オールドゲーマーの、アーケードゲームとその周辺の記憶

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1960年代のTAITO(5):追加情報その3(終)

2021年12月05日 19時15分31秒 | メーカー・関連企業

本シリーズもいよいよ最終回です。今回は「バスケットボール901(1967)」と「ファンタジー(1969)」の追加情報です。これらについてもみなさんから画像や情報をいただきました。本当にありがとうございます。

まずは「バスケットボール901」のフライヤーから。

バスケットボール901(1967)のフライヤー。

60年代のバスケットボールゲームは何種類か見た覚えがありますが、駆け出しのメーカーであったTAITOの「901」がその元祖とも思えません。そこでネット上を調べたところ、案の定米国のMidway社が1964年に「BASKETBALL」を売り出していたとする資料が、pinrepair.comと言うウェブサイト内に見つかりました。

米国MIDWAY社の「Basketball(1964)」のフライヤー(pinrepair.comより)。

MIDWAY社のフライヤーには、「1 or 2 player game」として、「when played  as 1 player, game competes against player」と書いてあるのですが、意味がいまひとつよくわかりません。ひょっとして、ここで言っている「game」とは「ゲーム機」の意味で、機械がプレイヤーの相手をする、と言っているのでしょうか。

さらに、セガ1966年に、やはり「Basketball」と言う名称の類似機種を売り出しています。

セガが1966年に売り出した「Basketball」のフライヤー。

セガの筐体の外観はMIDWAY社製とよく似ており、また「SPECIAL 1 or 2 Players」と一人でも遊べるかのように謳っている点からも、MIDWAYのコピーであるように見えます。

なんにしても、TAITOが「901」を出す前に少なくとも2つの同名先行機種があり、過去記事「1960年代のTAITO(3):追加情報その1」で触れた「ペリスコープ」と同様、ここでも「仁義なき戦い」が繰り広げられていたことが窺われます。

さて、いよいよこのシリーズ最後のトピック、「ファンタジー(1969)」です。この筐体画像も、前述「1960年代のTAITO(3):追加情報その1」で言及した「スポーツマン」と同じ総合カタログに掲載されていました。

ファンタジーの筐体。

コンパネには、昭和時代によく見かけた蛇口のハンドル部分のようなコントローラーが見えますが、これだけではゲーム内容の見当がつきません。

と思ったら、SNSで、「ファンタジーは矢印のとこからピンポン玉が自動発射されて(発射方向はハンドルで操作)、時間内に全ての番号の穴に入ったら景品が出てくるマシン」と、解説画像付きで教えてくださる方が現れました。

説明に添えられていた画像。プレイフィールド手前の中央にあるのがピンポン玉の発射口。

ワタシはこのゲームを見た記憶が残念ながらありませんが、なるほど、このようなゲームなら蛇口のハンドルのようなコントローラーの形状も理解できるというものです。お名前を出してよいのかどうかわからないので仮名で失礼しますが、R-Xさん、どうもありがとうございました。これからもお気づきの点等ございましたらご教示いただけますようお願い申し上げます。

(このシリーズ・終わり)


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3 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (EM好きおじさん)
2021-12-05 21:20:31
こんにちは。

バスケットボールゲーム、ありましたね。ただ私の記憶にあるものはボタンスイッチ部のデザインが少し違っていた気がします。

各穴毎にボールが来た事を検知するセンサーがあって、ボールがない穴のボタンを押してもソレノイドは動きませんでした。

ボールが穴に落ち着いた状態で1人がボタンを押せば結構シュートが決まるのですが、大抵はボールが穴に落ち着く前から2人がボタンを押しまくるので両方のソレノイドが中途半端にボールを飛ばしてしまい、両プレイヤーがボールを奪い合っている様な動きになって結構面白いものでした。

しかしシングルプレイヤーでも遊べる機種があったとは知りませんでした。穴毎のセンサーがボールを検知してからわずかに遅延させてソレノイドを駆動したと思うのですが、人間側が不利にならない様にうまく遅延を制御していたのでしょう。

なおファンタジーに関しては、私の記憶にはありませんでした。


ではまた。
リメイクの開発に現漫画家の見ル野 栄司さんがアリュメ系の会社でかかわ5ったそうで (YOU)
2021-12-06 02:18:13
https://pbs.twimg.com/media/EQ0HoSGUUAACb6b?format=jpg&name=large

現在漫画家として活躍されている見ル野 栄司さんという方が90年代のホッケーやバスケットのリメイク台の開発でアリュメ系の社員として関わっていたとマンガにされておられました。
マンガはこちらだったかと。
「シブすぎ技術に男泣き!」

これのサッカーが、当時入っていた店にあってミサイルコマンドを思い出すトラックボールとカラーLEDがアウェーとホームで変えてある演出とかすきだったんですよねえ。
まあアリュメといえばブランディアですかね?
「オマエはニッポン放送ブランデアか?」と揶揄しましたがw.
Unknown (nazox2016)
2021-12-06 21:32:30
>EM好きおじさん
今なら機械の対応速度をソフトでいかようにも調整できますが、アナログの時代では試行錯誤も苦労したことと思います。

>YOUさん
その漫画家さんのお名前は存じておりましたが、読んだことはありませんでした。もと業界人だったのですか。今度見てみようと思います。

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