もふもふさんとうちでのこづち七十七話

もふもふさんは目を丸くしてその様子をみていました。
そこにもふもふさんの村を通ってやってくるバスがやってきました。
もしかすると自分が知っている人がおりてくるかもしれないと、
もふもふさんは思いましたが村の知っている人に会うのはなんだか
恥ずかしいかったので、もふもふさんはこそこそと逃げ出そうとしました。
その時です。
「もっふぅー」
とうい大きな声が聞こえました。
見るとバスの窓を開けて、身を乗り出すようにしてもふもふさに手を振っている女の人が見えました。
「もっ」
もふもふさんの体がこわばりました。
もふもふさんが世の中で一番苦手な人だったからです。
バスがバス停に止まりました。一番目に中から女の人が出て来ました。
「もっふぅお迎えご苦労さん。まだ荷物があるからあなた受け取っておいてね」
その人は言いました。
もふもふさんがバスに預けた荷物を持って戻ってくると
「にいやどには青びんっていうおしゃれなカフが有るって聞いたわよ。
私まずそこに行くわね。さぁ連れてって」
「もっ」
もふもふさんは、さっき行ったばかりだからと言おうとしましたが、
その女の人がにやりと笑うのを見てとても逆らえないと思いました。
荷物を持つと女の人を青びんに連れて行ったのでした。
（つづく）