大田区議会議員 奈須りえ  フェアな民主主義を大田区から!

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国家戦略特区、構造改革特区パブコメにあたり私が考えていること

2014年02月12日 | ├TPP・グローバル化・国家戦略特区

【国家戦略特区法・構造改革特区法基本方針案の意見など】

構造改革特区

◆構造改革特区の時に、「もともとの規制の目的がそこなわれない」という条件がついていたものをこの「基本方針」によりなし崩しにしようとしている。国権の最高機関である、国会の議決をたとえ、法律により、一定の権限を与えられたとしても単なる国家戦略特区諮問会議が超えることは不可能。法治国家の根幹がゆらぐ。

国家戦略特区逐条解説P2 下から10行目
http://nasu.seikatsusha.me/files/2014/01/1b13864ff80bf2e9b957bfbba00dcbc0.pdf

◆特区による法を超えた規制緩和は、地方自治の基本原則92条から95条に反する。

◆特区による規制緩和は、規制緩和後の、国民生活への影響を明らかにしなければならない国の責務、説明責任を果たしておらず無効。「行政機関が行う政策の評価に関する法律」により「規制の事前評価の実施に関するガイドライン」に基づき、国民に説明責任をはたすべきである。

◆そもそも、国家戦略特区諮問会議に国権の最高機関である国会を超える権限を与えたことは、日本国憲法に基づく我が国の民主主義の崩壊に等しく問題。

◆基本方針には
ア)情報公開の徹底を図り、透明性を十分に確保する

とあるが、そもそも、法律成立の経緯において、情報公開は行われておらず、言葉だけの情報公開は全く信頼に足らない。

イ)スピードを重視

スピードを重視する必要性についての説明や根拠が示されていない。
拙速な規制緩和は、法改正による正当な手続きを経ないだけでなく、「行政機関が行う政策の評価に関する法律」による「規制の事前評価の実施に関するガイドライン」を無視することになり、結果として国民生活が重大なる損害を被る。

ウ)PDCAサイクルに基づく評価を行い、評価に基づき国家戦略特区の指定の解
除も含めた措置を適切に講ずること等により、国家戦略特区間の競争を促進する
こと。

しかも、国家戦略特区法は、あくまで経済政策であり、その評価が、Plan(計画)、Do(実行)、Check(確認)、Action(行動)PDCAサイクルに基づき行われても、国民生活に還元される規制緩和であるかどうかわからない。

評価の指標は、区域計画において設定した目標の達成状況。再興戦略KPIへの寄与度などによるとされているが、これらと、国民生活が豊かになることとは一致しない。

国民から信託され存立する政府であれば、一部の利害に基づいた指標でなく国民全体の生活を支え、向上させる指標を設置し、評価すべきである。


◆しかも、経済の活性化が、国民の雇用を生み、所得を増やし、GDPを増大させるという好循環が期待できたとしても、諮問会議及び区域会議の構成員を「必要最低限の構成」としており、特定の業種、業態のステークホルダーの利益代表になりかねない。ある業種。業態にとっての経済振興は、時により、別の業態に不利益を及ぼす可能性も否めず、議会制民主主義の外に作られた意思決定機関としては、極めて恣意的な機関であり、それを抑止するための仕組みも講じられておらず、欠陥があると言わざるを得ない。
公平性・中立性を確保する視点から、諮問会議に付議される調査審議事項について直接の利害関係を有する議員を当該事項の審議及び議決に、必要に応じ、参加させないことができるとわれているだけでは不十分である。
経済活動により影響を受ける消費者や、労働者などの立場から国民代表が審議に加わることや、公開での会議の開催、議事録の公開など、透明性説明責任の果たされた会議が求められる。
そうした視点からは、極めて限定的な経済視点での規制緩和民間議員による「原則」「結果」情報の公開という方針は不十分と言わざるを得ない。

◆基本方針策定など規制緩和の権限は、議決において民間議員が過半数という構成の諮問会議や、民間議員の入る区域会議に委ねられている。選挙で選ばれた議員であれば、選挙による国民の評価という抑止力もあるが、株価、利益といった利害の代弁者に、国民の制度の改廃をゆだねることは、国民から見れば、なんら抑止力を持たない利害関係者に利益のための権益を与えたに等しく問題である。

◆企業実証特例制度による企業単位の規制改革との併用は、企業間の公平性を著しく阻害するものであり問題である。

◆区域が
ア)都道府県又は一体となって広域的な都市圏を形成する区域を指定する「比較的
広域的な指定」
イ)一定の分野において、地域以外の視点も含めた明確な条件を設定した上で、国
家戦略として必要な取組を強力に推進する市町村を絞り込んで特定し、地理的な
連担性にとらわれずに区域を指定する「バーチャル特区型指定(P)」

という二つに分かれているが、いずれにせよ、範囲も影響も極めて大きく特区で行う正当性をもたない。結果として、法改正に伴う、さまざまな我が国の法的手続きを逃れる「ための」特区であり、「したいところがする」のであれば、法改正すべきである。

 ◆指定基準は、いずれも、経済効果であり、結果、都市部においてそのスケールメリットから経済波及効果も比較的大きいと思合われるが、これまで行ってきた東京一極集中に伴う、経済効果の還元は都民には及んでおらず、特区指定をスケールメリットとする正当性が個々の国民からは見当たらない。あるのであれば、明確に示すべきである。

◆国民生活に大きな影響を及ぼす特区だが、基本方針等、周知は、インターネットにほぼ限定されており、説明責任として不十分である。今後、区域が決まり行われる個々の規制緩和についても、国民生活のみならず、医療、子育て、介護、障がい、教育などは、基礎的自治体や都道府県にも密接に関る規制で有り、住民に最も身近な自治体の窓口や行政サービス機関で事前広報すべきである。今回のインターネットによる基本方針のパブリックコメント募集も、ネット環境にいない、しかし、医療、介護などの規制緩和により大きく影響を受ける当事者は、規制緩和の仕組みがおっか戦略特区法という新たな仕組みに委ねられることさえ知らない。
いずれにせよ、国民生活に大きな影響を及ぼすことは、政府自身が認めていることでありながら、大半の国民に対し、説明さえしようとしない姿勢について、国のみならず、特区を申請した自治体にも猛省を促す。

◆特区は、構造改革特区の国会での審議からも、地方分権、地方自治の観点からスタートしながら、結果として国が基本方針を示しそれに従わせ、諮問会議に大きな権限を与え、極めて中央主権的、超民主的、憲法で保障された地方自治が全く保障されておらず、問題である。

◆法第8条第9項に基づき、区域計画に定められた規制緩和が適法であるかの判断を、関係府省庁の長が判断することとされている。判断は、法の主旨や、国民生活への影響ではなく、「国家戦略特別区域における規制改革事項等の検討方針」に適合しているか否かであり、それだけで判断されれば、国民生活への影響は計り知れない。法治国家としての基盤が破壊される。しかも、構造改革特区の規制の特例措置の内容も、が構造改革特別区域基本方針別表1に定める「同意の要件」及びこれについて規定した同表の内容に合致するように定められる法令に適合していれば、同意するものとする。とあるのは問題。


◆新たな規制緩和についても、国家戦略特区法の改正と、基本方針第五の修正など政令、条例で可能とするなど、極めて簡便な法手続きと言わざるを得ず、問題である。法改正が必要なものについては、特区法でなく、個々の法改正により対応すべき。

◆提案は、事業者、公共団体、複数の主体による共同提案、海外からの提案など多様な主体から受けている。海外投資の呼び込みなどに象徴されるように、経済障壁をなくす方向に動いているグローバル化が根底にある国家戦略特区による規制緩和だが、政府は、日本国民の信託を受け、存立しており、国家は、厳然と存在する。政府は、最終的に、国民生活に寄与するか否かが、政策実行における主眼であることを自覚し政策実行にあたるべきであり、国内外問わず、提案に関る判断は、こうした視点から行うべきである。

◆構造改革特区による規制緩和とイノベーションの促進とは直結しない。イノベーションに必要な教育や、研究開発への適正な仕組みの構築こそが求められる。

◆構造改革特区法成立の際の審議において、法のもとの平等の視点から税制優遇措置などは講じないこととされていた。しかし、それらが講じられる正当な根拠は示されていない。現行の、税制や財政のしくみと、国と地方の役割分担など国と地方が密接に関る統治機構からすれば、地域に独自性を認めることは、必ずしも、地域の発展につながらず、逆に富の集中や、密集や過疎による政治課題を招くなど、弊害が予測されるのは自明である。
あるいは、特区による、税制優遇が、日本の財政制度に悪影響を及ぼさず、国民生活に寄与すると予測するのであれば、その根拠を予測データとともに示すべきである。
あえて、法成立時に行わないとした税優遇を行う根拠を明らかにすべきである。

◆構造改革特区において、基本方針は、本部長である内閣総理大臣に大きな権限を与えている。特に構造改革特区における規制の特例措置は、法の目的を損なわない範囲という条件のもと運用されてきており、これを形骸化する権限をこの本部長が持つ可能性がある。たとえ、内閣総理大臣であろうとも、法解釈まで、正当な根拠無く、変えることは許されるものではない。
本部長の権限が、適正に行使されることを国民に示すしくみを構築するとともに、構造改革特別区域推進本部は、透明性、説明責任を果たすべきである。

◆規制緩和の全国展開の評価基準も「弊害が生じていない場合」とされているが、どのような状況をもって「弊害が生じていないとされるか」その判断方法こそが重要であるにも関わらず、示されていない。明らかにすべきである。一方で、規制緩和のニーズについての調査を行うのであれば、当然に、規制緩和による弊害についての国民調査、住民調査を行うべきである。


◆特区による規制緩和は、我が国の議会制民主主義においてこれまで講じられてきた手続きを経ていない。にも関らず、特区において規制緩和し、既成事実化したうえで、全国展開を決定して法改正を行うことは、国民を実験台とするのみならず、その実験が国民にとって失敗だったとしても、強行するしくみであり、行うべきでない。


これまで法の目的をこえ適用されようとしている規制

・学校設置会社による学校設置事業
・学校設置非営利法人による学校設置事業
・条例による事務処理の特例に関る事務の合理化事業
・病院等解説会社による病院等解説事業
・市町村教育委員会にりょう特別免許状授与事業
・公私協力学校設置事業
・市町村による狂犬病予防員任命事業
・地方公務員に関る臨時的任用事業
・特定某業者による特定酒類の製造事業
・特産酒類の製造事業
・地方公共団体の長による学校当施設の管理及び整備に関する事務の実施事業
・民間事業者による特別養護老人ホーム設置事業
・社会保険労務士を活用した労働契約の締結に関る代理事業
・再生資源を利用したアルコール製造事業
ほか、条例や政令などで定めるもの




【パブリックコメント提出の詳細】
  期限は2014年2月13日

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