旅するくも

『旅が旅であることを終わらせる為の記録』

鷹の爪団のマナー

2012-02-02 22:46:56 | Quiet Adventure
台湾巡礼の最終目的地である台北に着く2日前。
最後に全員で歩いてゴールするために、いつも荷物を運んでくれた
サポートカーを台北に停めて、宿泊地に戻るということをする必要が
あった。




僕と同い歳で通訳のダン君がひとりでそれをやるというので、僕も
同行することにした。
台北の大渋滞をやり過ごして、ダン君の住んでいるアパートの近くに路駐。
台湾では駐車にお金をかけるのはマヌケがすることだという。

車を停めて、そこから初めて台湾の地下鉄に乗る。
ちなみに、左に立つのは東京、右に立つのは大阪と違いがエスカレーターに
あることは有名だけれど、大阪の右に立つ方が世界基準である。

電車に乗って5分もすれば、電車の中の雰囲気が日本とずいぶん違うことに
気がつく。
電車で長時間人を見るのは失礼で見られている方は不愉快であるが、それが
台湾では全くない。
過去に電車で帽子をズラして被っているツバがこちらを向いていてゲラゲラと
笑っている若者に「まぎらわしいわ」と怒鳴ったことがあったが、日本人の
マナーというものは台湾にはない。

この前、久しぶりに映画館で「ヒミズ」(古谷実)の映画を観たのだけれど
日本の映画館では「マナーを守り、静かに観ましょう」と泣くことも笑うことにも
あらかじめ釘を刺される。
これも世界的に観て異常であると思う。
映画の本場であるハリウッドでは映画館で映画を観るということはみんなで
同じ映画をみなで共有するというニュアンスが強く、例えば、スーパーマンが
弾丸を眼球で弾きかえすシーン(笑うところ)などは、「一緒に笑おうぜ!」
といわんばかりに、わざと大きな声で笑うのがアメリカでは普通だ。

日本の窮屈でお互いを縛りあうマナーというものを見直すと日本という島国が
いかに異常であるのかがよくわかる。

鷹の爪団が伝えている「映画が取りもつ仲間」は、当たり前のことのなのに
この国では斬新である。