昨年のクリスマスの頃、母からメールが来ました。
べるバアサンがごはんを食べなくなった、といった内容でした。
嗚呼、現在19歳と、人間でいえば100歳近い超高齢猫のべるバアサン。
その1ヶ月ほど前に見た時は、ウェットフードをもりもりと食べていたのに、この冬の厳しい寒さがこたえたのかも…。
それでも、もしかしたら食べてくれるかも、といつものようにお気に入りのトップバリュの安いウェットフード(モンプチなどのお高いのは見向きもしない)を大量に買い込み、12月29日に帰省しました。
そこには、ただでさえ小柄なのに、ごはんを食べなくなったせいかますます痩せたべるバアサンがいました。
ストーブの前の特等席を陣取ってはいるのですが、体を丸めるのもしんどいようで、まるで生き倒れのように横たわっています。
鳴くのもしんどいらしく、ここ数日はひと鳴きもしないとのこと。
でも、ヨロヨロした足取りながらも、水だけはしっかり飲むし、ストーブの前なので暑くなったら自分で移動して涼み、またストーブの前に、という動きはします。
ちょっと意外だったのは、そんなに弱っているのに、目ぢからはいつもと変わらなかったことでしょうか。
しかし、食べなければますます弱ってしまいます。
そこで、ウェットフードを少しだけお湯でゆるくし、米粒ふたつほどの量を指先に乗せ、強制的に口の横からすべりこませました。
吐き出したり、入ったまんまで飲み込んだりしないままかな…と心配もしましたが、なんとかもぐもぐしてくれます。
時間をおいて少しずつ繰り返し、なんとか小さじ半分くらいを食べさせることができました。
でも、内心は、お正月までもつのだろうか…という気持ちでした。
普段なら、燃料代がもったいない、などと言う父も、べるバアサンのために朝から晩までストーブをつけっぱなしにすることには何も言わないのだとか。
そんな父も、べるバアサンはいつも自分の布団と毛布の間で寝ているので、ここ数日は目が覚めるたびに、冷たくなっていやしないか確認していると言っていました。
確かになあ、ストーブの前で寝ていても、つい呼吸しているかしら…と確認してしまうほど弱々しい姿でしたからね。
帰る時も、次に帰省した時にはもういないんだろうな…と車中では泣きながら帰りましたよ。
( ; ; )
そして元旦。
母におめでとうメールを送った時にべるバアサンの様子を尋ねたら、もうごはんをあげても食べなくなった、とのこと。
今までよく頑張ったよ、旅立ったらメールで知らせてね…と返信。
しかし、2日、3日と日は過ぎるのに、いっこうにメールはきません。
はてさて、と思っていたら4日についにメールが!
ドキドキしながら開封したら
『べるが自分からごはんを欲しがって少し食べたよ』
!(◎_◎;)
聞けば、突然母にいつものように『ごはーん!』と鳴いて催促したのだとか。
そして6日、地元に住む妹から、横たわっていながらも、しっかり顔をあげているべるバアサンの画像が送られてきました。
(おっかあよ、もう少しオシャレな靴下を履きなはれ)
うむ、この目ぢからなら大丈夫かも。
そして、8日にはごはんもちょっとずつ増え、12日にはいつもどおりお年寄りとは思えないほどモリモリ食べるようになったとのメールが。
(レトルトパックタイプのウェットフードを1日に2袋はぺろり)
さらに驚くことに、今にも倒れそうなヨロヨロとした足取りだったのに、いつものように庭を散歩し(しかも時々小走りで)、天気の良い昼間は日当たりのいい庭先に置かれた椅子に自分で飛び乗り、のんびりひなたぼっこするまでに。
で、2月8日に帰省したらば、あの弱っていた猫はどこに?!と驚くほど、元気なべるバアサンの姿が。
ええ、いつもどおり大きな鳴き声で母に『ごはーん!』と催促し、ストーブの前を陣取るのはいつものことですが、しっかりと体を丸めて休み、暑くなってきたら少し離れた所にある椅子に飛び乗ったり、と以前と変わらぬ元気な姿を見せてくれました。
ぺらっぺらに痩せていた体も、少しだけふっくらしてきました。
いやー、この調子でぜひとも4月には20歳をむかえてほしいものです。
ストーブの前で寝てます。
この椅子にもひらっと飛び乗ります。
(実家も足元が寒いと我が家と同じアルミシートを敷いてますが、おっかあよ、これは絨毯などの下に敷くのであって、直に敷くもんぢゃないぞよ)
今回のことで、べるバアサンがいつ旅立ってもおかしくないのはもちろん、今はまだ元気な我が家のシニアトリオにも、いつかお別れする日が来るんだなあ…と改めて思いました。
希望としては、めざせ26歳!(私が知る範囲での一番の高齢猫)なのですが、この夏で17歳になるなっちゃんを筆頭に、みんな立派な高齢猫ですからね。
あと何年一緒にいられるかはわかりませんが、最後のその時まで、できるだけ健やかに穏やかに楽しく過ごせるよう頑張りたいと思います。
余談ですが、べるバアサンを見たあとにくろを見ると、あまりの大きさの違いに同じ猫なのか?と思ってしまいました。
ニンゲンに例えたら
べる 身長140センチ 体重30キロ(もちろん軽い)
もも 身長160センチ 体重65キロ(小太りで重い)
しま 身長185センチ 体重65キロ(痩せてて軽い)
くろ 身長185センチ 体重85キロ(がっちりしてて重い)
といったところでしょうか。
今回はしまはなんとか抱っこできたものの、くろは触ることすらできませんでした(時々庭先に現れるので姿は見れた)。
このぶらざーずは、私が帰省するのを本能で察知するらしく、私の車が戻るよりも先に姿を隠します。
(普段ならこの時間はいつも台所にいるのにねえ、と母も不思議がる)
ま、まあ、すとーかーのオバチャンですから、嫌われたってしょうがないんですけどねえ、うんうん元気ならそれでいいんです。
(T^T)
もも姐さん…なっちゃんの倍の幅だな。
おっとうよ、もう少しオシャレな靴下を履きなはれ。
(相変わらず色んな敷物がある家ですが、ボロ隠しプラス猫が粗相をしてもすぐ洗えるようにしてあるようなので、どうか気づかないふりをして下さい)