ベラルーシの部屋ブログ

東欧の国ベラルーシでボランティアを行っているチロ基金の活動や、現地からの情報を日本語で紹介しています

2022年5月20日。ウクライナ侵攻から86日目

2022-05-20 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2022年5月20日。
 
 アゾフスタリ製鉄所で、ロシア軍への抗戦を続けてきたアゾフ連隊の副司令官は19日夜、SNSでビデオ声明を配信し、「自身や他の司令官は製鉄所内にいる。作戦は継続中だが、詳細は明らかにしない」と述べました。
 案の定、司令官クラスの隊員は籠城決意で、投降していないですよ。

 ところが、アゾフ連隊のデニス・プロコペンコ司令官はテレグラムに投稿した動画の中で「ウクライナ軍の上層部が、連隊の兵士の命を救うため、市の防衛任務を停止するよう命令を下した。戦死者の遺体を製鉄所から運び出すのが最優先である。」と述べました。
 気持ちは分かるけれど、籠城は無謀ですよね。

 
 マリウポリで、今月末までに学校が再開される見通しとなりましたが、9月からはロシア側が学校で教える科目をロシア語・ロシア文学、ロシアの歴史、数学の3科目に限定するそうです。小学校と中学校は6月から夏休みなので、教育機会が奪われてしまいました。


 アメリカのマーク・ミリー統合参謀本部議長とロシア軍のワレリー・ゲラシモフ参謀総長が19日、電話で会談したことが明らかになりました。
 更迭されたという噂もあったゲラシモフ参謀総長。無事でしたね。ただ、足を負傷していて治療中でも、電話会談はできますよね。アメリカの統合参謀本部は「両氏は意思疎通の手段を維持することで一致した」としています。 


 ベラルーシメディアによると、ベラルーシが輸出しているカリ肥料を経済制裁の一つとして、禁輸するのを、やっぱりやめようかとアメリカ側が検討しているそうです。
 ロシアとベラルーシは肥料輸出国で、これが止まると、今年の農作物の収穫に大きな影響が出ます。
 ベラルーシがカリ肥料を輸出できると、儲かりますから、制裁にならないです。

 食料危機の要因は、欧米がロシアに科している制裁であり、これが小麦などの食料品から肥料まで、正常な自由貿易を阻害しているとロシア外務次官は主張。ウクライナのオデーサ港を使えなくして、黒海には水雷を浮かべたうえでこの発言です。脅しですね。
 もっとも、黒海に水雷を浮かべたのはロシア軍ではなく、ウクライナ軍だとロシア側は主張しています。


 損害保険会社はロシア近海の海上輸送の損害保険を停止する動きを見せています。

 
 ロシアの反政府系調査報道サイト「ザ・インサイダー」によると、ハルキウにある「シードバンク」がロシア軍の爆撃によって破壊されたそうです。シードバンク(種子銀行)は、植物などの種子の遺伝資源を収集・保管する施設で、攻撃されたシードバンクは16万種以上の種子を保管していた。
 ウクライナ国立科学アカデミーの主任研究員(農学博士)は「現代では復元できない数百年前のタネも含め、何万ものサンプルが灰になった」と発言。「悲しいかな、ヒトラー政権下のドイツでさえ、ウクライナを占領している時に、このコレクションを破壊しようとはしなかった。むしろ保存に努めたぐらいだ」などと主張しました。
 ・・・という報道ですが、これもロシア側から言わせれば「シードバンクを破壊したのはロシア軍ではなくて、ウクライナ軍です。」ということになるでしょう。


 ロシアの国防相は会合で、「年末までに西部軍管区に12の部隊や師団を創設する」と述べました。NATOに加盟申請したフィンランドとスウェーデンに対抗する姿勢を具体的に見せたようです。

 
 ロシアのフィギュアスケート選手界で有名なナタリア・ザビアコがカナダへ帰化する方針を表明し、同国スケート界や政治家からも非難轟々です。
 ロシア下院議員のビタリー・ミロノフ氏は、同選手を〝売春婦〟だと非難。
 あのですね、ロシアのアスリートが国籍を変更したり帰化したりして、ベラルーシの選手として国際試合に大勢出ているんですけど。前々から。今年の北京五輪でもベラルーシ代表のフィギュア女子選手もロシア人ですよ。
 外国の選手として国際試合に出て、異国の国旗を掲げることが売春婦なんですか? この下院議員さん、失礼だし、何も分かってない人なんですね。

 
 外国「国家機構」によるロシアへのサイバー攻撃が数倍に膨らんだ・・・とロシア大統領自ら明らかにしました。今後セキュリティ対策を強化するそうです。 
 

 在スウェーデン・リトアニア大使館がウクライナとの連帯を示すため形容していたウクライナ国旗が、夜間、何者かに取り外されました。

  フィンランド国営ガス会社ガスムは、ロシアからの天然ガスの供給が21日朝に止まると明らかにしました。
 この他にも・・・ロシア連邦統計局は18日、今年1~3月の国内総生産を発表。前年同期比3.5%増と、前期の5%増から鈍化しました。経済制裁の影響で通年では10%超のマイナス成長に陥るのは必至・・・とか今年中にデフォルト間違いなしとか、日本のメディアは報道しているのに対し、ベラルーシの国営メディアは、今年のガス販売によるロシアの収入は、EUのエネルギー価格の高騰により、記録的な1,000億ドルに達する可能性があるという経済アナリストの試算を報道しています。ロシアが大儲けするという予測です。
 さあ、どちらが正しいのでしょうか。今年中に判明するでしょう。


 ベラルーシ大統領は、2020年の大統領選挙後、国外へ出国したベラルーシ人の多くが、帰国したがっているが、どうしたらいいのか分からないでいる、と発言しました。
 テロを実行したのではなく、計画しただけで、死刑になる国になっているのに、戻りたいと思う反政府派のベラルーシ人がいるでしょうか。帰国したら即逮捕ですよ。飛行機でベラルーシ領内上空を移動中でも、強制着陸させられて逮捕されるのに。
 

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