4人で暮らす場合、家はどのくらいの大きさが必要でしょうか。
この記事のスタートにもなった増沢洵氏の「最小限住居」は、建築面積が9坪、延べ床面積が15坪で、当初3人で暮らし、のちに4人で暮らしています。
私(たぶん世間も含めて)が4人暮らしの住宅を設計すれば30坪~位になると思います。
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では、4人で暮らす場合、部屋はどのくらい必要でしょうか。
増沢洵氏の「最小限住居」は、ワンルームです。
私(たぶん世間も含めて)が設計すれば3LDK~位になると思います。
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増沢洵氏が「最小限住居」を発表したのが1950年台。
私が学校で教科書開いて学んだnLDKの家の始まりも1950年台。
戦後、ワンルームの住宅と公団のnLDKは現代建築の夜明けとも言うべき革新的な設計でした。
ですから、歴史はどちらも同じ。むしろ、日本の家と言えば「田の字型」と言われる障子や襖だけで仕切られた続き間です。
それでは、改めてどのくらいの大きさまたは部屋数が必要だと思いますか。
の前に、
実は先日、「家族論」という題目のセミナーに行って来ましたが、正直、まるで見透かされているようなお話の内容でした。
お話の内容は、リビングなんていらない、家族団欒なんてあるはずないでした。
言い方はきついですが、私の腹の内そのものです。
このご時世に家族の団欒を過ごすのは、極めて稀です。家族と会話する時間って一体どの位でしょう。このご時世じゃなくてもかもしれません。昔からかも。
子供だって親に秘密があるし、親も子供に秘密があります。でもその秘密を友達に相談したりします。別に、家族を否定している訳ではありません。普通の話です。
家に家族がそろっていた所で、それぞれがTVを見たり、ケータイいじったり、インターネットしたり、勉強に追われたりが普通じゃないでしょうか。
つまり、今に始まったわけではなく、家の中では元々が個が集まっているだけで、更にそれが現代では、集まっていたとしてもweb上でいつでも外出できる状況です。
家族は大切だと思います。究極ですよね。深い所で信頼し合っているんじゃないでしょうか。だから、普段は見えにくいのかもしれません。家族を感じられるのは「いざ」という時だけかもしれません。
でも、それでいいと思いますよ。
だから、私にとっての住宅とは、顔合わせても別々の事をしているんなら、わざわざここはあの部屋、あそこはあの部屋なんてせずに、なんとなくあるスペースにそれぞれが好きな事をしていればいいんじゃないかなと。別々な事をしていたとしても、同じスペースを共有していた方が、例え背中合わせだとしてもいいんです。第一、スペースを合理的に使えます。
個々が必要とするスペースなので、大きさもさほど広くなくて十分です。それこそ、いざという時に広く使えればそれで十分です。
私も男の子の時代があったので、当時を思い出せば秘密基地に憧れて友達と作った事がありますし、一人暮らし時代もありましたが、広くないけど整理されていれば使いやすいんです。でもnLDKだと整頓の発想なんですね。
要は、使い方、片付け方に理論があるか。ただ、この部屋があるからこう使って、こっちはこう使ってでは足し算ばかりで「理」が見えません。使ってるだけ、片付けただけです。
だから、整理すれば必要な大きさや部屋数は少なくなります。そして、現代のアレンジを加えるならば、省エネに取り組む事。生活スタイルと消費エネルギーから割り出された狭小住宅をこれからの住宅として提案します。
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