道尾 秀介 / ラットマン (光文社)
「このミス」にベスト10入りしていたのと佐々木敦がBLOGで紹介していて気になる作品だったのが本著。舞台転換の少ない密室系の舞台設定がどこか演劇的でもある。
主人公がメンバーでもあるエアロスミスのアマチュアコピーバンド(なぜかWalk This Wayがよく出てきます)がスタジオで練習中に遭遇した不可解な殺人事件の真犯人とは?主人公のトラウマとなっている過去の不幸な事件と残されたままの疑念。そして現在の恋人との壊れかけた関係を中心に紡がれるプロットは残り1/3で物語の展開速度が一気に加速。
二転三転する真相とクライマックスまでのスリリングな展開は見事。一気に読んでしまいました。本格ミステリものとしても十分に通用する練りこまれた構成は絶賛されるだけはあるなと。意味深な「ラットマン」というタイトルもなるほどという感じ。センスはかなり高いです。
まだまだ発展途上の作家だと思うので今後もチェックしていこうかな。
●エクス・ポ日記
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