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やさしい電気バス、コンゴ・ブラザビルで運行開始!

2016-06-07 07:30:43 | アフリカビジネス
先般、中部アフリカ、コンゴ共和国の首都ブラザビルで、100%電気による路線バスが運行開始した、とのニュースを目にした。

(Œeil d'Afrique.comより)


10の座席、12名の立席乗車を可能とする電気バスは、3基のLMPバッテリー、つまりLi金属利用のドライバッテリーを搭載。これは完全固体バッテリーで、次世代技術と言われているものだそうだ。ガスも発生しなければ、煙も出ない、騒音もない。そして液体バッテリーとは異なり、放置による放電や、取り扱いにおける危険が少ないとされる。一回の充電で120キロの走行が可能だという。このバスは補助電源としてソーラー発電も併用している。そして「車高が低く、移動に困難を伴う障害者や老人などにも乗降が楽」と、運転手。まさに、環境にも人にもやさしいバス。


興味津々なのはブラザビル市民。電気自動車が珍しいって?いや、それ以上にテスト走行期間、バスはタダなのだ笑。現在、市内4路線が運行されている。

1番線: 中央駅-ンピラ-ロータリー-エビナポワン
2番線: 中央駅-オリンピックパレス-大学病院
3番線: 中央駅-コンゴ薬局前-河岸通り-旧フランス文化センター
4番線: 中央駅-コンゴ薬局前-軍病院



さてこのバス、いったい誰が運行しているのか?

運行主体はブルー・コンゴ社、ということになっているが、バックにいるのは、、、そう、このブログでもしばしば登場する仏系ロジスティックのジャイアント、ボロレ社だ。

ボロレ社は、西アフリカ、特に仏語圏で港湾、鉄道などのロジスティックサービスにおける独占的なビジネスを展開する。その絶大な存在感と剛腕から、しばしば疎まれ、また黒い噂もちらほら耳にする。

(参考記事)
ボロレ疑惑~仏系巨大ロジスティック企業にかかる嫌疑

しかしこのボロレ社、現在アフリカにおいて太陽光などクリーンエネルギーの開発にも力を注ぐ。ギニアやサヘルの国などでも、ソーラーパワーを利用した事業や企業の社会貢献(CSR)プログラムを展開している。このLMPバッテリーも、同社独自の開発技術ということだ。


ブラザビルでは、昨年9月に「アフリカ・オリンピック大会」が開催された。この際に、ボロレ社のヴァンサン・ボロレ会長は「アフリカ、特にブラザビルでのエネルギー転換と移動性の向上に貢献」することをコミット。これらのバスが大会組織委員会に提供された。

コンゴ・ブラザビルといえば、域内最大の港、トランシップ貨物(積み替え貨物)のハブ、ポワントノワール港が位置する。ボロレにとっても中部アフリカ一大重要戦略拠点だ。そういったビジネス関心も見え隠れする。




電気バスの商業運転化について、その時期や価格についてはまだ公表されていない。そしてきょうも「やさしいバス」がブラザビル市民をせっせと運んでいる。

(おわり)

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