MBAで教える「交渉術」

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漂流記

2005-12-21 | 雑記
読書にも色々ジャンルがありますが、以前から「漂流モノ」に興味があります。
主人公の船が遭難したりして、海を漂うサバイバルの記録モノです。
椎名誠さんなども本を紹介する時に漂流モノを一ジャンルとして大きく取り上げたりしますね。

ノンフィクションの面白さというか、現実に起こるぎりぎりの人間模様が心を打ち面白く思います。
中でもお薦めというか、気に入ったものを二つほど挙げると:

一つは、「無人島に生きる16人」(新潮?文庫)。

椎名誠さんもお薦めの一品。
明治時代のハワイ近くの島への漂流記ですが、とにかく明るいのが特徴です。
生活力のたくましさや、船員の団結をくずさない心、かわいいアザラシなど、極限状況と思えないほどポジティブな気持ちになれるのがとても印象的でした。

もう一つが、「漂流」(吉村昭、新潮文庫)。

こちらは何というか、人よりも「島」が主人公です。
鳥島という、小笠原諸島北方の孤島が舞台で、江戸時代にそこに流れ着く人々を描写しています。
史実からも、この島にはとにかく次から次へと漂流があったようで、江戸時代の代表的な漂流劇の舞台のようです。
こちらの小説では大勢が漂着して大半が病気(壊血病など)で死んでしまうのですが、10年以上生き延びてひたすら助けを待ち、最後は新しい漂着者と共に流木で小船を組み立てて八丈島へ脱出。
人が死んでしまう意味では暗い話なのですが、最後まであきらめない不屈の根性や努力が、不思議と前向きな気持ちにさせてくれる本です。
「どんな苦労でもあきらめちゃおしまいだ」みたいな感じでしょうか。

漂流モノだともっとエグイ本(ホラー小説以上に陰惨なノンフィクション)もありますが、どちらかというと前向きな気持ちになれる系統の方が好きですね。


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