2021年3月8日は国際女性デーです。この祝日に合わせて、反政府デモ活動が行われました。特に今も服役中の女性について政府に早期解放を訴えています。午前中、雪がかなり吹き荒れていたのですが、午後には快晴。各地でデモ活動が始まりました。
ミンスク・モロジェチノ間の近郊電車の中では白と赤の服を着た女性たちが、わざと政府指定の禁書を読みながらミンスクへ移動。ミンスクへ行くのはもちろんデモ活動に参加するためです。
IOCはベラルーシのオリンピック委員会長が大統領の兼任から大統領の長男ビクトル・ルカシェンコ氏に変更したことについて、ビクトル氏を新しいベラルーシ・オリンピック委員会長として認めないと発表しました。
東京五輪が無事開催されても、ベラルーシのチームは出場できない可能性が高くなりました。出場予定していたチームが、政治的な理由により五輪参加をボイコットする、というのはありえると分かるのですが、IOCのほうから、政治的な理由で、参加しないでくださいと資格剥奪されるのは、だいぶんに事情が異なって聞こえますね。
今日、テレグラム・チャンネラーのプチロ氏は、ここしばらくの間、沈黙を保っていたのですが、昨日、反政府活動動画を作成したので、3月8日に公開すると発表しました。動画のタイトルは「黄金の底」で、ルカシェンコ大統領の4箇所の邸宅の内部を暴露するものです。
ロシアの反体制派運動家のナワリヌイ氏が「プーチン宮殿」の内容を動画で暴露したことと似ていますね。
そして午後7時、動画が公開されました。YouTubeでも視聴できます。4時間で40万人がすでに視聴しています。
内容は簡単に言うと、まず共和国会館(迎賓館)の内部の暴露。ミンスク市役所が建設を注文したことになっており、市ではなく国家予算が投入されたことを証言する人の音声(声は加工してあります。)や書類を暴露しています。内部は迎賓館の役目も果たす施設なので、当然宿泊できるようになっていますが、大統領の私室や寝室のほか、家族の泊まる部屋もあり、サウナやプールも完備。トイレの広さはワンルームマンション一部屋分あります。
次に大統領が移動に使っている車。何台もあります。もちろん全て高級車。大統領が言うには、「あの車は誕生日にもらった。」誰からなのかは言っていません。賄賂なのかもしれません。しかし大統領は、個人的にもらった車をベラルーシ政府に寄贈したそうです。そして公用車ということにして、自分の移動のために使っている、という説明でした。
他にもロシアの新興財閥と親密な関係を結んだり、中国政府からベラルーシ政府は借金をしていますが、その一部が大統領の私的な所有物購入のために使われているのでは? という疑念が湧くように、ある意味仕向けている内容の動画でした。
さらに大統領専用機の内部映像。まあ、世界の首脳の専用機はだいたいこんな装備でしょうね、という中身でしたが、トイレの部品や洗面台が金ピカで、(金メッキなのか純金製なのかどうかは映像を見ただけでは分かりません。)大統領と三男のツーショット写真が飾られていたり、大統領用の座席の周りに国章が飾られているのはまだ分かるのですが、内装にいちいち金色の飾りが目立つのです。もちろんベッドもあります。(ダブルベッド) 座席代わりのソファーはイタリアからの輸入と見られ、国産品は使わないのか・・・と思います。
他にも複数のジェット機やヘリコプターを所有していますが、ヘリコプターに関しては、元首相が「あれは私のです。私物です。」と発言していました。しかし、座席の後ろに国章がついているデザインなので、明らかに政府所有のヘリコプターです。
また大統領はお気に入りの人(他国の首相だったり、ベラルーシの将来を担う優秀な学生であったり)にプレゼントをあげるのですが、それがイタリアのブランドMontegrappaのペンなのです。日本でも売っていますが、一本8万円するものもありますよ・・・確かに大統領という立場にある人が、あまりにもしょぼいプレゼントをあげるというのは、ちょっとねえ・・・と思いますが、あげている本数を考えると・・・これが大統領のポケットマネーから支払われているのならいいですが。ベラルーシ人の平均月収は日本円にして6万円弱なのですが。
大統領の三男はピアノを習っているのですが、習い始めてすぐにヤマハの真っ白いグランドピアノを買ってもらい、その値段は18000ドル。200万円近いものですね。(世の中もっと高いピアノも存在しますが。)
他にも大統領は、国の経済活性化のため国産品を買いましょうと言うスローガンを打ち出しておきながら、自分は外国のブランド物で身を固めているとか、次々とその値段を暴露。
ベラルーシとロシアの15箇所にある「邸宅」のうちいくつかは、大統領の長男家族や次男家族が暮らしているようです。
さらに大統領の邸宅のうち一つの内部が暴露されました。サウナやプールがいくつもあり、ビリヤード台、ホームシアター、彫刻などが置かれています。このような邸宅を建設するためにロシアのビジネスマンが大きく関与しているそうです。
また今ベラルーシで国の予算を使ってマンションを急いで建てているのですが、完成したら、反政府デモ活動の取り締まりに活躍した治安部隊員に優先して分譲されるそうです。(ちなみにベラルーシではマイホームは自分で建てるものではなく、国からもらうものです。)
このような形で治安部隊にボーナスをあげようとしているわけです。
動画の最後には次回予告があり、「これは氷山の一角です。次回に続きます。」
いつ次回の動画が公開されるかどうか分かりませんが、この動画を作っているチームは、ベラルーシ国内には住んでいないので、動画公開によって逮捕される危険はなさそうです。