昨夜は早い時間にムッチーが千鳥足で当店を覗いてくれた
いつもなら他所の店でさんざ飲んだ挙句のハシゴの終着駅に
当店を選んでくださるのだが
この夜は随分と早いお越しだ
「あらムッチー早いじゃないの」
「マミは居るのか?」
当店のママの名前だ
最近調子を悪くしてずっと休んでいたが
先週までは金曜日に出勤していた
「ムッチー、ママは金曜日しか出てないのよ~」
「なんだ、また休んでんのか」
彼は私がこの店に入る前からの常連さんで
以前は毎週の様にお見えになっていた
時たま御自分の行きつけの店へ私達を連れて行ってくれたものだ
「あらムッチー今夜はKへは行ってないの?」
彼のご贔屓の一軒で
小柳ルミ子似のやり手美人ママで有名だ
当店にも何度か足を運んで下さっている
「マミが居ると思って誘いに来たんだよ」
どうやらムッチーはKでお友達と飲んでいて
当店のママの話になったらしく
ならば「連れて来よう」と言う事になったらしい
「まあ残念だわ~」
Kなら歩いて2~3分の処にあるので
出掛けたとしても何かあれば直ぐに戻る事が出来る
「ねえムッチー、私じゃダメかしら?」
Kのママやスタッフのミコちゃん
それにもう辞めてしまったがS子さんも以前はよく覗いてくれた
ちょうど今ならお客様も1組だけだし
まもなくボーイのトシも出勤してくる
折角なので営業も兼ねてお邪魔したい
「そうだな~、お前でも良いかッ」
ムッチーは僅か20分のご滞在だったが
1万円を支払って私をKへと連れて行ってくれたのだ
初めてお邪魔するので緊張する
ドアを開けると店内は満席だった
カウンターには10人ほどのお客様
そして奥のボックスには4~5名のグループ
全員が大人の男性だ
この日は胸元が大きく開いたブルーのドレスを着たママは
せわしなく店内を動き回っている
ママの他にはミコちゃんや後4名ほどの女性スタッフも居る
そしてカウンターにはガッチリした短髪のチーフも居た
いかにも2丁目受けする男っぽいルックスだ
ムッチーによるとママの息子さんらしい
「あら素敵なチーフねえ」と声をかけると照れていた
この日は彼の奥さんも手伝いに来ていた
「実は明日がママの誕生日なんだけど
日曜日なので今夜お祝いしようと
大勢のお客様が見えたんですよ」
チーフがそう答えた
「あらそうだったの」
そう言うそばから入り口のドアが開くが
満席で入れない
ママがすぐに飛んで行ってフォローする
グラスを持って出た
と言う事は店の外でお相手していると言う事だ
折角お見えになったのに中へ入れない
ならばせめて1杯だけでも飲んで行っていただきたい
根性でママは店の外で接客していた様だ
数分後またママはカウンターでせわしなく動いている
空きそうなボトルがあれば
さり気なくグラスに注いで新しいのをおねだりする
それがとても自然で押し付けがましくないのだ
他にも学べる事だらけだった
暫くして店から「お客様が見えた」と連絡があった
ムッチーには申し訳ないがおいとまする事にした
「ゴメンネ~、ムッチーが来てくれた日は
後からお客様が続くのよ~
私も此処のママに負けない様に頑張って来るわ」
そう言い残しお店を出た
少し歩いたところでママさんが大きく手を振りながら
「お忙しいのにありがとうございました~」と見送ってくれた
長く繁盛している店の秘訣の一つとして
それはどんなに混雑していても
全てのお客様に少しずつでも気配り出来るママ
そして常に笑顔を絶やさず接客できるスタッフ
「慌しくてそれどころじゃないわよ」と思っても
お客様をもてなす気持を忘れない事
そして感謝の気持も…
色々と反省させられ教えられた夜だった
いつもなら他所の店でさんざ飲んだ挙句のハシゴの終着駅に
当店を選んでくださるのだが
この夜は随分と早いお越しだ
「あらムッチー早いじゃないの」
「マミは居るのか?」
当店のママの名前だ
最近調子を悪くしてずっと休んでいたが
先週までは金曜日に出勤していた
「ムッチー、ママは金曜日しか出てないのよ~」
「なんだ、また休んでんのか」
彼は私がこの店に入る前からの常連さんで
以前は毎週の様にお見えになっていた
時たま御自分の行きつけの店へ私達を連れて行ってくれたものだ
「あらムッチー今夜はKへは行ってないの?」
彼のご贔屓の一軒で
小柳ルミ子似のやり手美人ママで有名だ
当店にも何度か足を運んで下さっている
「マミが居ると思って誘いに来たんだよ」
どうやらムッチーはKでお友達と飲んでいて
当店のママの話になったらしく
ならば「連れて来よう」と言う事になったらしい
「まあ残念だわ~」
Kなら歩いて2~3分の処にあるので
出掛けたとしても何かあれば直ぐに戻る事が出来る
「ねえムッチー、私じゃダメかしら?」
Kのママやスタッフのミコちゃん
それにもう辞めてしまったがS子さんも以前はよく覗いてくれた
ちょうど今ならお客様も1組だけだし
まもなくボーイのトシも出勤してくる
折角なので営業も兼ねてお邪魔したい
「そうだな~、お前でも良いかッ」
ムッチーは僅か20分のご滞在だったが
1万円を支払って私をKへと連れて行ってくれたのだ
初めてお邪魔するので緊張する
ドアを開けると店内は満席だった
カウンターには10人ほどのお客様
そして奥のボックスには4~5名のグループ
全員が大人の男性だ
この日は胸元が大きく開いたブルーのドレスを着たママは
せわしなく店内を動き回っている
ママの他にはミコちゃんや後4名ほどの女性スタッフも居る
そしてカウンターにはガッチリした短髪のチーフも居た
いかにも2丁目受けする男っぽいルックスだ
ムッチーによるとママの息子さんらしい
「あら素敵なチーフねえ」と声をかけると照れていた
この日は彼の奥さんも手伝いに来ていた
「実は明日がママの誕生日なんだけど
日曜日なので今夜お祝いしようと
大勢のお客様が見えたんですよ」
チーフがそう答えた
「あらそうだったの」
そう言うそばから入り口のドアが開くが
満席で入れない
ママがすぐに飛んで行ってフォローする
グラスを持って出た
と言う事は店の外でお相手していると言う事だ
折角お見えになったのに中へ入れない
ならばせめて1杯だけでも飲んで行っていただきたい
根性でママは店の外で接客していた様だ
数分後またママはカウンターでせわしなく動いている
空きそうなボトルがあれば
さり気なくグラスに注いで新しいのをおねだりする
それがとても自然で押し付けがましくないのだ
他にも学べる事だらけだった
暫くして店から「お客様が見えた」と連絡があった
ムッチーには申し訳ないがおいとまする事にした
「ゴメンネ~、ムッチーが来てくれた日は
後からお客様が続くのよ~
私も此処のママに負けない様に頑張って来るわ」
そう言い残しお店を出た
少し歩いたところでママさんが大きく手を振りながら
「お忙しいのにありがとうございました~」と見送ってくれた
長く繁盛している店の秘訣の一つとして
それはどんなに混雑していても
全てのお客様に少しずつでも気配り出来るママ
そして常に笑顔を絶やさず接客できるスタッフ
「慌しくてそれどころじゃないわよ」と思っても
お客様をもてなす気持を忘れない事
そして感謝の気持も…
色々と反省させられ教えられた夜だった