ぶらぶら★アフリック

アフリカ・プロモーター、ンボテ★飯村がお送りする100%アフリカ仏族ぶらぶらトーク!

恒例!国連総会・アフリカ大統領たちの主張

2018-09-28 07:30:00 | アフリカ情勢
毎年9月後半の恒例行事である国連総会。一般演説では国家元首がリレー演説を行う。かつてリビアのカダフィ大統領が、持ち時間を大きく超え、議長を制して、1時間超の演説を行ったことは記憶に残る。

さて今年の国連総会は9月25日、26日の両日。こんなページからその模様はリアルタイムでフォローできる。

General Debate of the 73rd session: 25 September - 1st October 2018

本邦系ニュースではトランプ大統領が失笑を買ったとか、安倍総理が何をいったのかなど報じられているが、アフリカの大統領たちももちろん演壇に立った。いったい彼らの発言内容は?・・・おなじみアフリカ週刊誌'Jeiune Afrique'ウェブサイトではこんな記事を掲載している。少しかいつまんで覗いてみよう。

アフリカ大統領たちが国連総会で語ったこと
Ce qu’ont dit les présidents africains à l’Assemblée générale de l’ONU


ルワンダ ポール・カガメ大統領
DANS AUCUNE AUTRE RÉGION, LA SOLIDARITÉ TRANSNATIONALE ET L’UNITÉ NE SONT RESSENTIES AUSSI PROFONDÉMENT QU’EN AFRIQUE
アフリカほど国境を超えた連帯、ユニティが見られる地域はない

アフリカ自由貿易協定とりまとめに一役買ったところからの発言。スピーチではアフリカの政権交代や脆弱国家についても触れている。独裁の中での安定がいいのか、不安定の中での民主主義がいいのか。脆弱国家は魅音主主義も安定もないのだが。

コンゴ民主共和国 ジョセフ・カビラ大統領
TOUTES LES ÉCHÉANCES PRÉVUES AU CALENDRIER ÉLECTORAL, EN VUE DES PROCHAINS SCRUTINS, [SONT] À CE JOUR TENUES
そして今日、来るべき選挙に備え、選挙日程におけるあらゆる期限が守られている。

三選問題、選挙実施など、国際社会に顔向けできない事情が払拭され、カビラ大統領自らの参加。ンボテの知る限り、ここ数年、大統領自らが直接スピーチをした場面はなかったのでは?昨日までのブログ記事で述べたとおり、与党陣営にとって必要な「策」は整えられた。皮肉にもそうとも取れる。そしてコンゴにとって、国連との関係では、PKOミッションの存在が大きな懸案。政府にとってMONUSCOは「目の上のタンコブ」な存在。そういった引っかかりも抱えて、国連総会入りである。

ナイジェリア ムハマドゥ・ブハリ大統領
LE TERRORISME EST ALIMENTÉ PAR DES FACTEURS DYNAMIQUES LOCAUX, MAIS AUSSI PAR LE MOUVEMENT JIHADISTE INTERNATIONAL
テロリズムはローカルコンテクストのダイナミズムで起こっている。しかし同時に国際的なジハーディスのトレンドによって加熱されている。

イスラム系セクト、ボコハラムとの戦いに力を注いだブハリ政権。ナイジェリアのイスラム過激思想は18世紀にも遡る歴史あるダイナミズムである。他方、現在のボコハラムはイラクやシリアの旧戦闘員の支援、リビアからの武器の流入など、国際的環境に大きく影響を受けていることを示唆。国際社会の連帯と支援が必要であることを訴える。

南アフリカ シリル・ラマポーザ大統領
NOUS DEVONS TOUT FAIRE POUR QUE LA GÉNÉRATION FUTURE NE SUBISSE PAS LES RÉPERCUSSION DES GUERRES ACTUELLES
次代の子孫が、現存する災禍に直面することがないよう、あらゆる手段を尽くすべきだ

アフリカは半数以上の人口が30歳未満という若い世代。紛争、地球規模課題など、大人たちの世代でしっかり解決のために向き合い、子孫の代に引き継ぐべきだ。気候変動然り。そういった視点から、メッセージが発せられた。

ガンビア アダマ・バロウ大統領
APRÈS UNE IMPASSE POLITIQUE, LES GAMBIENS SONT PARVENUS À RÉTABLIR LA DÉMOCRATIE ET L’ÉTAT DE DROIT
激動と混乱を超え、ガンビア人は民主主義と国家主権を取り戻した

このブログでも20回くらいのシリーズで書き綴ったガンビア情勢。ジャメ独裁政権を破り、民主主義と自由の回復を片してきたバロウ大統領からのメッセージには力があったことだろう。他方、ガンビアは国家再建に向けた開発基本計画を策定(National Development Plan 2018-2021)、ドナーからの支援を期待して資金動員会合を開催したが、思った手応えがなかったとも。国連総会が、真の国家再建に向けた起爆剤となるか。


それぞれの大統領、それぞれの事情、そしてそれぞれの主張。邦系メディアではあまり報じられない、アフリカの大統領たちの主張。

(おわり)


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