ラブカップル

道路の端に雪かきされたものが溶けないで

色は白さを失いながらも

あの日の名残りを晒している

次の火曜日にもまた空からチラホラと

白いものが振りそうだと予報士が告げている

成人の日のような事はないだろうが

雪と聞くと何とも言えない胸の高鳴りを感じるのは

私だけではないだろう

雪国の人にとってみたらウンザリかもしれないが

殺伐とした都会では一服の清涼剤になる事もあるのだ

不謹慎かもしれないが

ちょっとくらい積もってくれると嬉しかったりして…


金曜日に続いて昨夜もご来店のＡちゃん

「今日は彼氏を連れて来ちゃった」

傍らに帽子を被ったお茶目そうな笑顔の男性が立っていた

顔立ちは構成作家の鈴木おさむ（森三中の大島のダンナ）に似ている

今夜はデイトの帰りだと言う

この二人は道ならぬ関係だ

きっかけはまだ聞いていないがとにかくラブリーで羨ましい

聞くと彼はオカマバーには抵抗がないタイプ

昔はさんざっぱら遊びに行ったとか

高円寺のミドリさんと言うオカマさんとも懇意だったらしい

きっとＡちゃんの手前

もっと色んな楽しい話があるのだろうが

この夜は披露されなかった

時間の都合で１時間ばかりの滞在だったが

「この後Ａを送ったら、また戻って来たりして…」

なんて冗談を言うとＡちゃんが妬くのだ

仲が良いったらありゃしない

この二人は次の火曜日の雪を一緒に見るのかしら…