native dimensions blog

新潟市の住宅設計事務所ネイティブディメンションズ=狭小住宅や小さい家、構造計算、高気密高断熱が好きな建築士のブログ

工事監理

2010-05-11 17:43:02 | 設計業務

住宅は契約を済ませるといよいよ工事に取り掛かる訳ですが、設計士は工事が設計図通りに行われているかを確認する必要があり、これを工事監理と呼びます。

ちなみに現場監督さんが行っているのは工事管理で、予算、工程、安全確認等を行っています。但し、現場監督さんも図面通りの工事が行われているかの確認は当然行っている訳で、二人で似たような仕事をしています。

似てるんならわざわざ二人して現場に行かなくても、どちらか一人が行けば用事が足りるんじゃないでしょうか。そしたら、一人分の経費が浮く訳で合理化に繋がります。

なんでも仕分け、仕分けの時代ですからね。合理的に作業を進める事は大切です。

なーんて思った方。

間違ってます

間違っていますよ

設計士は施工店が図面通りに工事が行っているかを確認している訳で、それは客様の代理確認作業を行っている訳です。お客様は専門的な知識もなく判断ができませんから。

お客様の代わりに現場を監理しているのに、施工店の人が現場に居るから大丈夫でしょうでは、日本語おかしいですよね

設計士はあくまでもお客様側の立場です。ごくごく当たり前の話。世界中の建築現場ではそれが当たり前。

日本でも公共工事や大規模民間建築であれば設計と施工が別の立場であるのは当たり前ですが、なぜか住宅だけは設計士と現場監督さんが同じ会社に勤めている場合があります。

まぁ、普通にハウスメーカーがその状態ですね。設計士、現場監督さんが同じ場所(会社)からお給料を貰っています。

同じ場所からお給料を貰って、果たして設計士が現場を監理する責任感は生まれるのでしょうか。

どこどこの会社はその責任感がないっていう話じゃないですよ。あくまでもモチベーションの話です。

設計事務所は、お客様から工事監理費を頂いていますので、責任を持って現場を監理しています。モチベーションはとんでもなく高いですよ。頂戴した報酬に見合った結果を示さなきゃですから。

先月、エコポイント対象のリフォームを行っていましたが、無事竣工する事が出来ましたので、本日、工事監理の報告を行ってきました。

R0011759 6帖と6帖のお部屋をつなげて、ダイニングキッチンにする1か月弱の工事でしたが、提出した写真の枚数は90枚

特に大切なのは、見えなくなった部分。どういった作り方をしたのか、どの様な補強をしたのか、図面通りの部材が納品されてるか、釘やビスの間隔は適切かなどなど。

設計図書を保管する事も大切ですが、同等に大切なのは写真を残しておく事。

残しておくという事は、次世代に繋げる事ができます。

一度隠してしまった部分は壊さない限りは再び確認する事はできません。写真に残しておけば、私以外の設計士もビジュアルで確認する事が出来ます。

当然、新築となれば写真の枚数は倍以上

現場に通って、図面を照合して、写真を撮って、時に施工店を指摘して、役所に報告して、その結果をお客様にお知らせする。

リフォームとか、新築とか、大きいとか、小さいは関係ありません。お客様から直接報酬を頂戴している以上は、常に同じモチベーションを持ち続けています。

お客様の為でもありますし、次世代の設計士の為にも行っているのが、設計事務所の工事監理です。←でも、これが当たり前


コメントを投稿