のHPや猫サイトに書かれている「エサをやると不幸なノラが増える」というのは本当か。まあ、お前が元気になるとノラが増えるから元気にならずに死んでくれ、というわけだからその言い草自体がひどいとは思うが。

ただし、みんながエサを与えれば(死ぬはずだった)ノラの命が救われ、不妊手術をしなければ子供もつくるだろうから、エサをやらないより増える方向にいくことは間違いない。要はそれが問題となるほど大きな要因かということです。

ノラが増える要素には自然的なものと人為的なものがある。自然増の要因は自然交配による出産数とその後の生存率。一方人為的な増加には家猫の脱走(管理不足)、多頭飼育崩壊、猫捨て、ペット業界の闇がある。特に後の2点は悪質だ。今回は前編として、自然増の要因について考察します。

ところで、いったい日本にはどのくらいノラがいるのだろうか。雲をつかむような無駄な努力はしないということか、その調査推計値を具体的に記載したサイトは殆どない。当ブログでは前述シリーズその1でJPFAの古い調査結果(2002年)から200万匹と推計した。一方千葉県の推計値(2009年)は34万匹、東京都(2011年)の調査値は8万匹。全国規模にすると200万~1000万匹以上の開きがあって、確かに雲をつかむような話だ。2019年JPFAの調査では飼育猫が1000万匹近くになっていることから、ノラの数も相応にいるのかもしれない。

ここで忘れてはいけないこと。このような数字の話をするとまるで別世界の話みたいだけど、その1匹1匹に個性があり、喜怒哀楽の感情豊かな、まさに自分の身近にいる猫と同じ猫たちだということです。

ノラの自然増に関してはシリーズその1で推計と考察を行った。得られた年間450万匹という大胆な仮説は「多すぎるかも」と自己評価したが、全国ノラ数の推計と同様でそうでもないのかもしれない。

シリーズその8(番外編2)で「1頭のノラ♀が3年後には2000頭になる」という、あるブログ記事の話をしました。実はこの記述、あちこちの公的機関でも使われている。例えばさいたま市のHPには「猫は繁殖力の強い動物です」なんて図解付きのページがある。そのページの注釈にもあるように、資料の出所は環境省のパンフレットです。

もちろんこれは計算上の話。前にも書いたが、もしそれほど爆発的に増えたら今頃は日本中足の踏み場もないほど猫だらけのはずだ。それでも強調するのは、読者をある方向に誘導するために他ならない。

猫だらけにならない理由は2つあります。ひとつは、ノラの雌猫が計算の条件にあるような頻度でお産をしないこと。確かにリンのように子育て終了前に次の妊娠準備ができちゃう盛んな子もいるけど、みうやミセミケ、ミケチビのように発情しない子もいる。計算条件はすべての雌猫が最大限出産したらということで、実際はだいぶ違うのだろう。(調査もされてないので実態はまったく不明。)

もうひとつの理由はノラの1才生存率。果たしてノラとして生まれた子のうち、どのくらいの数がお産可能な成猫に成長するのだろうか。当ブログでは過去記事「ノラと家猫の分かれ道」の中で、ノラの場合は野生ライオンなどの生存率20%にも満たないと推論し、シリーズその1でも計算の根拠とした。しかしここにきて、ネットの世界では生存率50%という数値が多く見られるようになった。

SNSの拡散と同じで、他人の記述を簡単に拝借して自分の記事にできちゃうのでそんなことが起こる。読者としては、その情報の出典の明記や専門家の監修付かどうかくらいはチェックしたいところ。調べた限り、確証はないのですが、ノラ子猫生存率50%の元になっている情報は「ねこちゃんホンポ」というサイトではないかと思います。しかし生存率を50%とすると、理由1に述べた雌猫の出産数が少なかったとしても、やはりノラの全体数が著しく増えていくことになる。実際の生存率がもっと低いことは明白だ。そこで一応、当ブログに近い見解を述べているブログサイトを紹介しておきます。(ノラの被害に困っている方のブログですが、記述は冷静で理性的です。)

最近のニュースでも、局所的な例は別にして地域のノラ数が大きく増えたという話はあまり聞かない。むしろボラさんたちの活躍でノラ保護が進み、ノラの数も殺処分の数も減少傾向にあるように思えます。ただ、それを推論するには不特定要素が多すぎる。
1.70%以上の人がエサやり反対という昨今、ノラたちは平均的にどの程度お腹を満たしているのか。
2.ノラにエサをやると元気になって繁殖すると言うが、動物学者の間では、野生動物は空腹が続くと生存本能が強くなって繁殖が優先されるというのが通説。
3.3~4年という、ノラの推定平均寿命の真偽。
4.数や待遇の地域差が大きく、全体を推し量ることが困難。
5.後編で述べる人為的な増加を推計することが困難。

仮にノラへの(適正な)エサやりがもっともっと増えたとしても、ボラさんたちの保護活動の効果もあって、上述人為的な増加さへなければ間違いなくノラの数が減っていくと思えるのです。最後に、ノラたちのことを総合的にわかりやすく記述しているサイトを紹介します。自分とは見解の違う部分も多少ありますが、温かく客観的な目で見ているので好きなサイトのひとつです。

(後編に続く)

「ノラたちとの共存を目指して」:予告編(期日未定) 
※一部追加しました
その1  資料編「現状と動向調査」(追記:餌やり、地域猫問題) 2017.2.27 
その2  現場編「ノラを守るのに理由は要らない」(報道されたボラさんたち) 2017.5.31 
その3  エサやり問題・続編「裁判事例の検証・他」(司法が肯定したもの、否定したもの) 2017.8.31 
その4  一服編「ノラだからこそ・・かわいい!」(ニャー&みう+テンちゃんの日常) 2017.11.30 
その5  闘魂編「許さない、虐待に不法投棄に暗闇ビジネス」 2018.4.29 
その6  原点回帰編「再確認・人間性とは?」(食肉、動物駆除と保護活動) 2018.8.31 
その7  番外編1 「罪と罰」(法の実行と刑罰の妥当性) 2019.3.29
その8  番外編2 「動物愛護の精神を問う」(餌やり議論の本質) 2019.10.31
その9  形而上学編「ノラの幸せとは」(シャッポやソトチビの行動に想う)2020.1.31
その10 番外編3 「エサをやるなは殺せと同じ・第3弾(前編)」 (特別加入)
その11 番外編4 「エサをやるなは殺せと同じ・第3弾(後編)」 (特別加入)
その12 番外編5 「政治とメディア」(ノラたちの未来を決める人たち)
その13 地域猫問題・続編「殺処分ゼロに向けて」(目的達成のために必要なこと)
その14 理想追求編「殺処分ゼロの先にあるもの」(対等の精神と真の共存)


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