議会雑感

国会のルールや決まりごとなど、議会人が備忘録を兼ねて記します。

日切れ法案とは

2015-03-07 | 国会雑学
昨日のブログで、初めて画像をアップした国会日程想定カレンダー(下記再掲)。
                    

スペースの都合上、「日切れ法案」については3月31日にのみ記述していますが、年度内総予算の成立が困難になっている理由の一つに「日切れ法案」の処理が関係しています。

よって、今回は「日切れ法案」とは何か、について紹介したいと思います。

国会では年度末が近付くと、「日切れ法案」「日切れ扱い法案」という用語が頻繁に飛び交うこととなり、3月は、予算案と「日切れ法案」の取り扱いが日程調整を含め、国会運営上の問題となっています。

「日切れ法案」の明確な定義はありませんが、一般に国民生活等への混乱を回避する観点から、現行法の失効期限や税の軽減措置等の適用期限を延長するため、特定の時期までに成立させる必要がある法案を指して使用されています。

国の会計年度が4月1日から翌年3月31日までとなっているため、3月31日を期限とする法律や、4月1日を施行日とする法律は多く、結果として年度末までに処理しないと国民生活や国政に重大な影響を与えてしまうことになるためです。

もちろん、税法などは期限を延長すれば良いのでは、という考え方もあるのですが、その場合、改正法の施行日までだけ税の取り扱いが異なることとなり、国民生活に大きな混乱を来しますし、税務事務も煩雑になってしまいます。

このような事態を避けるために、期限までに改正法を成立させ、施行することが必要になるため、「日切れ法案」である国税・地方税法改正案などは年度末に審議が行われることになります。

ただ、これらの審議は予算委員会(常任2種委員会)ではなく、財金委員会や総務委員会などの常任1種委員会で行われることとなり、一日中予算委員会ばかり開くことが出来ず、予算案採決の目安となる審議時間はなかなか積み上がりません。

年度末は予算委員会、プラス日切れ法案を扱う常任1種委員会を開かねばなりませんので、これらの日程を考えると、年度内に総予算の成立は難しいのではないか、ということが言えるのです。

あと、「日切れ法案」のほかに、特定の時期までに成立することが諸般の状況から望ましいと政治的に判断される法案も「日切れ扱い法案」とされています。

昨年に引き続き、今年も何かと話題になっているNHK予算案は「日切れ扱い」です・・。