精神世界と心理学・読書の旅

精神世界と心理学を中心とした読書ノート

生命観を問いなおす(森正博)

2008-09-15 14:42:32 | 科学と精神世界の接点
生命観を問いなおす―エコロジーから脳死まで (ちくま新書)(森正博)

ちくま新書の一冊。一読して、その問題提起の深さ、視野の広さに強い感銘を受けた。学ぶことが多かった。

環境の問題、生命の問題が問われている。しかしその問題は、近代的世界観や資本主義の論理という私たちの外部にある制度が引き起こしたというべきではない。問題は、私たちの外部にではなく内面にあるのではないか。私たちの内面、あるいは生きるという営みそのものに目を向けなければ、環境倫理学や生命倫理学に共通する限界を超えていくことはできないのではないか。それが著者の問題提起である。

環境や生命の問題を論じながら、ディープエコロジー、さらに精神世界やニューエイジ、ニューサイエンスといった、一時代を築いた潮流に触れつつ、その限界や問題点を明らかにしようとする。私もその潮流に深くかかわってきただけに大いに学ぶものがあった。


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