潮風に乗って-北から南から

船や港に関係する地名を訪ねて、その土地の情報を発信します。

「準国産」旅客機、シアトルでお披露目

2007年07月10日 | Weblog

2007/07/09(月) TBS NEWS
「準国産」旅客機、シアトルでお披露目

 昨日TBSで、『「準国産」旅客機、シアトルでお披露目』と題して放映していました。収録・編集しましたので掲載します。
 http://nawata01.eco.coocan.jp/07TV_movies/TBS/tbs_boeing_787_20070709.wmv

 部品の3分の1以上が日本製。いわば「準国産機」の次世代旅客機、ボーイング社製の「ボーイング787」の一号機が完成し、アメリカ・シアトルの工場でお披露目されました。
 アメリカ・シアトルにあるボーイングの工場で公開されたボーイング787の一号機。およそ250人乗りの中型機です。一号機の完成を前に47の航空会社から677機を受注、航空機史上最大のヒット作との声が早くも出ています。

 「787は、従来の同じ大きさの航空機に比べ、燃料の使用は20%も少なく済みます」(ボーイング社・民間航空機部門 スコット・カーソン社長)
 人気の秘密は、ずばり低燃費。その鍵を握る機体の軽量化には日本のメーカーが重要な役割を果たしています。工場内に張り巡らされた黒い糸の束は、主翼や胴体の構造材に使われる炭素繊維です。鉄の9倍の強度をもちながら重さは半分。製造するのは日本の素材メーカーです。

 「セーターとか毛布に使われる白い糸。これを1000度以上の条件で焼いて作ったのが炭素繊維」(東レ 上浦正義 専務)
 素材だけでなく主翼、胴体といった部品の35%が日本製。ボーイングが主翼の製造を外部に発注するのも初めてのことで、部品運搬専用のこんな貨物機まで頻繁に日本とシアトルの間を往復しています。
 「日本メーカー各社の持つ洗練された技術が、私たちの航空機に大いなる価値をもたらすこととなったのです」(ボーイング社・787開発製造部門 スコット・ストロード副社長)

 さらに、機体の装備にも日本の事情が反映されています。787の乗員用酸素マスクは、標準仕様で凹凸が少ないと言われる日本人の顔にフィットするよう設計されています。
 「幅が広くなって、低い鼻に合うよう少しつぶしています」(全日空シアトル駐在 原田 茂 主席部員)

 日本の気候に合わせた操縦席のウインドウウオッシャーや雷対策。トイレには初めてシャワー洗浄機能もつきました。標準仕様が日本の事情に合わせたものになっているのは、全日空が世界で最初に購入を決め、開発に深く関わったからでした。
 「(787は)ベストセラーになっているので、やはり我々の選択眼はあやまってなかったと」(全日空 山元峯生 社長)
 後を追うようにライバル日本航空も35機の購入を決定。3年後に羽田空港の発着枠が1.4倍に拡大するのをにらみ、日本の航空会社は小回りの利くこの中型機で勝負をかけるのです。
 いわば「準国産」とも言えるボーイング787。来年夏に就航予定です。(09日17:02)