2007/05/27(日) TBS NEWS
海洋深層水ポンプに珍客、静岡・焼津
静岡県焼津市に、深海の生物を生きたまま捕獲出来るという装置があります。本邦初公開というこの装置を取材しました。
これは、駿河湾から海洋深層水を汲み上げる静岡県の施設。4つあるポンプのうち、水深697メートルから深層水を汲み上げているポンプをたどっていくと・・・。なんと、そこには深海からやってきた生物が。
この深海魚、どうやってここまでやってきたかというと、水深687メートルに延びた直径25センチの取水口から吸い込まれ、長さ7300メートルものパイプを通って、 深層水とともに地上にたどり着いたのです。熊野灘から北海道の水深300メートルから1000メートルに住む魚「アカドンコ」で、その生態は謎です。
「魚がたまるのは『ストレーナー』といわれる、ポンプが傷まないように混入物をためておく場所。深海から上がってきた生き物がたまるような仕組みになっているので、深海魚類の採取装置になっている」(静岡県水産試験場 岡本一利さん)
海洋深層水の中に 「アカドンコ」を離して見ると・・・。
「(逆さまになっているのは)圧力の関係。浮き袋に空気がたまっているような状態。深海の魚が生きている映像はかなり珍しいと思います」(静岡県水産試験場 岡本一利さん)
日本一の深さを誇る駿河湾には、1000種を超す魚類がいるといわれますが、生態に謎が多い深海魚を生きたまま捕獲することは大変珍しいそうです。この施設では、今までに8種類の深海魚の飼育に成功しています。
「長いもので3、4ヶ月生きた深海生物もいる。深海魚類の生態が徐々にわかってくる可能性がありますね」(静岡県水産試験場 岡本一利さん)
(26日14:39)
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