ベラルーシの部屋ブログ

東欧の国ベラルーシでボランティアを行っているチロ基金の活動や、現地からの情報を日本語で紹介しています

ベラルーシのコロナウイルス感染者58505人。死者数346人

2020-06-21 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 6月21日の書き込みです。
 ベラルーシのコロナウイルス感染者数は58505人になりました。1日の新規感染者数は569人です。600人以下になりました。
 死者数は346人です。
 37666人が回復しました。
 86万件を超える検査数となりました。 

 ベラルーシには職業にちなんだ日(休日にはなりません)があります。日本でいうと、母の日とか〇〇記念日のような感じです。
 消防隊員の日とか教師の日などがあります。(ちなみに「図書館の日」はあるのに、「司書の日」はないです。その代わり「文化関係従事者の日」に司書は組み込まれています。)
 今日は医療従事者の日です。
 コロナウイルス流行中のこの日、ベラルーシの医師が(女性の産婦人科医で、感染病専門医ではないです。)「ベラルーシでは医療従事者が薄給のため、優秀な人が職場を去っていくことが多い。」と訴えました。
 するとベラルーシの政治家の一人(女性)が、「医者になる前に医者は薄給の職種だと知ってたでしょう? 知ってて医者になろうと決めたのが悪い。家族のためと思うなら、私だったら(医者を辞めて、医者より給料の高い)庭掃除人になる。」と答えました。
 この庭掃除人というのは、夏場は落ち葉を片付け、冬場は雪かきをする人のことです。
 
 私から言わせれば、医療従事者と言ってもピンキリなので、雪かき作業員よりたくさん給料をもらっている医者もいますよ。
 このコロナウイルス流行中、披露している医療従事者には労いの言葉をかけないといけないのですが、政治家がこういうこと言っていると、コロナウイルスと戦っている現場の医療従事者の意欲も下がりますね。これを機会に転職する人も増えるかもしれません。
 
 ヨーロッパの国では、コロナウイルスと戦っている医療従事者に感謝と応援の拍手を毎晩決まった時間にする、といったことがありました。
 日本では医療従事者やその家族に、「コロナに感染してるんじゃないの。うつさないで。」という冷たい発言がありましたね。
 ベラルーシでもヨーロッパのように拍手で応援する、感謝するといった行動はないです。しかし日本のような差別はないです。
 ベラルーシでは医療従事者にボーナスを支払う決定をしましたが、それだけでは埋め合わせにならないぐらい、感染リスクもあるし、死亡した看護師もいます。

 ちなみにリダ市の救急隊員だった人が反政府ブロガーのインタビューに答えたところ、7日間身柄を拘束されたニュースの続報です。出てきた後、救急病院から「雇用契約が切れた、更新する予定もない。」と言われ無職の状態になりました。今、一人でも多くの医療従事者が必要なときに、解雇です。
 この救急隊員は30代で妻子もあり、いきなり無職になってしまいました。救急隊員の知識も経験もあるのに、どこも雇ってくれません。
 しょうがないので、大統領選まではこの反政府ブロガーの支援活動をすることにしたそうです。そのことが報道されると、同情した人たちから、
「これ、当面の生活費に充ててください。」
と寄付金が寄せられ、それが驚くほど集まり、救急隊員としての年収2年分になりました。
 これで、子どもがいて、お父さんが無職でも、しばらく大丈夫ですね。
 しかし、「え、2年分の年収もらえた? いいなあ。」と羨ましくなった日本人もいるかもしれませんが、救急隊員の給料自体がそもそも低いからこういう計算になる可能性もありますよ。
 それにこの人には早く再び救急隊員として働いてもらいたいなあと思います。自分の好きな職業の分野で活躍できて、なおかついい収入がもらえるような社会にベラルーシがなってほしいと願っています。