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アスベストに関するご相談は「中皮腫・じん肺アスベストセンター」へ
これまで、都市計画審議会や議会、委員会などで度々アスベストの問題について発言してきました。
クボタの公表以降、アスベストが大きな社会問題となりました。アスベストの問題は、単なる労働災害に留まらず、私たちの生活に密接にかかわる環境汚染・公害問題として取り組まなければならない課題になっています。
大田区でも、過去に行われた区内施設調査が区民の安全を確保しうるものになってなかったことから、再調査を行い、その結果に基づいて、現在、除去作業を開始しているところです。
こうしたアスベストの除去にかかわる工事は、過去にアスベストが使用されていた建築物が解体の時期に入ってきていることや、アスベスト危険性への認識が高まっていることなどにより、全国的に増えています。
しかし、十分な知識や技術を持って除去できる業者が不足していると言う指摘も有ります。
現在、アスベストを取り扱う現場の作業者は、アスベストの「特別教育」を受けなければならないことになっています。また、作業者の中から「石綿作業主任者」を選任します。「石綿作業主任者」は国家資格ですが、この資格取得のための講習を受けてきました。
「石綿作業主任者」は、
①作業現場にいる労働者がアスベストをすわないよう作業方法を決定し労働者を指揮すること
②排気装置、換気装置、除塵装置など労働者が健康障害をうけることを予防する装置を点検すること
③吸い込まないための保護具の使用状況を監視すること
を行うことをその役割としています。
健康障害、法令、作業環境、保護具の分野に分けて講習が行わ特に作業環境・保護具に重点が置かれ労働者の健康をアスベストから守ることを目的としている講義であることがわかります。
「吸い込まない」とともに「飛散させない」状況を作ることが非常に重要で、その現場で指揮監督を務める作業主任者を育成する講習でしたが、二日間、4時間と6時間の講習だけでアスベスト除去に十分な知識と技術を取得することは非常に困難で、主任者自身の学習や現場での育成の必要性を感じました。
これまでも、大田区の梅田小学校や区営住宅でのアスベストの除去や処理にかかわってきた経験のなかで、アスベストに関する法令が、環境省、国土交通省、厚生労働省などの各省庁にまたがっているうえに、整合性に欠け、「吸い込まない」「飛散させない」状況を作っていくのに不十分な部分があることを感じてきました。
こうして、現場でこれから除去作業に携わろうという方たちが「吸いこまない」「飛散させない」状況を作るための学習の現場においても、そうした部分の表記が曖昧で、果たして、十分な対策がとれるのか心配になります。
これまでも、再三申し上げてきましたが、工作物の除去に伴って生じた破片などのレベル3のアスベスト(成形板=アスベスト含有建材)は、建設リサイクル法にのっとり中間処理施設に持ち込んでしまうと、破砕してしまうため飛散の恐れがありますし、そこから再生品を作れば、アスベストが含有していない建材として流通してしまうことになります。
しかし、テキストには、「工作物の除去に伴って生じた破片などのレベル3のアスベスト(成形板=アスベスト含有建材)は、建設廃材(瓦礫類)として処分できる」と記載してあり、この記載では、建設リサイクル法の中間処理施設に持ち込まれかねません。
また、建築物の解体や改修時にアスベストの有無を調査し、その結果に基づいて適正に処理すればよいのですが、ピーク時の使用量から考えれば、多くの建材に使用されていると考えられるにもかかわらず、現場での手作業や分別廃棄がどの程度守られているのかは大きな疑問です。
大田区は、海側に多く建設廃棄物処理施設を抱えています。
東京都のスーパーエコタウン事業の都市計画決定の際に、アスベスト含有建材の混入の恐れの指摘をしましたが、区は混入しないと答え、既にリサイクル施設は稼動しています。省庁の法令が、現場のアスベスト対策に不十分な現状のなかで、今、大田区として対処できる方策は何なのかが問われています。
建設リサイクル法の定めに基づき大田区への解体を届出る際に、石綿障害予防規則上義務付けられているアスベストの有無の調査の結果を添付させることや、解体に際し、アスベスト対策を十分とらせるために補助金をつけ解体業者や施主にインセンティブを働かせることなども有効な方策であると考えます。
講義の中でみた、大工や電気工、配管工、空調・保温工、瓦工などのアスベスト被害者やアスベスト患者を診ている医師などの声を集めた15分間のビデオは、誰もがアスベストの被害者になりうることを訴える衝撃的なものでした。
これまで使用されたアスベストの9割以上が、建材として私たちの身のまわりに存在しています。アスベストを大量に使い作業する工場などの現場だけでなく、まちの中の解体現場やリフォーム現場でも吸い込んでしまう可能性のあることを念頭にアスベスト対策に取り組んでいかなければなりません。
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