
ネイティブディメンションズの五原則の内の一つとも言われているダイビング。
小さい家なので、ダイニングとリビングを一つにしちゃえという理由で生まれた造語。
つまるところお茶の間のことなんですが、
このダイビングは実は第三世代まで存在します。
第一世代は説明するまでもなく、ミニストック-01のダイビング

シンプルでありながら、必要な機能どころかプラスアルファの機能まで備わっているスタイル。
しつこいですけど、何もないようですべて備わっています。
自分で設計しておきながら「すごいな」と思いますし、色あせる雰囲気もありません。
第二世代が、タッチザスカイ!で誕生した畳の小上りと組み合わせるバージョン。

今となってはこの第二世代がメインになりつつあります。
シンプルさは第一世代にはかないませんが、畳を組み合わせることで椅子としても使えるし、ごろんとできる一石二鳥スタイル。
そもそもリビングとダイニングを一つにしている時点で一石二鳥だから、
一石二鳥の二乗ということに。
その結果、あまり大きな声では言えませんが、お引っ越し後半年ほどこの小上りだけで生活されたオーナーさんがいます。
このままだと部屋を使わなくなるということで、重い腰を上げてお部屋を作ったそうですが、そのエピソード以来
「人をダメにするリビング」
というキャッチコピーも生まれました。
第三世代はこの第二世代にキッチンまでもくわえちゃったわがままボディスタイル。

こちらは「キッチンドランカースタイル」というキャッチコピーが付いています。
家族がいつもテーブルを囲んで向き合っているという意味。
私がご提案したいことを究極に濃縮するとこのスタイルになります。
ちなみに畳の小上りの床下は天井が高くなるので、コートもかけられるようになるというタイプの一石二鳥。

ついに一石二鳥の三乗へ。
そんなのを経てミニストック-04では第二世代を採用することにしました。

私が飲み会から帰ってきて、寝室にたどり着いたことがないことから、家族から頼むから第二世代にしてくれとお願いされました。
しかし、今までと少し雰囲気が違っていて、今までのダイニングは、テーブルの奥がテレビ置場だったんですが、ミニストック-04ではダイビングにテレビを置かないため、テーブルの長さもいつもより少し短めです。
ちなみに短いと言っても2m30cmあります。
市販ではお目にかかれない長さ。
通常のダイビングでは2m70cm~3m
事あるごとに多様性を口にする私ですが、いまやテレビがない家も当たり前の時代。
視聴しないという意味ではなくテレビがないだけ。(テレビを見る方法は他にもある)
テレビがない家は近年ミニストックでも採用率高めです。
ニッチな理由ですが、空間がテレビに支配されない、時間が支配されない、視線が支配されない、気持ちが支配されないといったところです。
また、過去のスタイルを踏襲する部分もあります。
1つはベンチ。
ミニストック-05で設計しましたが、
私はこのベンチが心の底から大好き。

好きな理由の一つが、背もたれ付の椅子よりも奥行きが少ないので、空間がすっきりすること。
もう一つが、どう考えても「かわいい」ということ。

色もこのダイビングで採用した鉄の素地仕上にします。
ポイントはわざと溶接跡を残すこと。

職人さんの手で一つ一つ丁寧に作っているという証を、あえて溶接跡を残すことで表現しています。
ただし、全部丸っと残すわけではなく、バランスよく残すというハイセンスな仕上げとなっています。
ここは跡を残すけど、ここは跡を残さないよね~って、職人さんと意味不明な気の合い方をしながら制作します。
皆さんのお好きなダイビングはどれですか。
ダイビング。
私も、きっと、何時間でもいることでしょう。
こういうおうちに育った子は、親との断絶はあり得ませんね。
多分、勉強も、机の片隅でするでしょう…。
現在の自宅では3m60cmのテーブルを家族で囲んでいます。
成人した娘と高校生の娘がいますが、子供部屋はありません。
ご想像の通り、テーブルの隅で個々の好きなことをして、食事の時に中央に集まるという暮らしをしてきました。
電話しているときも、たまに私たち夫婦が参加したり、友達とも仲良くしてもらっています(笑)