■アナログが死んでゆく

名古屋では過去に円盤屋という老舗が無くなり、最近だとグレヒ今池が閉店したり、たまにタワーやHMVに行ってもマニアックな作品はあんまり無くてハイプになる一方で。

そんな中大阪のシスコや渋谷のマンハッタンが閉店する（した？）との記事をネットで見つけ、自分も元レコ屋ということもあり、なんとも言えぬ切なさと現在のレコ屋業界の厳しさを改めて感じたり。友人のDJペキンと今日は3万使い切ると宣言し一緒に大阪日帰りディグツアーでシスコやマンハッタンなどを廻った思い出が蘇りました。

しかし音楽やアートを発信する場所が淘汰されていくとなると、この国の文化レベルは下がる一方だよ。自分も良くAmazon利用するし、欲しい物が決まってる場合はタワーやHMV行くよりよっぽど早く手に入るし便利なんだけどそこにには別に新しい発見とかは求めてなく（稀に他人のリストが興味を引くときもありますが・・）、ついで買いにも引っかかりません。

もうネットとかで視聴とかも容易だしある程度嗜好に沿うものなんて簡単に見つかる時代なんだけど明らかにリスナーの音を探す能力はレベルが下がってる気がする。情報がカタログ的に整備されていて実際の店でヤバイ物を掘り当てる嗅覚や執念が無くなってきちゃってるんだろうな。

CDどころかデータでDJするスタイルも増えてきてるみたいだけど、ネットで落としたりCDRで焼いてもらった音源をかけるのと、己の意思でディグして、このレコはあん時あの店で2枚買いしたブツだと認識してレコにマーキングしてる奴とは例え同じ曲をチョイスしてても絶対にそいつの血となり肉となってないで外に出る音はクソだと思う。

エレクトロニカが流行ったらそれ風のを、ニューレイブが流行ったらそれ風のを簡単に作ってしまう作り手や売り手にもクソが多すぎるんだろうね。レコードやCDにオブジェクトとしての価値は無くなりつつあるけど、ソレはある意味当然かも。2年後にはブックオフで100円で売られるようなもんを3000円で売って、そんな価値の無いゴミを会社のカラオケで歌うためだけにレンタルする奴も同罪（もちろん少なからず僕も含むがね）。リスニングという行為をなめてるアーチストも同罪。

名古屋にも元大手レコ屋の人が立ち上げた個人発信の良質なレコ屋は多いのですが、どうせならネットではなくそういうとこにお金を落としたいし、何より作り手であるアーチストに還元したいと思う。何よりそこでCDやレコ売ってる人達は学生ノリのエセDJなんかより何倍もハーコーなリスナーだということを忘れてはならない。彼（彼女）らは金出して人の数10倍音楽聴いてるんだから。

僕はつまらんCDやレコはすぐ売るけど、ライブも行くし作品も身銭切って買いますよ。いいものは必ず手元に残るし。誤解のないように言うとMP3やituneを否定しているのではないです。要はハートっす、多分。


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