ベラルーシの部屋ブログ

東欧の国ベラルーシでボランティアを行っているチロ基金の活動や、現地からの情報を日本語で紹介しています

アゼルバイジャンで日本語を教えている先生のご意見を紹介します

2016-12-13 | 日本文化情報センター
 新美南吉ロシア語訳童話集「ごんぎつね」を旧ソ連で日本語を教えている地域の学校や図書館に寄贈をしています。
 その中で、アゼルバイジャンの首都バクーにある第225番学校で日本語を教えているラウフ・マンマドフ先生から日本語で書かれたお礼状が届きました。
 その後マンマドフ先生からこのような内容のメールをいただきました。


「(前略)現実は出稼ぎとか日本の文化に全く興味がない外国人たちが大勢日本に住みついて、日本の企業にも入ろうとして、日本語と日本の文化を熱心に学んだ人は日本の企業や役所に就職しようと思っても、”日本で皆日本語話せるから日本語しゃべれる人は別に要りません”というスタンスにぶつかりますから、そこが大なる逆説で、今熱心に日本語を学ぼうとする子たちの将来が正直言って心配です。

 日本語と日本の文化を熱心に学ぶ人たちを日本の国、企業と団体が後押しし、サポートするという流れを近い将来、作らないと日本語を学びに来る子供たちに間違った期待を与えることになるかもしれません。

  私たち日本語教師の努力が子たちの将来の夢の実現に繫がるように、そしてその子たちの失望につながらないようにしたいです。

 我々はそういっても外国人にすぎないので我々の声は日本政府には届かないのですが、日本人である辰巳さんを始め、貴センターの日本人の皆さん方がその問題意識を日本政府にもっとぶつけたら何かがよい方向に変わるに違いないと思います。私、ラウフもやっぱりそのメッセージを直接伝えられなくても、日本人の皆さん経由ででも伝えたくてしょうがないです。」

 ベラルーシでも似たような状況と言えるかもしれません。
 私は日本人で日本語を教えていますが、マンマドフ先生は外国人で母国語ではない言葉をご自分の母国で教えている立場です。
 しかし以上のような意見を発言したいというお気持ちはよく分かります。

 一方で私から日本政府にマンマドフ先生の意見を伝えたところで、誰も耳を貸してくれないでしょう。

 声としては小さいのですが、このブログ上でなら発表できますけど、それでいいでしょうか? とマンマドフ先生にうかがうと、もちろん公開してほしい、本名も出してください、ということでした。

 ということで、ここに公開いたします。

 日本人の皆さん(日本政府関係者でなくても)耳を傾けてください。

 残念ですが、まじめに勉強して、日本語能力試験の認定書を持っている人ではなく、持っていないけど日本人とコネがあった人が日本企業に就職できた、というようなケースを見たことがありますよ。

 こうなると、何のために必死で受験勉強したり、また日本語を教えているほうも、何のためにがんばっているのか? という疑問が出てきてしまいます。
 本当に世の中逆説だらけですよ。