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新潟市の住宅設計事務所ネイティブディメンションズ=狭小住宅や小さい家、構造計算、高気密高断熱が好きな建築士のブログ

法律の落とし穴

2009-06-19 20:16:07 | 建築雑談

2日続けての講習会でした

思うんですけど、聞くって、話すより体力必要ですよね。特にしゃべる方が好きな人間にとっては。

今日の内容はと言うと、ここ最近の法改正に伴う、構造についてのお話です。

「木造2階建ての一般的な住宅は、構造計算した結果を確認申請時に添付しなくてもいいよ」という特例があるんですが、この1~2年の間、それがなくなると言われ続けています。

耐震偽造事件を受けての法改正ですが、なかなか施行されません

それは、「構造計算を添付しなくていい」を、「構造計算しなくていい」と解釈している建築業界に問題があるんですが、その勘違いが、業界の一部ではなくほとんどと予想されるため、そんな法律が施行されたら、市場が大混乱してしまうという事から、施行がのびのびになっているんです。

今日に限らず他の講習会でもこの話はよく聞きます。

これを受けての感想を書くと、愚痴や疑問しか出てこないのでやめときます。おそらく、皆さんと同じ感想だと思いますし・・・。素人目にも変だと思いますよね。

ただ、施行される前兆というか、ならし運転は始まっていて、それが平成19年以降の「建築基準法」改正、「建築士法」改正、「瑕疵担保履行法」施行、「長期優良住宅普及促進法」施行になるわけです。

この2年でいっぱい法律が増えました

おさらい的な気持ちで聴講しましたが、当たり前すぎて今まで気が付かなかったことが2つ。ただの、勉強不足かもですが。とほほ。

まず、昨年の建築士法改正の中身から。

設計事務所は、お客様からお仕事をいただいたら、他の設計事務所に「手伝って」とお願いしてもいいけど、設計事務所以外の所には「手伝って」って言っちゃダメですよ、とあります。

当たり前ですよ。お客様が専門家(設計士)にお仕事をお願いしているのに、それを専門外の人に仕事を手伝わせるなんて。

デザイン事務所なんかは、複雑な構造計算を構造設計事務所に依頼する事がありますが、専門外の人にお願いするなんて、「あり得ないでしょう。ないない」なんて、思ってたら、あり得るんです。

住宅のほとんどは、プレカット工場という、柱や梁を加工する工場から材料が出荷されますが、構造計算をしていない工務店等では、構造計算をプレカット工場に依頼する場合があります。プレカット工場が事務所登録をしていれば問題ありませんが、事務所登録をしていないプレカット工場に計算を依頼すると法律違反になるそうです

当たり前です。

法改正を受けて、プレカット工場も事務所登録をほとんどが済ませているとの事ですが、まったくない話じゃないんですね

もう1つ。瑕疵担保履行法の話です。この法律は、瑕疵が発生した場合、施工店が「責任は取りたいけど、お金がないからできません」という逃げをなくす為に、工事1棟1棟に保険に入りなさいという法律です。

なんか安心できる法律ですね。

すいません。前段を書き忘れていました。

建築基準法に適合した住宅に瑕疵が発生した場合、施工店が「責任は取りたいけど、お金がないからできません」という逃げをなくす為に、工事1棟1棟に保険に入りなさいという法律です。

つまり、建築基準法に適合していない住宅は、瑕疵が発生しても保険はおりません。

付け加えると、確認申請が下りた住宅、保険会社の検査に合格した住宅が建築基準法に適合しているとは限りません。

なぜなら一番最初に書きましたが、構造計算書を確認申請書類に添付する事が免除されているので、細かな部分は設計者の責任なんです。

だから、建築基準法に適合していない住宅の不具合は、瑕疵ではなく設計ミスになり、瑕疵保険が適用されません。

当たり前です・・・。たしかに

住宅をお考えの皆さん、設計の事は、必ず設計士と打ち合わせしてください。餅は餅屋に。

当たり前です。

以上、法律の落とし穴でした。んっ、私が目が節穴だったんでしょうか

最後の当たり前ですが、当事務所では、意匠設計・構造設計すべてを行っています。


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