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新潟市の住宅設計事務所ネイティブディメンションズ=狭小住宅や小さい家、構造計算、高気密高断熱が好きな建築士のブログ

【ministock-11(lab)】経験と勘-新潟の小さい家-

2019-04-22 19:39:44 | ministock-11(lab)
先週末からSさんとのお打ち合わせが始まりました。
ということで、相変わらず構造計算終わらせちゃいました。

始まる前に終わらせる。
安全第一がモットーのネイティブディメンションズです。

以前も記事にしましたが、吹き抜けのある建物の安全確保は結構ムズイ。
そして、小さい建物はさらに難しくなります。

なんでか。
今日はそのお話。

まず、皆さんが思う耐震性能って、こんなイメージじゃないですか。

建物が揺れる原因は、壁が傾くから。
壁を強くすると、耐震性能が上がる!

正解です。そのとーり。

これを立体で確認するとこう。

床が動くから、壁が傾く。

これを構造計算の世界では、

床に地震の力が入ってきて、壁に流れていくと言います。

そして、床に入ってくる力は、建物の重量が壁の強さと壁の間隔(距離)で案分されて決まります。

ちょー強い壁が支える床には沢山地震の力が入ってくるし、弱い壁が支える床にはそんなに地震の力は入ってこない。
だけど、弱い壁だらけだと建物の重量支えられないし、強い壁と弱い壁が点在してたら、そもそもバランスの悪い建物になっちゃうし。

大空間だと地震の力がいっぱい入ってきて揺れやすくなって、小っちゃい部屋が沢山あると地震の力は分散される。
だけど、小っさい部屋だらけだと狭っ苦しいだけだし。

もうね、不条理だらけなんですよ。設計って。
そんなに甘くねーぞって。
ぼーっと生きてんじゃねーよ。
人生の縮図が設計に凝縮されています。

こんなにも不条理な世界で、さらに吹抜けなんて設けちゃうと、

いかにもバランス悪そうでしょ。

余計に。

流れるモンが流れにくくなるし、流れのバランスが悪くなるし。


これまでのお話は建物の大小かかわらずどれも同じ。
ただし、小さいとそれが際立ちます。


ミニストック-11の2階は9坪中2.5坪が吹抜け。
約28%が吹抜けという割合。(まぁ、今までも大体こんなもん)

耐震性を上げるには、いくつかの方法があって、

一つ目は、吹き抜けに面する床を強くします。赤い部分の床を合板などで強くします。

場合によっては、吹き抜けの中に火打ち梁という頬杖の役割の梁を入れることがあります。
気休め程度ですけど。
というのも、今回の間取りの場合、吹き抜け付近には1400kgの力が入ってきます。それに対して火打ち梁は160kg程度の力しか発揮できません。
ちと貧弱。

二つ目は、壁の強さの調整。

調整というニュアンスが大切で、やみくもに強くするばっかりでは耐震性の向上にはつながりません。
もちろん強くすることが大前提ですが、バランスよく強くするということ。

三つめが、耐震壁を増やす。

壁をあちこちに配置すれば力を分散できるので耐震性能が上げやすくなります。
ただし、増やしすぎると吹抜けの解放感が結局なくなったり、基礎が増えてコストアップに直結します。

そして、この三つのどれがいいとかじゃなくて、これを組み合わせながら吹抜けの設計をするので、設計者のセンスが重要になってきます。

構造計算の組み合わせ方は何種類もあります。
NGをなくすことは簡単ですが、一番効率のいい方法を見つけるのが設計者の役割。
センスがない場合は、吹き抜けを小さくするしかありません。

吹抜けを小さくできない場合は、建物の重量を軽くする方法もあります。
世間では耐震偽装っていいます。
捕まるやつです。

これは例外として、センスより何よりも大切なのが「経験と勘」

構造計算をする前のプラン段階で「これはイケる!」って思えるプランを作らなきゃダメなんです。

プランが間違ってたら、コストバランスのいい耐震性能は得られません。

中華料理屋さん入って、無理矢理フレンチ作らせて、料金高いわりにまずかったみたいな話ですけど、皆さんそんなこと絶対しないですよね。
つまり、プランは間違えられないってことなんです。














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