寿退店２

昨日の続き…

初来店の男性４人組とマヤを残して

私はタクシーを飛ばし速水パパの待つ吉祥寺へ


久々に呼んで戴いたクラブＡ

シオンもナギサもアイもドレスに着替えて

パパの相手をしている

「お待たせ～」

場違いなオカマが登場だ

さっきスッポンの血を飲んだので

パワーが漲る感じ

チーママのユミさんもテーブルにやって来て

楽しい会話で盛り上がる

そう言えばママさんから年賀状を戴いていた

私なんかパパのお供で呼ばれてるだけなのに

何という心遣い

お礼を言って次は下の階にあるセレナーデへ


こちらの店でも寿卒業が…

何とチーママ扱いのミユキが今月いっぱいで退店とのこと

しっかり者でよく気のつく彼女は

ショートヘアが似合う関西出身の美人だ

久々に見る彼女は結婚が決まって

かなり女っぽくなっていた

「あら、フェロモンが滲み出てるわよ」

「ほんま？いつもと変わらへんねんけどな」

きっと素敵な奥さんになって

その内肝っ玉の座ったお母さんにもなりそうだ


先ほどのシオンと言い、この店のミユキと言い

人気者が店を辞めてママさんは寂しいだろう

水商売で働く女性には色んな背景があって

笑顔の裏には人には解らない闇もある

結婚を機に本当の幸せを掴んで欲しいと願う私だった

寿退店

昨夜は慌ただしかった

吉祥寺のクラブ嬢シオンの寿卒業を受けて速水のパパが送別会を開いた

場所は吉祥寺の「割烹・黒ねこ」

ビルの地階に古民家が間借りしている様なイメージで

訪れる者を懐かしい世界へと誘ってくれる

この夜はスッポンのフルコースをパパが用意していた

シオンの同僚のナギサとアイも同席して

間仕切りされた私達の御席は

料理が出て来る度に写メのフラッシュが焚かれた

美味しいものを食べている時、人は全てを忘れて幸福になれる

私も３人の嬢たちも、この夜の至福に感謝

パパもそんな光景に目を細めていた


２時間弱で宴は終わり、パパとシオンたちは同伴出勤

私は店に戻りメイクをしてパパを迎えに行く予定だった

ところが、店に戻ると既に男性客４人が来店しており

マヤひとりがてんてこ舞いしていた

この夜は私とマヤの２人体制だ

男性たちはオカマ慣れしていて歌舞伎町のニューハーフパブの常連らしい

スーツの似合うビジネスマンなのに、かなりディ－プな酔態を晒すところが清々しい

しかも色んなタイプのオカマに心が広い彼らとメイクを終えてしばらく談笑

１０時半を回ったところで私は吉祥寺へタクシーを飛ばした

以下次回…

かしまし娘

年が明けたと思ったら、もう１月も下旬だ

月日が過ぎるのはあっと言う間だ

歳を重ねると、その速度は増す様な気がする

今年は私にとってあまり良くない年だと占いに出ているので

出来ればあっと言う間に過ぎてくれた方が嬉しいが…


動画サイトで休日の夜を明かすのは毎度の事であるが

最近ハマっているのが懐かしいトリオ漫才である

しかも７０年代に活躍した関西の女性トリオの面々だ

かしまし娘を筆頭にちゃっきり娘、そしてフラワーショーのお姉さん達

パターンとしてはセンターがしっかり者の長女か美人系で

サイドにはボーイッシュなタイプと天然ボケが配置される

それぞれが楽器（三味線やギター、ベース、アコーディオンなど）を持ち歌の伴奏などもするのだ

これらのトリオにはテーマソングがあって漫才の始めと終わりに歌われる

♪うちら陽気な～

に代表される耳馴染みのある歌だ

少し前までは彼女らの貴重な映像は元より音源すら耳にする機会がなかった

私は四国の生まれなのでテレビ番組などで関西のお笑い文化の影響を大いに受けた

中でも女性トリオ漫才には人一倍の思い入れがあるのだ

あれほど子供の頃からテレビで見かける機会の多かった彼女たちの勇姿が

あまり残されて居ないのかと残念に思っていたのだ

ところが今年たまたま検索したら、かしまし娘の音源や他のトリオのものまで出てきた

お笑い好きな人が手持ちの音源を解放してくれたのだ

早速、携帯プレイヤ－に保存して通勤時に楽しんでいる

何度聞いても飽きないのはさすがである

かなり前にスカパーで関西発の寄席中継「お笑いネットワーク」なる番組を放送していた

あの時はそれほど興味がなくてスルーしていたけれど

きっと今なら喉から手が出る様なお宝映像が満載だったに違いない

あ～再放送してくれないかしら

ラブカップル

道路の端に雪かきされたものが溶けないで

色は白さを失いながらも

あの日の名残りを晒している

次の火曜日にもまた空からチラホラと

白いものが振りそうだと予報士が告げている

成人の日のような事はないだろうが

雪と聞くと何とも言えない胸の高鳴りを感じるのは

私だけではないだろう

雪国の人にとってみたらウンザリかもしれないが

殺伐とした都会では一服の清涼剤になる事もあるのだ

不謹慎かもしれないが

ちょっとくらい積もってくれると嬉しかったりして…


金曜日に続いて昨夜もご来店のＡちゃん

「今日は彼氏を連れて来ちゃった」

傍らに帽子を被ったお茶目そうな笑顔の男性が立っていた

顔立ちは構成作家の鈴木おさむ（森三中の大島のダンナ）に似ている

今夜はデイトの帰りだと言う

この二人は道ならぬ関係だ

きっかけはまだ聞いていないがとにかくラブリーで羨ましい

聞くと彼はオカマバーには抵抗がないタイプ

昔はさんざっぱら遊びに行ったとか

高円寺のミドリさんと言うオカマさんとも懇意だったらしい

きっとＡちゃんの手前

もっと色んな楽しい話があるのだろうが

この夜は披露されなかった

時間の都合で１時間ばかりの滞在だったが

「この後Ａを送ったら、また戻って来たりして…」

なんて冗談を言うとＡちゃんが妬くのだ

仲が良いったらありゃしない

この二人は次の火曜日の雪を一緒に見るのかしら…

さすがの金曜日

今週は暇だったが昨夜は金曜日らしい賑わいを取り戻した

早い時間はそれほど忙しくはなく吉祥寺で飲んでいた女王様から呼び出しがあり

一瞬迎えに伺おうかと思ったが金曜日のゴールデンタイムに中座は躊躇われた

後ろ髪をひかれる思いで電話を切ったあと数分でお客様が何組か御来店

一気に店内は活気づいた

新年会の流れでお見えになったグループや久々にお顔を見せて下さったお客様

それに初めて遊びに来られたイケメンまで

平日に分散してくれれば、どんなに有り難いかと思うほどだった

結局４時半まで営業して閉店となった

ママは具合が悪いところを無理に出勤した様で３時頃には早退した

今夜は昨夜の様に忙しくなるかしら？

まだ雪が道路の端に残る店前でキャッチする事なくお客様に恵まれる事を願いたい