navikuma のブログ 陽炎のようにゆらめく景色のなかを走行中です。

ユーラシア大陸の端っこからのたわごとです。

よしよし、好い子だな!

2012年03月12日 | 日記

この写真の犬ではありませんがあるワンちゃんたちと遭遇した時の話です。

昨年の夏のことです、山歩きに向かう途上ふもとのあたりで道に迷ってしまいとつぜん羊の群れのなかへ入ってしまいました。

すぐに羊飼い犬二匹(牧羊犬)が私のところへ飛んで走ってきて驚く私に向かって懸命に吼え続けていました。怪しい闖入者だと思ったのでしょう。

13~15メトルほど離れた切り株のところに腰掛けて草を食むひつじたちを見ていた羊飼いの老人はそのことにはまったく無頓着な様子でした。

私は、吼え続ける犬たちに阻まれてただそこへ立ちすくんでしまいました。
そんなに大きな犬ではありませんでしたが、正直怖かったですね。
とっさにどうしようかと考え、その犬たちに何か言おうと一瞬思いましたが、当然日本語で言っても通じない、ましてや羊飼い犬に対してですからネ。

でも時間にして2~3分ぐらいでしたでしょうか、結構長い時間だったと感じましたけど、声に出さず必死に心の中で ”おおっよしよし、好い子だな、大丈夫だよ、何にもしないよ、好い子だな、羊を守ってくれていてありがとうな、よしよし好い子だ!”と繰り返し繰り返しつぶやき続けました。

すると次第に吼えることをしなくなってきました。
そのかわり今度はしっぽを一生懸命振りながら愛きょうを見せる仕草と動作に変わっていきました。
まったく吼えなくなるとこんどはそのうちの一匹はわたしの膝頭に頭を摺り寄せてきました。吼えなくなった犬たちは可愛いものでしてね。
それでも、私は慎重に驚かすような動作は慎み、且つまだそのつぶやきは続けていました。

どうやら、その犬たちは私は怪しいやつではないと理解したようでした。
勤務中の犬!たちでしたが、ちょっとでいいからいっしょに遊んで欲しいような雰囲気でした。
 
そしてこんどは羊飼いがその二匹の羊飼い犬を呼んだらしく踵を反して向こうへゆっくり歩いて行ってしまいました。

それからまだ30秒ぐらいはそのままそこへ立ち続けていましたが、もう完全に安全だと確信できたので、まだ道に迷いながらも本来の道筋へ向かえると思われる方角へふたたび歩き出しました。

そしてしばらく道なき道を歩いていくとやっと本道に出ることができました。

この子犬の写真を見ると今でもそのときのことが想い出されます。