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新潟市の住宅設計事務所ネイティブディメンションズ=狭小住宅や小さい家、構造計算、高気密高断熱が好きな建築士のブログ

The End of Life is Moral(その1)

2025-06-08 19:04:37 | 建築雑談
6月5日~7日にかけて東京に行ってきました。
一番の目的はビッグサイトで開催された住宅ビジネスフェアに参加するため。
全国から集まったギョーカイ人のお話しを聞いたり、職人さんのパフォーマンスを見たりとても刺激を受けました。

しかし、そこで気が付いちゃったんです。
誰もがうらやむような活躍をしている方々の活動を聞いてて、

これって単に自分のやりたいことをやり切ってるだけですよね。

それに対してどうしたら~とか、困ることは~とか、私はこう思うんですけど~っていう質問ってホント無意味だなって思いました。

その道の成功はその人にしか分からないし、真似しても仕方ないし、その人みたいなやる気を自分の世界で表現することが大切なんだと改めて感じてきました。

そして、私も登壇者
私からは構造を積極的に取り入れていきましょうというお話しをさせていただきました。

というのも、
構造って地震から守るため程度の認識しかないんじゃないでしょうか。
もしくは、
耐震等級3をとれば補助金をもらえるとか火災保険が安くなるとか。

構造って、お客様から頂いた要望をカタチにするための骨格です。
骨組み作れなきゃ肉も付けられないでしょ。

なんて言うと反感買うので、

シンプルで丈夫な骨格に飾り付けをしていくと設計がとても楽しくなりますし、工事費は構造部分よりも飾り付け部分に予算をかけられるようになりますっていうお話しをさせていただきました。


つまり、構造を意識せずに見た目ばかり優先しようとすると構造が複雑になりがちです。そうするとお客様の予算は決まっているわけですから、複雑な構造に予算が振り分けられて見た目の部分に予算を回せなくなるんです。

だから、世の中は
見た目を意識する設計者ほど、見た目に使える予算を減らしがちで
構造を意識する設計者ほど、見た目に使える予算を増やすことができるんです。

同じ枠の中でご一緒させていただいたJIN建築工房の小森仁さんからは、
リノベ工事を許容応力度計算で解くという、「は?」っていうお話しを伺いました。
通常許容応力度計算っていう構造計算は新築のための計算方法で、リノベに使われないっていうか、使いようがない計算方法なんですけど、それをやり切った採用事例や、

リノベにおけるグレーな部分。
既存の基礎の強度ってどうなのっていう部分に切り込んだ研究発表を伺いました。
どちらも目からうろこが出る発表で、やはり小森さんも構造を知れば知るほどデザインが整理されていくという内容で、

今回初めてお会いしたんですが、セミナー終了後はお互い
「ですよね」
の一言で通じ合うことができました。

また、質問が少なかったんですけど、参加していただいた方から終了後に、
話が分かりやすすぎて聞くことがなかったと感想を言っていただけたことは本当にうれしかったです。

設計事務所の仕事って、図面を描く、工事を監理するんですけど、
お互いの誤解で大きなミスが生まれやすい仕事ですので、日ごろから自分のやりたいことを発信すること、聞く事、考えること、伝えることを大切にしています。

とても収穫の多い住宅ビジネスフェアでした。
その2に続く



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