オールドゲーマーの、アーケードゲームとその周辺の記憶

コインマシンやギャンブルゲームやカジノの歴史的エピソードとか、時々カジノ旅行記とか、たまにスポーツやマンガとか。

大阪レゲエ紀行2019(1) DAY 1・午前

2019年03月17日 22時16分02秒 | ロケーション
2019年3月9日(土)~10日(日)、レゲエ(レトロゲーム=オールドゲーム)を求めて大阪に行ってまいりました。かねてよりワタクシ的懸案事項であった「シルバーボールプラネット」と「KINACO」はもちろんのこと、過去に訪問したことのあるロケーションもこの機会に久しぶりに覗いて参りましたので、今回から何回かに分けて、その記録を残しておこうと思います。

【出発準備】
今回うろつく主な地域は、北は心斎橋周辺から、南はジャンジャン横丁(天王寺)周辺まで。大阪までの運賃は意外にも飛行機の方が新幹線よりも安かったが、空港から目的地までの移動がやや大変なのと、JRが新幹線往復+絶好の立地にあるビジネスホテル1泊込みで3万円強というパッケージを出していたので、新幹線を選ぶ。

【1日目の行動予定】
・朝7時東京発の新幹線で新大阪着は10時過ぎ。
・ホテルのチェックイン(2時)まで、天王寺界隈とシルバーボールプラネットで過ごす。
・ホテルにチェックイン後、現地に詳しいKZさんとシルバーボールプラネットで合流し、KINACOへ。
・KINACOからKZさんと共にTVタウンポパイに「ザ・ダービーMKV」を見に行く。
・ポパイからKZと共に、KTさんのオフィスへ。

以上。

【出発当日の朝】
7時過ぎに東京駅を出るのぞみ号に乗るため、朝5時20分に起きて身支度を整え、5時40分に家を出る。東の空には朝焼けが見えた。最寄り駅から電車に乗ると、この時間なのにもうそこそこの人がいる。東京駅に着いたのは6時半ころだが、駅構内は既に平日の朝のラッシュアワーに迫る人ごみ。外国人やスノーボードを抱えている人も多い。「のぞみ号」に乗り込み、朝食のつもりで売店で買ったサンドイッチを食べたら、ほどなくして眠り込んでしまう。目が覚めたら京都に着くところだった。

【大阪到着】
新大阪駅到着は10時過ぎ。地下鉄乗り場の案内窓口に行き、オールドゲーム繋がりの知人であるKZさんから予めいただいていたアドバイスに従い、平日は700円のところ週末は600円だという一日乗車券を買って御堂筋線に乗り、動物園前で降りて、新世界の「かすが娯楽場」と「ニュースター」を目指す。

【新世界その1:秘宝館(射的場)】
動物園前で下車してジャンジャン横丁に入ると、まだ朝の10時半だというのに長蛇の列ができている串カツ店があった。ジャンジャン横丁には他にもたくさんの串カツ店を含む飲食店が開店していたが、他はどこも混雑はしていない。「大阪では高かったりうまくない店はすぐにつぶれる」とはよく聞くが、こんなに差が出るものなのだろうか。何がそんなに違うのだろうか。

更に進むと、右手に「かすが娯楽場」が見えてきた。最後にここを訪れたのは2011年のことなので(関連記事:かすが娯楽場(大阪)の記憶)、およそ8年ぶりになる。かすが娯楽場は一昨年の11月に放火の被害(店頭に設置してあったガチャポン販売機から小銭を盗もうとして火をつけたというなんともトホホ極まりない事件)を受けたが、門構えをリニューアルして見事に復活してくださっていたのだった。

 
事件前のかすが娯楽場(2011年撮影)と、現在の姿(今回撮影)。リニューアル後はブラックマスクの精悍な門構えとなっている。事件前の店頭にあった「KING OF KINGS」の光看板は焼けてしまったとのことだが、「ボッチャンもトウチャンも」の看板は無事に残っていた。

そのかすが娯楽場の向かいには、なんと射的の店「秘宝館」がある。前回来た時、ここは確か将棋道場ではなかったっけか(後で調べたら、秘宝館の開業は2016年2月とのこと。もう丸三年になっている)。ワタシ的にはニュースポットなので、かすが娯楽場に入る前に見学させていただいた。


2軒の射的場を並べている「秘宝館」だが、向かって右の店のカウンターには「←となりへどうぞ!」と書かれた段ボールのスタンドが立てられ、この時は稼働はしていなかった。(1)向かって左の店。 (2)向かって右の店。 (3)2店はこんな感じで繋がっている。


ゲーム料金は6発500円とのことだが、殆どの景品は、一般の商店で1個150円前後程度で売られている菓子類。どうせトクすることを期待して遊ぶゲームではないので安い景品自体は構わないとは言え、せっかくの射的なのに、テキヤで見られる景品のようなアヤシサが足りないところは少し寂しい。


秘宝館の貼り紙。「空打ち厳禁」はわかるとして、「実弾禁止」は面白い冗談じゃないのと内心笑っていたら、ワタシがこのレゲエ紀行から東京に戻った日の深夜に、今回のワタシの行動範囲内にあった中央区宗右衛門町で二人が銃で撃たれて意識不明という事件が起きていた。((((;゚д゚))))アワワワワ

それにしても、今はもう、射的の銃やコルク玉を製造しているところはほとんど存在していないのではないか。おそらくは、例えば廃業するテキヤから引き取るなどしたものだと思うが、メンテナンスだって必要だろう。我々オールドゲーマーにありがちな「失われゆく風俗文化を残したい」などと言う意気込みでもあればそれも可能だとは思うが、いかにも大阪の陽気で愛想の良いおばちゃんと言う印象を得る中年女性が店員をしている秘宝館からは、そんな気負いは微塵も感じられない。どうあれ、こういうものは残っているだけで嬉しい。ありがとう、秘宝館。

【天王寺その2:かすが娯楽場】
ワタシにとってのニュースポットだった秘宝館を一通り眺めたのち、かすが娯楽場に入る。8年前に来たときはメダルゲームは殆どなかったように記憶していたのだが、今回は店内の半分程度がメダルコーナーになっていた。現在の主流であるプッシャーもあるにはあるが、驚いたのは、sigmaのメカスロが並んでおり、更にそのメカスロで複数の客が熱心に遊んでいることだった。


(1)Mr. Do(ユニバーサル、1982) (2)左がドラゴンバスター(ナムコ、1985)、右が源平討魔伝(ナムコ、1986) (3)GOLD 7(sigma, 発表年不詳(1990頃?))とSILVER 7(同)が並ぶバンク。この向かい側にもやはりsigmaのメカスロとエイトウェイズ類が並んでおり、そちらでは何人かの客が熱心に遊んでいた。うち一人は大量のメダルを持って、マックスベットで遊んでいた。 (4)sigmaのメカスロ「NOW PLAYING」と「MARINE BLUE」の2種。これらも発表年は不明だが、共にビデオスロットでも同名のタイトルがあった。

ビデオゲームでは、「ドラゴンバスター」をおそらく35年ぶりくらいにやってみたら、自分でも驚くほど下手になっていた。他に「源平討魔伝」や「Mr. Do!」などもあったが、これらは見るだけ。一つの筐体で複数のゲームが遊べる仕様になっているものが多く、おそらくはエミュレーターと思われる。

店内には10人ほどの客が入っていたが、そのおそらく全員が、ワタシよりも人生の先輩であるように見える。さっきから「テトリス」を延々とやっている男性の見かけはマンガ「ヒカルの碁」に登場する悪役「ダケさん」そっくりの風貌だが、それに似合わずというべきか違わずというべきか悩むが、舌を巻くうまさだった。後で人から聞いたところによると、どうもかすが娯楽場では有名なテトリスプレイヤーらしかった。


マンガ「ヒカルの碁」に登場する「ダケさん」(ジャンパー姿のおやじ)。ただの下品な中年オヤジに見えるが、実はとんでもないハスラーで、碁会所で不正な碁を打って小遣い稼ぎを繰り返す中学生に手痛い「お仕置き」をする。

【天王寺その3:ニュースター(スマートボール)】
天王寺界隈を徘徊するのは4回目だが、「ニュースター」は必ず覗いている。設置されている機種は「スマートボール」のみで、7~80台ほどもあるだろうか。スマートボールの歴史には詳らかではないが、1968年の時点で既に従来のパチンコに併設、営業されていたことまではわかっている。しかし、オリンピアと同様1970年代の早い時期から衰退し、現在残っている台数は、日本に生息する絶滅危惧種の鳥類トキよりもさらに少ない(トキ348羽(2019年3月時点)、スマートボール244台(2016年時点・風俗第4号営業に限る))。

ニュースターには始終客の出入りがあったものの、常に少なくとも10人以上の客がいたように思う。その年齢層は幅広く、平均的にはかすが娯楽場よりもずっと若そうだ。また、その多くはアベックとは言え、女性の比率も低くない。


(1)ニュースターの入り口。風俗4号営業なので、「風営法により保護者同伴の場合も含め18歳未満の方の入場をおとこわりしています あしからずご了承ください」との立て看板が立っている。 (2)店内の一部の様子。この画像の中に4人の女性客がいる。 (3)スマートボール。 (4)スマートボールの裏側。「ソリッドステート」などと言う言葉が無縁の、純粋なエレメカ。

提供する景品(法律上は賞品)は前述の秘宝館に似て、一般の小売店で100~300円前後くらいで販売されている菓子類が多い。つまるところ、「ちょっと遊んで、お菓子の一つ二つももらえれば儲けもの」というレベルの娯楽で、誰も儲けようと思ってなどいない。この程度の賞品提供なら、例えば保護者同伴であれば年少者の立ち入りを許しても良いと思う。リデンプション機とともに、行政には規制の緩和を考えてもらいたいものだ。


景品棚の様子。安い菓子類ばかり。

このような貴重な娯楽場には末永くがんばってもらいたいので、ワタシもお布施のつもりで数百円分遊ぶ。1球打っては結果を見届け、ということを繰り返していると、それでも結構な時間を遊べる。もちろん景品などは期待していない。

【天王寺その4:ニュースター(ゲーム)】
スマートボールのニュースターの並びには、もう一つ、ビデオゲーム専門店の「ニュースター」の入り口がある。地元の人に聞くところでは、以前はこの部分もスマートボール場だったとのことなので、同系列なのかもしれない。店内はL字型で、反対側の端はジャンジャン横丁の入り口に通じる出入り口になっている。


(1)スマートボール場の入り口に並ぶ、ゲーセンのニュースターの入り口。ガチャポン販売機から左がゲーセン部分だが、以前はここもスマートボール場だったと聞く。 (2)ジャンジャン横丁側の入り口。店内は中でL字型に曲がって、(1)の出入り口に続く。 (3)スマートボール店側の入り口から店内奥を見たところ。 (4)ジャンジャン横丁側の入り口から店内奥を見たところ。

設置されているゲーム機は、麻雀、テトリス、コラムス、上海などで、今風のものはない。客層はかすが娯楽場と同じく、高齢の男性ばかりであった。

【天王寺その5:ザリガニ】
再びジャンジャン横丁に入り、前回来た時にはなかったと思う「レトロゲーセンザリガニ」に入る。事前にネット上で調べておいた段階ではビデオゲームも置いてあったように思ったが、「UFOアラカルト」が2台と、ミニクレーンが1台あるだけだった。景品はアダルトモノばかりで、AOU(日本のゲーセンの業者団体)的にはアウト臭い。


(1)下着類を景品とするUFOアラカルト。 (2)アダルトグッズを景品とするUFOアラカルト。 (3)ゲーム料金は100円1ゲーム、500円で6ゲーム。「トラブル時は隣の射的屋まで」と貼り紙があるので、オペレーターが秘宝館と同一か、少なくとも連携しているロケに思われる。 (4)筐体から取り外されたマーキーは、店の奥に無造作に置かれたままだった。

店の入り口の多数のガシャポンは、1回500円。中身は知れないものの、アダルトモノが出てくるものであるようだ。ちょうど数人の若者グループが面白がってこれを買っていたようだった。その一部始終は見てはいなかったが、どうもすごくつまらないものが出て来ていたらしかった。これと同じガシャポンは射的の秘宝館にもあった。


ザリガニ前のガシャポン。1回500円。

(長くなってしまったので、今回はDAY 1の午前までとして、午後は次回につづきます)

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2 コメント

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Unknown (tom)
2019-03-19 22:50:37
ご来阪、有り難うございました。

昔は「射的屋さん」は無かったのですが、観光客相手の4号営業ですね。

私が子供頃「かすが娯楽場」の周辺は、将棋/囲碁/雀荘と、近隣で働いている方々へ時間つぶし的なお店が多かったです。

ザリガニのキーワードでふと思い出したのですが、「伊勢エビキャッチャー(サブマリンキャッチャー?)」は、大阪発だったかと思います。


Unknown (nazox2016)
2019-03-22 23:39:27
tomさん、お返事が遅くなってすみません。

大阪ではお世話になりました。おかげさまで「ZERO」にも問題なく行くことができました。いずれまたお会いできる機会を作りたいものです。

ジャンジャン横丁は将棋道場や碁会所が多かった記憶が私にもありました。代わりに射的屋ができていたとはいえ、少なくなってしまうのはこれはこれで淋しいですね。

伊勢海老キャッチャーは、たしか大阪の「ユーエス産業」が手掛けていたものと記憶しています。メーカーというよりもディストリビューターの印象が強い会社でしたので、どこかに作らせていたのかもしれません。ラスベガスのダウンタウンにあった「ラスベガス・クラブ」というカジノにも1台導入されているところを見かけました。

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