石川県 金沢市の司法書士・行政書士 松村義信のブログ(不動産登記、会社登記、相続、遺言、後見、債務整理・過払、簡裁裁判)

今でも時々聞かれます。司法書士って何する人?それは・・・ (石川県 金沢市 の司法書士・行政書士事務所のブログ)

30代から司法書士を目指すのは遅いか、というご質問について

2012-07-19 12:21:21 | 「司法書士」
ちょっと太ってきました・・・、松村です。


司法書士試験から2週間以上が経ちました。
これから、司法書士試験の受験を検討される方もいらっしゃると思います。過去に、このブログのコメント欄に寄せられた質問と、それに対する回答を記事の形で再掲したいと思います(今でもコメント欄にそのまま残ってるけどね)。


<質問>
突然の書き込みで失礼します。先生が司法試験から転向された方ということで、もしアドバイスいただけたらな、と思い書き込みさせていただきます。自分は、社会人の旧司法試験受験生です。新司法試験の予備試験に転向するか、司法書士試験に転向するか、で迷ってます。今33歳ですんで、来年受かっても34歳です。司法書士に転向するには年齢的にどう思われますか。遅過ぎるように思われますか?

<回答>
私は、
 司法書士資格取得
  ↓
 働きながら旧司法試験
  ↓
 司法試験に落ち(続け)る
  ↓
 司法書士事務所開業
という経緯で現在に至っています。
ですので、旧司法試験から司法書士への転向といっても試験はパスした後でしたから、その点のリスクは***さんと異なるところです。
予備試験は、正直何度か頭をかすめたことがあります。しかし、この仕事をしながらでは不可能ですので(お客様や職員に対して失礼+そもそも物理的に時間が取れない)諦めました。今でも、仕事→(司法試験予備校)→スーパー(自炊でした)の帰り途に、自分が情けなくて、将来が不安で、泣きながら歩いた事を時々思い出します。

さて、ご質問の司法書士への転向は遅いか?ですが、年齢的には遅くはないと思います。私は今35歳(回答当時)ですが、初対面の方とお会いした際には、ほぼ毎回「若い司法書士さんですね」と言われます。
ご自身が34歳で試験に合格されたとして、1年間必死で修業を積んで35歳。ちょっと老けた(失礼、私も35です)若手司法書士として売り出し可能ではないでしょうか。
「年齢的には」遅くないと思いますよ。

但し、です。
1.当然ですが、試験に合格することが前提になります。旧司法試験ほど難しい試験ではないですが(択一の暗記の細かさは旧司以上)、それなりの試験ではあります。毎年、実力者といわれる受験生も落ちることがあるのは、司法書士試験でも旧司でも変わることはありません。

2.お住まいの地域にもよりますが、司法書士事務所の給料はあまり高くありません(勿論事務所によります。私は勤め人時代に感謝するに足る給料を頂いてました。)。退職金等はでない事務所の方が多いと思いますので、長く勤めるのであれば、事務所選びが難しいです。将来的に共同経営者的なポジションまで考えてくれる事務所か、会社組織的に大きな事務所で出世するか・・・。

3.勤務司法書士の待遇で満足出来ない場合、開業が視野に入る訳ですが、新規開業に有利な地合という点では「少し遅い」かもしれません(というより、この5~6年が良すぎました)。まず、債務整理業務はかなり縮小することは目に見えています(物事の善悪の問題はここでは度外視しています。視点を司法書士の開業に絞っています。尚、ここも回答当時。今は、債務整理は「激減」。)。司法書士の主力業務である不動産登記は、ご自身に銀行又は不動産業者で仕事を回せるポジションにある友人がいるか、よほどの営業力又は幸運がない限り、開業してすぐには仕事は来ないと思った方が良いです。商業登記は単価が低いので、それだけで飯を食べている司法書士は少数派です(しかも、不景気で会社が動かない)。後見業務は、報酬の大小は置いておくとしても、売上になるのは早くて1年後です。裁判業務については、弁護士さん増加傾向です。
開業にあたっては、開業費用+運営費用で500万は見ておいた方が良いです(地域にもよるでしょうか、経験上)。自営業である以上、安定という言葉とは無縁、休日という言葉とも縁が遠いと思っておいた方が良いです。

その上で、これから司法書士でやっていけるのか否か?それは私が知りたいです。私には、努力することしかできません。


最も、商売乃至仕事が厳しいのは、程度の差こそあれ何でも一緒ではないでしょうか?だとすれば、後はその仕事にご自身が納得できるかだと思います(そして、それに遅い早いはない)。

では、この仕事は納得できる仕事か?少なくとも、私にとってはそうです(勿論、納得行かない面もやりきれない思いをする面も沢山あります。仕事ですから、当たり前です。それでも、です)。意外に、といっては諸先輩方に怒られますが、この仕事も面白いです。
司法試験を目指してダイナミックな実体法の勉強をしていた身としては、手続き法的な細かさに辟易することも多々あります。神経にヤスリがけするような、神経質な仕事でもあります。
しかし、例え世界の片隅でも、社会経済の中で仕事をしているという実感があります。弁護士さんとはまた違った形ではありますが、時に、お客様の喜びや、悲しみや、困惑や、怒りや、生死に立ち会うこともあります。司法試験を目指している/いたご自身にはこの辺のやりがいは想像して頂けるのではないでしょうか。また、開業される場合には、自営業としての面白さもあります(勿論、その分しんどくもあります)。

今回の判断は、もしかしたら一生の決断になるかもしれません。どうぞ、悔いの無いように、あらゆる点から検討して下さい。可能であれば、司法書士事務所の職場見学をして下さい(引き受けてくれる事務所があれば良いのですが)。
お互い、悔いのない人生を過ごしたいですね(どうしたって後悔するんだろうけど)。

乱文及び生意気なコメント失礼しました。少しでも参考になりましたら幸いです。
松村拝



まだ、若いですね~と言われます。喜んで良いのか分かんないケド・・・。
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石川県金沢市 司法書士・行政書士 松村義信
事務所ホームページは http://www.office-ym.net
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お問合せはoffice-matsumura@mountain.ocn.ne.jp 
又は 076-213-5071 まで。
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