社長ノート

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終戦記念日は産経新聞

2014-08-15 13:59:47 | 日記
   孫たちへの証言

 69年前のきょう、まだ終戦を知らないまま戦い続ける日本兵も少なくなかった。ビルマのジャングルで、連合軍と銃撃戦を繰り広げていた神田敏彦さん(95)もその一人だった。やがて弾薬も尽き、竹やりを手に死を覚悟した12月5日、捕虜となる。無条件降伏を敵から知らされたのは、その直前だったという。
 今年も、『孫たちへの証言』が送られてきた。新風書房の福山琢磨社長(80)が、昭和63年から毎年夏に発行している戦争体験集も、第27集を数える。投稿者の多くが80代という、超高齢化時代を迎えている。「証言を聞く機会は今をおいてもうない」。福山さんの思いは募るばかりだ。
 小欄の机の上には、もうひとつの「孫たちへの証言」といえる、『昭和・平成 僕の八十年』(創英社・三省堂書店)がある。著者の渡邉秀明さんは、京城(現在のソウル)に生まれ、引き揚げ体験をもつ。
 長兄はニューギニアで戦死、満蒙開拓団に参加した従兄弟(いとこ)は、シベリアに抑留された。戦後の渡邉さんは、大手銀行の幹部をへて、信販会社のトップも務めた。その生涯を克明にたどれば、戦中、戦後の日本の一断面を浮き彫りにできそうだ。
 渡邉さんはさらに、日本の政治や国際情勢について、独自の解釈を含めて書き込んでいる。結局400ページを超える大著となった。「遙か彼方の出来事と思っていた国の政策が自分の人生に如何に強く影響していたか」。今、改めて強く思うからだ。
 孫の世代の人たちこそ政治に対して物申してほしい、と強く願う気持ちにもつながっている。次の東京オリンピックは、米寿で迎える。「日本が再生し、世界から賞賛されるお祭り」を奥さんと二人で見に行くのが、何よりの楽しみだという。