ベラルーシの部屋ブログ

東欧の国ベラルーシでボランティアを行っているチロ基金の活動や、現地からの情報を日本語で紹介しています

ベラルーシのコロナウイルス感染者45116人。死者248人

2020-06-03 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 6月3日の書き込みです。
 ベラルーシのコロナウイルス感染者数は45116人になりました。1日の新規感染者数は861人です。900人以下ですが、昨日より増えました・・・。
 死者数は248人です。 
 20171人が回復しました。
 57万件を超える検査数になりました。

 2020年6月1日時点での子どもの感染者数は累計3600人とベラルーシ保健省が発表しました。
 ベラルーシ人の言う「子ども」とは未成年ではなく、15歳以下です。
 このうち95%が無症状。重症者はいないとのことです。中度の症状の子どももほとんどいないそうです。(正確な数字は発表されませんでした。)
 コロナウイルス感染者の妊婦から現時点の合計で62人の新生児が生まれましたが、全員検査の結果は陰性だそうです。

 今日、一人の保護者の方と話ができましたが、親の判断で小学生の息子さんを学校に通わせないまま、夏休みを迎えたそうです。
 両親が働いているので、おばあちゃんが家に来て、孫のご飯を作ったりしてくれたので、学校に通わなくてすんだそうです。ちなみにおじいちゃんのほうは、別の孫の面倒を見るため、別の子ども夫婦の家に行ってしまい、祖父と祖母が別居状態になっているそうです。親戚で手分けして子どもを通学させないように工夫していたということですね。

 その通学しなかった学校ですが、その息子さんのクラス担任の先生が「肺炎」で入院。つまりコロナウイルスだったのですが、学校内で感染者が出たことは認められていなかったので、休校や学級閉鎖にはならなかったそうです。どっちみちその息子さんは通学拒否していましたが。
 そしてどこのクラスも出席率が非常に悪く、ほとんど生徒がいない状態。先生も病気になる人がいるしで、結局いくつかのクラスを一つにまとめて授業を行なったそうです。
 要するに教室内の生徒(人)の密度が高くなっていたということです。はあ。
 今は夏休みが始まってよかった・・・。

 ブレスト市は市中での感染者数が現在ピークであり、予断を許さない状況であると発表しました。
 連日、1日あたり100人を超える「肺炎患者」が入院していますが、今のところ肺炎患者用の病床は不足していないそうです。
 さらにブレスト市の感染予防対策当局は、ブレスト市民の危機意識が低いと示唆。商業施設や公共交通機関内で、マスクをしている市民はごく一部にすぎない、と指摘しました。(だって罰則があるわけでもないし・・・)
 
 ブレスト市役所は、市民に対して、人混みの中に入ること、友人親戚の自宅を訪問して、会話、飲食すること、他の地域へ行くこと(←今、学校は夏休みなんですが。) 生活に必要な場所へ行くこと、例えば通勤、買い物、どうしても買わないといけない薬がある場合、薬局への往復・・・以外の場所へ行くことに制限をかける、と言い出しました。

 人混みの多いところ(商業施設、公共交通機関)ではマスク着用、人との距離は1.5メートル以上空ける、手の消毒を再び勧告しましたが、どれだけ法的な強い規制があるのかは分かりません。

「自分と自分の周囲にいる人を大事にしてください。」と」ブレスト市役所は発表を締めくくりました。
 今後様子を見て、状況が改善しなかったら、罰則を設けるとか厳しい規則をブレスト市内だけでも敢行するかもしれません。
 地方行政側の焦りのようなものが感じられます。
 
 

女性はベラルーシの大統領になれません?

2020-06-03 | ベラルーシ文化
 今年8月に行われる予定のベラルーシ大統領選に向けて、候補者の署名活動が盛んに行われています。
 こんな時期に、現ベラルーシの大統領が、女性はベラルーシの大統領に立候補してもなれない(当選しません)という意味に取れる発言をして物議を醸し出しています。

 5月29日の報道によると、ミンスクトラクター工場での視察の際にその労働者たちとの対話の中で、ルカシェンコ大統領が、
「ベラルーシ共和国憲法は女性のためにない。そしてベラルーシの社会は女性が大統領になるための投票ができるほど成熟した社会ではない。なぜなら我が国の憲法の下では大統領は強い権限を持っているからだ。」
と発言しました。
 公の場での発言です。

 さらに、隣国リトアニアでは女性大統領ダリア・グリバウスカイテがいたことを受けて、
「ベラルーシはリトアニアではない。ダリア・グリバウスカイテは大統領の座にやってきて、腰掛けて、ほほえんで、去った。リトアニアは議会制の共和国なので、何の責任も負ってなかった。(だから女性でも大統領ができた。)ベラルーシはそうではない。ベラルーシ共和国の大統領は男性がなる。そう私は強く信じている。」
とも発言。

 女性大統領が誕生するには社会の成熟が必要。だけど、ベラルーシ社会は成熟していないんだそうです。(自分が治めている国の社会が成熟するよう努力していただきたいのですが。大統領が自国の社会を成熟するための努力をしていない、あるいはしてみたけど失敗してます、と認めているようなものですかね。)

 じゃあ女性大統領がいたリトアニアは成熟した社会だったとほめているのかと思ったら、政治のシステムのせいで、大統領が女性だろうが結局何もしていない、とリトアニアを下げる発言。
(リトアニアの人はこれを聞いてどう思うんでしょうか? 「あー私、今リトアニアに住んでて良かった。ベラルーシじゃなくて良かった。」といったところでしょうか。)

 「いやあ、ルカシェンコは自分の意見を言ってみただけだよ。意見を言う権利は誰にでもあるでしょ。」
と擁護する人(主に男性)もいますが、ベラルーシ女性の多くは反発。
 大統領選に立候補を目指している人の中には女性もいるのに・・・。

 大統領選の前にこんな差別発言をしたら、投票権のある人で女性は、ルカシェンコ大統領に投票しなくなるでしょう。
 有権者の半分は女性なんだから、たくさんの敵を作らないほうがいいのに・・・と私は思いました。
 それに加えて、次の大統領は男性になると、立候補者の一人である立場の人が、女性立候補者を牽制するようなことを今、言ってはそれこそ違反行為になりません?
 あるいは、自分の当選に対する不安に対する裏返しの発言なのでしょうか? (つまり差別発言ではない。)

 現在ベラルーシの女性で、特にビジネスレディーと言われる女性自営業者などが中心に、大統領選挙中央委員会宛に、大統領選に性差別のない平等性を求める請願書を提出しており、また選挙準備期間中にこのような発言を候補者がするのは、選挙法違反に当たるのではないかという申し立てを行い、その数が数十人にまで増えているそうです。