もふもふさんが日まわりから帰って家の中に入ると、
童子谷先生が帰っていきました。
「やあ、もふもふさんお帰り」
そう言った童子谷先生の口もやっぱりぶどう色です。
ちゃぶ台の上のぶどうの房を見ると、
形はなんとか保っていたものの明らかに実が減ってすかすかでした。
その視線に気付いた童子谷先生は
「いやーもふもふさんすまないねえ。一粒だけと思っていたんだがあまりに美味しいもんだから」
と頭をかきながら言いました。
「もっふー」
もふもふさんはそう言うと、
童子谷先生に渡そうととってあった二房のぶどうを二階にとりに行って童子谷先生に頭を下げながら渡しました。
その板、どこで聞きつけたのかおばちゃんがやってきました。
そして散々ぶどうを食べて、一房おみやげに持って帰りました。
おばちゃんが帰った後、もふもふさんはすっかり無くなってしまったぶどうの箱をながめながら
「もふっ」来年はもっと沢山送ってもらわないといけないな、と思いました。
(つづく)