nasu_star's blog

那須で自然に親しみ、星と自然を愛するブログ

双眼鏡の修理

2020-09-02 09:36:06 | 星空
40年前に高橋製作所のFC76Eというフローライトレンズの高価な屈折望遠鏡を買いました。
その時に販売店が独自に日野金属(現ミザールテック)の5cm×7倍の双眼鏡をプレゼントしてくれました。
ズーと使ってきましたが、5年くらい車に積みっぱなしで行った先でいつでも星を見れるようにしていました。

しかし、昨年使った時になんか目がおかしくなるんです。
双眼鏡から目を外すと裸眼の景色が二重。

そう、光軸がずれてるんです。
きっと、車の振動を受け続けてどこかプリズムでもずれてしまったのかも。
しかも、以前から視界の透明度が悪くなって来ていて対物レンズや接眼レンズを綺麗にしても変化なし。
プリズムをいじる勇気無いし・・・

もう、この双眼鏡ともお別れかな??

と、思ったのですが、ダメ元で分解してプリズムを綺麗にして光軸も合わせてみよう!
と、突然そんな気分になり突然分解開始(何時もの事です)。

意外と簡単に分解出来て、プリズムも金属板をしならせてその圧力で取り付けてあるだけでした。


プリズムは片方に2つで構成され「ポロプリズム式」になっています。
一応、製品として組み立てた時に光軸を合わせた後にプリズムがズレない様に黒いザラザラしたセメントの様なものでプリズムの端2か所が接着されています。
ただ、プリズムをちょっと触ったらそのセメントみたのは弾力が無いのでぽろっと取れました。

思ったとおりプリズムの3面全てが経年の空気中の成分が付着して曇っています。
ティッシュに無水アルコールを付けて拭いたら・・・
凄い透明になりました。

とってもクリア! 気持ちいい!

左右合わせて4個のプリズムの全ての面に少しの曇りも無い事を何度も確認して全てクリーニング完了。
下の写真は手前と左奥側の面をクリーニングした状態のものです。
右奥の面はまだクリーニングしてないので、曇ってるの分かりますよね。
この曇りが3面あったらそれはそれは曇って見える訳です。
しかも2つのプリズムで全部で6面分の曇りが重なる訳ですから・・・


クリーニング終了し、再度組み込みました。


で、覗いてみるとやっぱり目が変になりそう。
何がどうズレているのか双眼鏡を固定して遠くの景色をそれぞれ片方ずつ覗いてみました。


左側は全体にピントも有ってるし、問題無さそう。
右は下の方に行くと少し歪んでいます。
更に、左右の見えている景色の上下左右を観察すると、左より右側が見える鉄塔の腕2個分くらい上を向いているようです。

なるほど・・・
右側に問題があるんだな。
という事で、再度右側のプリズムを設置しなおしました。

すると、なんという事でしょう。
左右バッチリ同じ視界になりました。

双眼鏡の接眼レンズ部にカメラを近づけて写そうとしましたが、ケラれて全体は入らないので、何か基準になる物という事で右上部分の双眼鏡の枠の縁の線が入る様に写してみました。

上下左右全く同じ場所に鉄塔が見えているのが分かります。
肉眼で覗いても今度は全く違和感なく見れます。


やったー!
40年物の双眼鏡復活!
どんな物でも「八百万の神」が宿っているんでしょう。
大切に使い続けていれば、不具合が起きても直せるヒント頂いて結果良し!
みんさん。物を大切に使っていますか?
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