遅れてきたサンタクロースより

「いやサンタクロースやけども」

「なんですか急に」

「いやだから遅れてきたサンタクロースやけども」

「サンタクロースに関西弁はあいませんよ」

「それは偏見ではないか」

「まあ、そうかもしれませんね」

「なにその顔、サンタクロースがやってきたんやからもっと喜んでもらわんと」

「サンタクロースて、さっきまでつる子さんでしたよね？」

「今はサンタクロース」

「はあ」

「何がお望みなん？」

「望みですか？」

「なんでも言ってご覧なさい、かなえて差し上げます」

「そうですねえ、じゃあ、ジャルジャルののDVDください」

「１？２？３？」

「ぜ、全部欲しいです」

「イヤです」

「はっきり言うた！」

「ジャルジャルDVDは望みではありません」

「気に入らなかったようだ」

「別の金では買えない何かを望んでください」

「お金では買えないものですか？」

「そう」

「じゃあ、平凡なシアワセ」

「しゃあないなあ、キッスしてあげるよ」

「ええ、なにその自信」

「いらないの、いるの」

「いる！」