リッスン・トゥ・ハー

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病的な反応

2011-02-09 | リッスン・トゥ・ハー
「ちょっと待って!」

「なんですか?」

「あの子、ちょっと妙じゃない?」

「妙?」

「妙よ、絶対に妙よ」

「妙って何ですか?」

「違和感」

「なにが違和感なんですか?」

「あの子」

「そうですかねえ、あたしは何にも感じませんよ」

「いいや、絶対に違和感、完全なる違和感」

「具体的に教えてください」

「あの子の背に羽があります」

「羽はありませんよ」

「私には見える、大きな羽があるのが」

「いやありませんて」

「正直者にしか見えない羽」

「あたしが嘘つきだと?」

「そうはいってないけど」

「ほぼ言ってるじゃないですか」

「じゃあ言ってる」

「認めた!」

「嘘つき」

「嘘つきじゃない」

「嘘つきはこの国から追放する」

「罪、重!」

「追放し、モロヘイヤの国に住まわせる」

「モロヘイヤって」

「ぬるぬるする野菜」

「いや!」

「じゃあ改めて聞く、羽が見えるよね?」

「見えます」

「じゃあ、あの羽をとってきてみよ、一休よ」

「一休ちゃうし!」

「どうしたできぬのか?」

「うーん、ではお殿様」

「なんじゃ」

「羽が私を怖がってこちらにきません、お殿様が連れてきてください」

「ぬぬぬ、なんと!それは、できぬ、一休、あっぱれじゃ」

「えっへん」


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